「ユーザーの持ち方を制約しない」貝印の新ブランド「AUGER®︎」に受け継がれる創業100年のデザイン思想とは?

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  • author 照沼健太
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「ユーザーの持ち方を制約しない」貝印の新ブランド「AUGER®︎」に受け継がれる創業100年のデザイン思想とは?
Photo: 小原啓樹

日常的に使うアイテムこそ、デザインにこだわりたい。

ひげ剃りや爪切りなどの「身だしなみ」は生活に欠かせません。身の回りを清潔に保つことは相手に良い印象を与えるだけでなく、自分のモチベーションアップにもつながります。しかし、その一方で「やらなければいけない面倒くさい行為」であると捉えることもできてしまうのも事実。

そんな中、刃物メーカーの貝印から身だしなみをデザインの力でより楽しく魅力的なものとするブランド「AUGER®︎(オーガー)が2022年にスタートしました。

「暮らしを整える」をテーマとするAUGER®︎は、カミソリを中心にネイルケアやフェイスケアアイテムを揃えており、どのアイテムも黒やシルバーで統一され、スタイリッシュな印象に仕上げられています。

なぜ今、カミソリの老舗である貝印が、日常にデザインの力を取り入れるAUGER®︎をスタートさせたのか。デザインを手がけた同社デザイン部マネージャー落合章吾さんにお話を伺いました。

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Photo: 髙瀬ジュン

持ちかたを追求するための3大要素

──カミソリ製品はグリップ部分のデザインにも各社の個性が出ている印象があります。貝印さんの場合は、どういった点を意識してデザインされているのでしょうか?

握りやすさなどのユーザビリティを重視しています。カミソリのハンドルにおいてユーザビリティを構成する要素は大きく3つあり、それはフォルム、素材、ディテールです。

まずはフォルムからデザインします。カミソリには持ち方が何パターンかあり、順剃り、逆剃り、細かい部分を剃るときの3パターンが基本です。それらの持ち方を想定しながら、グリップのフォルムを作り込んでいくんです。その上で、貝印は「ユーザーの持ち方をあまり制約しすぎない」ことを考えてカミソリをデザインするのが特徴です。さまざまな持ち方や用途を想定し、多くの人に握ってもらいながら試作を繰り返し、理想的な造形や機能を追求しています。

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Photo: 小原啓樹

──図面上の作業だけではなく、実際に試作とテストを繰り返しながら制作するのですね。

はい。そうしてフォルムを決定したら、次は素材の配置を決めていきます。カミソリのグリップは、複数の素材を組み合わせて作られることが多いです。ヒンジ部分など、強度の確保が必要な部分は硬質の素材を。持ち手などソフトな手触りを与えたいところは軟質素材を。といった具合に、素材使いもカミソリのデザインにとって重要なファクターとなってきます。

フォルムと素材が決まったら、最後はディテールです。カミソリには細かいリブなど、滑り止めになる微細な形状がありますが、実はこれが一番大事なところで、使い勝手を左右する要素です。濡れた手でカミソリを持つ際のグリップ性にも関わりますし、視覚的に精緻な印象や機能的な印象を与える部分でもあるからです。

多枚刃の先へ。この20年間でカミソリは進化した

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Photo: 髙瀬ジュン

──ここ10〜20年の間、カミソリはどのような進化/イノベーションを遂げてきたのでしょうか?

大きく2つのイノベーションがありました。20年前から10年前までの10年間に起こったイノベーションは多枚刃化です。多枚刃化のメリットは剃り残しを減らし、ストロークの回数を減らせることにあります。弊社では20年前に世界初の替え刃式3枚刃カミソリ「K-3」を発売しましたが、これは刃の位置関係の調整、角度の設定など試行錯誤した製品でした。これをきっかけに多枚刃化が進み、現在では5枚刃が主流となっています。

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Photo: 小原啓樹
AUGER®︎のカミソリは5枚刃を採用。スムーサーには、アロエ・ビタミンEを配合している。

そこから現在までの10年は、カミソリに付加価値をつける流れがありました。弊社では「iFIT」という首振りに特徴を持たせた商品を出しており、他にもスムーサーと呼ばれる刃の周辺に石鹸のようなディテールをつけるなど、その時々の時流にあった付加価値を各社が追求していきました。

──貝印は創業100年を超える企業ですが、現在でも紙カミソリ®など革新的な商品を打ち出しています。こういった商品はどのような背景で生まれているのでしょうか?

会社として、常に新しい領域における新商品やサービス開拓に取り組んでいます。紙カミソリは部門を横断してプロダクトが出来上がる、オープンイノベーションの実践によって生まれた製品でした。そうした組織としての取り組みはもちろんですが、社員個人のレベルでも継続したアイデア出しを行なっています。そして、良さそうなアイデアがあればすぐに試作品を作って社内で共有するという流れもあります。

バイクのエンジンをイメージした。「AUGER®︎」のデザイン思想

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Photo: 小原啓樹

──AUGER®︎シリーズをデザインする際の出発点は、どういったテーマだったのでしょうか?

肌ケアや美容に関するニーズが近年増え、市場が伸びている傾向があります。そこに対して、刃物のスペシャリストである貝印の強みを生かした、グルーミングツールのブランドを開発するというミッションが初めにありました。貝印らしさを出すということで、カミソリを中心としたイメージを描き、ブランドのポジションとしても高級ラインに位置することを設定し、出発していきました。

──AURGER®︎のブランドデザインについてコンセプトやイメージを教えてください。

当初はミニマルなデザインを模索していましたが、各アイテムの特徴を造形的に更に追求するために、さまざまなパーツが組み合わされて凝縮したような力強く機能的なデザインをコンセプトとしました。具体的には、バイクのエンジンやパーツなどをモチーフとして、無骨ながらも機能的な美しさを表現したいと考えました。

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Photo: 小原啓樹
独自の旋回式レバーを採用したツメキリ。刃のすぐ近くを押す構造になっており、力をかけずに切ることができる。

──黒で統一されたカラーリングも印象的です。

カミソリと爪切りはデザイン的な特性が異なりますが、その中でイメージに一貫性を持たせるための方向性をいくつか模索しました。最終的には一目で印象付けられる点から、ブラックをブランドカラーにしました。ダークトーンなのでどんなシチュエーションにも馴染むことができるのが特徴となっていると思います。

そして、その上で、全体的に統一されたダークトーンながらも、素材の違いを強調することでこだわりを感じさせるディテールを演出しています。

新しい発想が生んだ、これまでにないカミソリのデザイン

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Photo: 小原啓樹

──AUGER®︎ラインナップの中心に位置するカミソリについて、どのような特徴があるのかを教えてください。

AUGER®︎のカミソリの最大の特徴は、これまでになかった首振りの構造「シームレスフィッティングシステム」にあります。従来は首振りの機構がカミソリ本体、あるいは本体と替え刃の両方に搭載されていました。しかし、AUGER®︎のカミソリは新しい発想を採用し、替え刃で首振りを完結させる設計になっています。それによってハンドル形状のデザインの自由度が格段に上がりました。そして、その自由度を最大限にデザインに活かすことを考えました。

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Photo: 髙瀬ジュン

──具体的にはどのあたりのデザインにそれが反映されているのでしょうか?

まず、ヘッド脱着部のサイズを最小にしました。これによって外観がすっきりするだけでなく、先端が細くなることで使いやすく、付着したヒゲを洗い流しやすくもなりました。他にも、脱着ボタンを縦長のフォルムにしています。

──脱着ボタンとは別に、替え刃の角度を変える機構も搭載されていますね。

これまでは逆剃りや顎下を剃る際にグリップを持ち替えていましたが、この可変機構によって、持ち方を変えることなくそのまま逆剃りや顎下に対応できるようになりました。

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Photo: 小原啓樹
ヘッドの角度はワンタッチで可変できる。

──AURGER®︎は「身だしなみを整える時間」をより豊かで、より心地よいものへと導くべく誕生したブランドだと伺っています。身だしなみを整え、心地よい暮らしを叶える上で、デザインは具体的にどういった力を持っていると思いますか?

身だしなみを整えるグルーミングは日常的に行なうことですが、だからこそ面倒だとかネガティブな印象を持っている方も多いと思います。その道具について使いづらいと感じている人も少なくないでしょう。でも、そんな方々がAUGER®︎を使うことによって、いつもと違う体験ができ、グルーミングが特別な時間に変わることで、暮らしが整うはず。そんな瞬間を提供できればと考えています。

そして「整える」はデザインにおける重要なテーマでもあります。AUGER®︎をデザインするにあたり、道具の使いづらいところや不便なところなどを見直し、全てのツールにおいて、ユーザビリティと外観の品質を改めて考えて向上させることを意識しました。デザインが良いものを生活の中に取り入れることで、モチベーションが上がることもあると思いますし、機能とデザインが両立できれば、豊かな体験が生まれます。そうした体験を提供したいと考えながらデザインに取り組みました。ぜひお試しいただきたいです。

こだわりのデザインと、カミソリのイノベーションを体験できる「AUGER®︎」

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Photo: 小原啓樹

AUGER®︎が提案する"「身だしなみを整える時間」をより豊かで、より心地よいものへと導く"というテーマ。その背景には、創業100年を超える貝印の歴史の中で培われた、ユーザビリティや最新テクノロジーの探究心がありました。

このAUGER®︎を使えば、お気に入りのアイテムを使う楽しさを日常的に感じられるだけでなく、カミソリのイノベーションやデザイナーのこだわりに刺激を受けることだってできるはず。

外出機会も増えて身だしなみの重要性が増してきている今、新たな日常生活に向け、暮らしの中にデザインを取り入れてみてはいかがでしょうか?

Source: AUGER®︎