いよいよ…!
NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が約160万km(100万マイル)離れた観測地点に向かうため、フランス領ギアナから飛び立ってから6カ月が経ちました。現地時間の7月12日に予定されているフルカラー画像の初公開を前に、NASAは先週、記者会見を行いました。
NASAはこの記者会見の中で、公開される画像の詳細とウェッブのパフォーマンスについての最新情報を明かしました。チームによるとこれまでで最も深い宇宙の写真や、少なくともひとつの太陽系外惑星のスペクトル画像がリリースされるとのこと。
NASAのビル・ネルソン長官は、「私たちはどこから来たのか?外には何があるのか?私たちは何者なのか?といったわれわれが持つ疑問のいくつかを解くかもしれない」と発言。「あらゆる意味で、ウェッブの旅は始まったばかり」と語っていました。
太陽系外惑星の謎を解明
2021年12月25日、ウェッブはロケット「アリアン5」に搭載されて打ち上げられました。約1カ月かけて到達した観測地点のラグランジュ点(L2)に佇む姿は、イタリアにあるリモート天体望遠鏡によって撮影されています。
L2点にたどり着いて以降、ウェッブのミラー調整作業と科学機器の試運転に関するアップデートが次々と報じられてきました。その結果、5月にはウェッブ望遠鏡の中赤外線機器(MIRI)が大マゼラン雲の驚くほど鮮明な画像を捉えたのでした。
それはあくまでテスト画像であって、7月12日に公開されるのは望遠鏡がその実力を発揮した画像になります。初のフルカラー画像で、ウェッブの科学テーマを強調するものになるそう。また画像だけでなく、120時間に及ぶ観測データも公開されます。
太陽系外惑星のような天体を観測すれば、その大気化学によって惑星科学者たちは遠く離れた世界の真の多様性を理解できるようになり、天体物理学者たちは生命の存在を示唆する水蒸気とガスを探し出せるようになります。
ウェッブの画像は、外の世界をかなり精細に観測していくので、トランジット系外惑星探索衛星(TESS)と探査機「ケプラー」などのミッションから生じた地球系外惑星のリストを片付けていけるでしょう。
ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げと道中のコース修正が高精度だったおかげで、少なくとも20年間は稼働できるほどの燃料が節約されました。
構想・開発・資金繰りに長い年月をかけたウェッブ宇宙望遠鏡がようやく科学観測にまでこぎ着けたんですから、微小隕石との衝突という定期的なトラブルに煩わされるわけにはいきません。フルカラー画像の初公開までおよそ1週間。待ち遠しいですね!