手に取った瞬間に「あ、いい!」ってなるプロダクト、ありませんか?
一足先に試すことができた新型MacBook Airはまさにそんなパソコンです。スペックとか値段の概念をふと忘れてしまうほど、触っていて気持ちいい筐体デザインが一番の魅力。 気がつくと持ち上げてナデナデしてしまいレビューがぜんぜん捗らないのですが、数日使ったファーストインプレッションをお届けします。
まったくMacBook Airらしくないボディ

見た目はちょうどMacBook Pro 14インチを薄くした感じ。でも手に持つと全然Airっぽくないんです。それもそのはず、手前側になるほど薄い「くさび型」デザインが伝統だったMacBook Airが、均一の薄い板のような形に変わったのです。

それだけじゃなく、重量感がめちゃくちゃいいんですよ。どの部分を持っても驚くほど重さが均一に感じられ、まるで11.3mmのモノリス的な何かを手にした気分です。M1 MacBook Airよりも50g軽いのですが、感覚では新型のほうが重い気がするのが不思議。ボディの角に丸みがあってやわらかい手触りなのもグッドでした。

新たにMagSafe充電にも対応。ケーブルはミッドナイト色に統一されてますし、布巻きで質感がいいです。外ではUSB Type-C充電、家のデスクにはこのMagSafeケーブルを常備したい。
FaceTimeカメラがやっとフルHDになった!

前モデルと大きく変わったところがもう一つ、ディスプレイです。FaceTimeカメラの左右までディスプレイ領域が広がり、数字上も13.3インチだったのが13.6インチと少しだけ大きくなりました。M2 MacBook Airのほうが発光している面積が広いので、没入感が高くテンションがあがります。



とは言ってもカメラのノッチ部分と同じ高さまでメニューバーが表示されていて、実際にアプリのウィンドウを表示できる範囲は前モデルとさほど変わりません。ブラウザで比べると、新モデルのM2 MacBook Airのほうが少しだけ表示量が多くなります。
そのノッチ部分に仕込まれているのがFaceTimeカメラ。ずーっと720pだったのが今回ついに1080pのフルHD撮影が可能になりました。M2チップの画像処理も相まって、比べてみると画質はかなり良くなっています。詳しくはハンズオン動画で比較したのでそちらをご覧ください。100ニト明るくなったディスプレイや4つに増えたスピーカーについてもチェックしていますよ。
パフォーマンスもちゃんと進化してる

先に発売されたMacBook Pro 13インチで判明したM2の性能をざっくり言うと...
・シングルコアの性能 → M1 < M1 Pro < M2(最新チップのシングルコア性能は高い)
・マルチコアの性能 → M1 < M2 < M1 Pro (コア数の多いM1 Proには敵わない)
・グラフィック性能 → M1 < M2 < M1 Pro(グラフィックコアの多いM1 Proには敵わない)
という結果でした。新しいMacBook Airでも基本同じことが言えるのですが、今回は実作業に近いタスクを試してみました。

まずは動画編集アプリのAdobe Premiere ProとAdobe After Effects。試したプロジェクトがフルHDだったのもあり、M1とM2で作業中の快適さの違いは感じられません。しかしレンダリングや書き出しを行なうと、M2 Airのほうが20~30%早く完了することが分かりました。ベンチマーク結果がそのまま素直に結果に出ているようです。

次は、iMovieを試します。iPhoneで撮影したProRes素材を動かしたところ、M1よりもM2のほうがタイムラインでのシーク操作が少しだけスムーズでした。また、H.264で撮影した動画を編集してProRes形式で書き出してみたところ、M2 Airが半分の時間で完了する結果に。これはM2チップに新しく追加されたMedia Engineの効果。ProResのエンコード/デコード処理を担っていて、そのおかげでCPUやGPUの負荷のピークはM1でエンコードしているときよりもおとなしいこともわかりました。
一度さわると欲しくなる、そんなAir

特に動画編集に関しては、M1よりもM2を搭載したMacBook Airのほうが快適だということがわかります。ただ、それ以外の作業でM1とM2の性能差を感じにくかったのも事実。 やはり今回のAirで感動したのは、性能面よりもデザイン面です。確実に新しいモノを手にしたという感覚が触覚で味わえるのがたまらない。道具を買い替えると仕事や趣味のモチベーションが上がるタイプの人ならぜったいハマりますよ、これ。
Photo: amito