ポロライド、コダック、ライカを抑えた堂々の1位は…?
イベントや旅行に行くのが楽しい、夏。特に、何日も前から想像しただけでワクワクするようなイベントは、スマホのカメラだけでなく、インスタントカメラを使って思い出を形に残すという粋な手もあります。
7年以上のリサーチを続けてきたというWirecutterによると、使いやすさ、コスパ、機能性、仕上がりともに断トツトップだったのは富士フィルムのInstaxシリーズ。
個人的には、インスタントカメラなのに"プリントする写真を選べる"というInstax Mini EVOが気になっています。そのほか、高コスパなものから写真サイズが大きめなものまで揃っています。みなさんならどれを選びますか?
Instax スクエア SQ6、Instax スクエア ツインパック フィルムは、ほかのInstax製品と比べても業界トップクラスで高クオリティな写真が撮れます。シンプルで直感的に操作できる一方で、露出補正機能、多重露出モードを使いこなせば、よりクリエイティブな仕上がりも期待できます。本体はしっかり頑丈。電池交換まで300枚ほど撮影可能。
高クオリティな1台2役インスタントカメラおすすめ:Instax Mini EVO

インスタントカメラとデジタルカメラのハイブリッド。インスタント撮影はもちろん、デジタルレビュー画面も使える。
インスタントカメラとデジタルカメラのハイブリッドとして、現在のところ1番におすすめできるのが、Instax Mini EVOとInstax Mini Film(ツインパック)。アナログの良いところと液晶画面の利便性を持ち合わせていて、アプリを使えばリモート撮影やスマホのライブラリから好きなタイミングで印刷できるのが魅力。
Instax Mini 9、Instax Mini ツインパックは遊び感覚で気ままに写真を撮りたいという人におすすめなインスタントカメラ。写真の色彩やシャープさでいうとInstax スクエア SQ6の方が頼りになりますが、コンパクトながらにしっかり頑丈で、機械慣れしていない人でも直感的に使いやすいのがポイント。電池交換まで100枚程度撮影可能。
大きな写真サイズのインスタントカメラなら:Instax Wide 300

もっと大きめサイズの写真を撮りたい人はこちら。Instax Square SQ6よりも低コスト。単3形乾電池式。
グループ撮影など、もうちょっと大きめな写真(約8.6x10.9cm)を残したいという場合にはInstax Wide 300、Instax Wide Film ツインパックがおすすめ。露出補正とフラッシュ発光のボタンあり。オートフォーカスで撮影できます。
そもそも、インスタントカメラとは?

チェキやポロライドに代表されるインスタントカメラ。シャッターを押すと白い紙が出てきて、次第にカラー写真が出来上がります。その特徴はネガ、現像液、ポジ紙がセットになったフィルムパックを使用すること。フィルムパックは10枚セットが王道。カメラ本体で残り枚数を確認できるようになっているのがほとんどです。
インスタントカメラのよさは、その場で写真が仕上がること。これは暗室で何時間も作業したことがある写真家からすると、もはや魔法のように便利なプロセスだとか。デジタルカメラのような鮮やかな色彩やクオリティの高い濃淡は期待できませんが、インスタントカメラならではの味わい深さが楽しめます。スマホの画面ではなくリアルで手元に残る1枚は今の時代、思い出深いものとなるはず。
どんな人におすすめ?
インスタントカメラの醍醐味は、誰でも楽しく、すぐに写真が撮れて手元に残ること。会話のきっかけにしやすかったり、普段は写真で表情が硬い人も気軽にポーズをしてくれたり。一眼レフほどがっしりした感じがなく、見た目もおもちゃのように扱いやすいので、年齢や腕前に関係なく写真が撮れるはず。
ズームレンズはなし、ファインダーは小さめ。写真を一枚撮るごとにフィルムを消費するのもインスタントカメラならでは。プレビュー画面がないので、良くも悪くもどんな写真になるかはお楽しみ。より本格的な一眼レフの方が好きだという人もいるかもしれませんが、基本的には小さい子供から大人まで楽しく使えるカメラです。
Instax スクエア SQ6

Instax スクエア SQ6は、数あるインスタントカメラのなかでもベストな写真を撮れることから、Wirecutterでは数年変わらずおすすめ1位として紹介しています。シャープで色鮮やか、ディテールとコントラストもうまく仕上がります。
シンプルで直感的に操作できる一方で、露出補正や多重露光モードを使いこなせば、よりクリエイティブな仕上がりに。

高クオリティの秘訣は、色の明るさとディテール。フルオートモードで、初心者でも良い写真が撮りやすいです。

日中など明るい場所で撮影すると、色彩がほぼ正確で一貫した写真に仕上がります。
オートモード以外で撮影したい場合には、ほかのインスタントカメラと比べても多くの選択肢(マクロ、風景、二重露光モード、露出コントロール、フラッシュの無効など)があります。カメラ本体にある鏡を使うと、セルフィーモードも上手く使いこなせるはず。オレンジ、グリーン、パープルのフラッシュフィルターもあり(ただし実際に使ってみると、ユニークな反面、やや暗くぼやけた仕上がりになるのであまりおすすめしません)。
三脚とセルフタイマーを使えば、グループ写真もばっちり撮影できます。


カメラ本体はしっかり快適に持ちやすくなっています。大きめなサンドイッチのようなサイズ感(約12x12.7x5.8cm)。操作ボタンはうまく押しやすいよう配置されています。400g弱でサッカーボールのような軽量感なので、カメラストラップで首から下げるもよし、カバンに入れておくもよし。ビューファインダーは小さいながらも、被写体を中心にフォーカスするには問題なさそうです。
カメラ用リチウム電池 CR2式で、電池替えまで300枚ほど撮影可能。Instax スクエア ツインパック フィルム使用。
Instax Mini EVO

Instax Mini EVOは、インスタントカメラの良いところ(写真がすぐできる)とデジタルカメラの良いところ(液晶画面、フィルター、プリントする画像を選べる)を持ち合わせた優れもの。アプリを使えばリモート撮影やスマホのライブラリからの印刷もできます。
写真の撮影からプリントまでの一連の操作は簡単なので、初心者でも使いやすいはず。人間工学的には、縦横の向きや左手の人差し指でシャッターを押すなど気になる点はちらほらあります。
サイズは全自動カメラとほぼ同じくらい。しっかり頑丈で、バッグやジャケットのポケットに入れておいても安心できそうな印象です。

Instax Mini Film(ツインパック)使用で明るく色鮮やかな写真ができます。写真1枚ごとのコストはInstax filmのなかで最安値。何より、プリントしたい写真を選べるのは他と比べて大きな違い。特に、写真を何枚も撮影しまくる人の手にカメラが渡っても、好きなものだけプリントできるのはかなりの安心要素となりそうです。
シャッターボタンを半押しするとAE/AFロックがかかる仕組み。フォーカスは、小さな液晶画面に緑色の四角で表示されます。機能的には、撮影前の露出補正、暗い場所でのピント合わせに役立つオートフォーカスイルミネーター、プリント前にフィルターやフレームの追加、画像拡大などができます。

スマホからのプリント、リモート撮影、カメラ上部のショートカットボタン3つのカスタマイズなど、より多くの機能を活用したい場合には、Instax Mini Evoアプリがあります。
内蔵メモリでは約45枚の画像を保存ができて、追加でmicroSDスロットを使えばより多くの写真を保存できて、カメラからPCに画像を転送したりソーシャルメディアでシェアしたりすることもできます。内蔵バッテリーは、1回の充電で約100枚の撮影が可能です。
レンズの周りには回転ダイヤル(ヴィネット効果、フィッシュアイ効果、二重露光)、カメラ上部にはエフェクトのダイヤル(ビビッドでパンチのある色、セピアで温かみのある色など)があります。
ダイヤルを回すと、スクリーンにプレビューが表示されるので、撮影前にどのような画像になるのかわかって便利です。レンズ効果とフィルム効果の両方を追加するとまた面白い仕上がりになります。
Instax Mini 9

Instax Mini 9は遊び感覚で気ままに写真を撮りたい人におすすめなインスタントカメラ。写真の出来上がりに関しては、Instax スクエア SQ6の方が色彩が豊かでシャープ。ただ、コンパクトで持ち運びやすく、カジュアルな場面で記念の撮影をするにはちょうど良いはず。
写真サイズは、縁ありで約8.6x5.3cm。クレジットカードよりもちょっぴり小さめ。お財布に入れておける小ささです。

露出補正やマクロレンズの装着など、クリエイティブな撮影方法は限定的。セルフィーミラーは便利です。低コストなインスタントカメラとして、子どもが使うのにもピッタリ。
カメラ本体はしっかり頑丈で、落下にもある程度耐えられるように作られています。電源の入れ方に戸惑う人もいるかもしれませんが、レンズリリース/電源ボタンの場所さえわかれば、あとは難なく使えるはず。

単三電池式(2本)で、電池交換まで100枚ほど撮影可能。Instax Mini ツインパック使用。
Instax Wide 300

グループ撮影など、もうちょっと大きめな写真(約8.6x10.9cm)を残したいという場合には、Instax Wide 300がおすすめ。
写真の仕上がりは、インスタントカメラならではのちょっとノスタルジックな写真エフェクトが加わります。写真の色彩や鮮明さよりも、実際には写真のサイズが大きいというだけで喜ばれることも多々ありますが、もっと鮮明でコントラストがうまく効いているものが好みだという場合には、Instax スクエア SQ6のほうが全体的なクオリティは高いです。
カメラ本体は比較すると大きく重ためです。ただ、Instax Wide Film ツインパック使用で1枚あたりのコストは抑えることができます。


操作ボタンは、露光補正とフラッシュ(起動用)のみ。グリップを使うと持ちやすいですが、細いストラップで持ち運ぶには数時間で疲れてしまうかもしれません。三脚座対応で安定性がありますが、タイマーはないので写真を撮る係が昼用になりそうです。

単三電池式。プロ写真家のJessica Zollman氏は「風景が撮りやすいこと、オリジナルのPolaroidに近いことから、私はInstax Wide 3派です」とコメントしています。
その他インスタントカメラ
インスタントカメラの分野で圧倒的な強さを見せつけたのは富士フイルムでしたが、コダック、ポロライド、ライカなどのブランドはどうでしょうか?Wirecutter調査によると以下の通り。
Instax Square SQ1は、Instax スクエア SQ6の新バージョンという印象。ただ、マクロや風景などのカメラモードがなく、どちらかというと全自動カメラに近くInstax Mini 9寄り。フィルムは正方形。
Instax Mini 90 Neo Classicは、長年おすすめ1位として紹介してきましたが、新しいInstax スクエア SQ6のほうが高クオリティな写真が撮影できること、写真サイズが大きいこと、コスパも期待できることから入れ替えとなりました。
Instax Mini 50S、Instax Mini 70、Instax Mini 11、そして最新のInstax Mini 40といったMiniシリーズもすべて調査しましたが、写真のクオリティ、使い勝手、コスパ面でなかでもおすすめできるのはやはりInstax Mini 9でした。
ポロライドのインスタントカメラでベストなのは、ポロライド Now。過去のポロライド OneStep+やポロライド OneStep 2と比べると、余計な部分が削ぎ落とされてよりシンプルな操作性を実現。セルフタイマーボタンと二重露光モード搭載。ただ、写真の仕上がりが予想外になることも多々。ボケたり、露出が強すぎたり弱かったり安定しないのが難点。また、現像まで15分間遮光する必要があるので少し手間に感じることも。
Kodak スマイル インスタント プリント デジタルカメラ、より大きめな写真が撮れるKodak スマイル クラシック インスタント プリント デジタルカメラは、インクを使わないZinkプリント技術により、低コントラストで、富士フィルムInstaxと比べるとクオリティに大きな差が見られます。Kodak StepもZinkプリント技術採用で、WIrecutter調査中には詰まって壊れてしまいました。
Kodak Mini Shot、Kodak フォトプリント Mini 2は、シールにもなるクレジットカードサイズ。写真がはっきり鮮明な反面、ポロライドのようなノスタルジックな柔らかさはありません。
Lomography Diana Instant Squareは仕上がりがやや不安定。Lomography Instant Automatは上級者向けで、魚眼レンズや広角レンズ、クローズアップレンズは便利というよりちょっと使いづらい印象。いずれも、仕上がりの安定性やコスパ面でやはりInstax スクエア SQ6の方がおすすめ。
Lomography Instant Wideは、レンズキャップにシャッターリモコンがあるのが特徴的。操作がややこしいのが難点。
ライカ ゾフォートは、高級カメラブランドであるライカによるインスタントカメラ。他の同社製品の値札と比べるとゼロ(桁数)は少なめ。ただ、ほかのインスタントカメラと比べると高価で、機能性はInstaxと類似しています。
Mint InstantFlex TL70は見た目こそめちゃめちゃかっこいいですが、高価で、つくりが悪いという意見があるのも気になるところ。
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