異常な暖かさの影響で、グリーンランドから7日間で東京を26メートル沈める量の氷が消える

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  • author Angely Mercado - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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異常な暖かさの影響で、グリーンランドから7日間で東京を26メートル沈める量の氷が消える
グリーンランド、イリサット近くのイケフィヨルド湾の河口に座礁した氷山
Image: LouieLea / Shutterstock

ビルやマンションが9階まで沈むレベル…。

ここしばらくグリーンランド北部の気温が異常に高く、温暖化の影響に慣れてきた科学者でもビックリ仰天するレベルの氷が解けてしまいました。

7日間で最大580億トンの氷が解ける

米国国立雪氷データセンターのデータを引用してCNNが伝えたところによると、グリーンランドの気温が平年よりも5.5度も高い15.5度に達してしまった影響で、7月15日から17日にかけて、1日あたり60億トンもの氷が失われたとのこと。米ギズモードの元記事ではウェストバージニア州を30cm覆う量と書かれていたのですが、イメージが湧かないので東京都に置き換えてみると、驚きの8.2m! 東京が8.2m沈む量の氷がたった3日で解けるなんて…。この融解による海面上昇は…。

と、思っていたら、な、な、なんと! それから3日後の7月20日から23日にかけて、さらに最大400億トンの氷が解けたんですって。落ち着いて整理すると、東京がさらに18m沈んで、合わせると26m超が海の中。ほぼほぼ9階まで沈みますね、これ…。

コロラド大学国立米国立雪氷データセンターのTed Scambos氏は、この期間の北半球における氷の融解は、最近30年から40年の平均から大きくかけ離れていたといいます。グリーンランド駐在の研究者によると、Tシャツだけで出歩けるくらい暖かかったのだとか。

地球最速で進む北極の温暖化

北極圏の温暖化は地球最速で進んでいるため、氷床の融解は科学者にとってずっと心配の種になっています。昨年8月には、それまで雪しか降らなかったGreenland Summit Campで観測史上初めて雨が降って話題になりました。また、同年夏には1日でフロリダ州全体を覆うほどの氷が解けたこともありました。早ければ40年後には北極圏で雪よりも雨の方が多くなる地域も出てくるという予測もあります。

極域の氷と雪が減ると暗い表面が増えるため、反射できる太陽光の量が小さくなります。それによって気温が上昇し、氷が減ってより多くの熱を吸収、さらに氷を解かしてしまうという危険なループを引き起こしています。

グリーンランドの氷が解ける影響は地球規模

グリーンランドの氷の融解による影響は、グリーンランドのコミュニティーやホッキョクグマなどの気候変動に脆弱(ぜいじゃく)な生き物だけにとどまらず、地球規模に及びます。平均すると、1年あたり2500億トンの氷を失っているグリーンランドですが、夏が異常に暖かかった2019年には、1948年の観測開始以来最大となる年間5300億トンの氷床が解けました。今春から7月までの普通じゃない暖かさのために氷床の表層部がほぼすべて解け、海面は1.5mm上昇したそうです。また、1990年代以降にグリーンランドと南極の氷が解けたことによる海面上昇は1.8cmに達しています。

海面は、1880年代から約23cm上昇しています。ほんのわずかの海面上昇であったとしても、インフラは破壊され、人々の生命を脅かす沿岸地域の洪水がより深刻化し、日常的なものになっていきます。これ以上北極の温暖化と氷の融解を加速させないために、温室効果ガス排出量の削減を急がなきゃですね。

そんなとこにいたの? グリーンランドで未知のホッキョクグマの群れが見つかる

グリーンランドの南東部で未知のホッキョクグマの群れが発見される。北極圏で確認されたホッキョクグマの個体群は20グループ目。

https://www.gizmodo.jp/2022/06/unknown-group-of-polar-bears.html