地球は美しい。
1999年に開設された「NASA Earth Observatory」は、宇宙から捉えた地上のあらゆる風景を公開しているサイトです。地球を周回している人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗中の宇宙飛行士たちが集めた写真を大量に有し、そんなアーカイブの中から毎日「今日の1枚」をピックアップしています。
6月に紹介された写真の中から、それぞれ趣の異なる8点をどうぞ。
2022年6月2日 - バガナ火山

パプアニューギニアのブーゲンビル島にあるバガナ火山は標高1855mで、スミソニアン協会の全地球火山活動プログラムによると、発見された1842年から噴火が観測されています。バガナ火山から立ち昇る噴煙を捉えたこの画像は、5月28日に衛星「ランドサット9号」の陸域イメージャ-2(OLI-2)で撮影され、6月2日の「今日の1枚」としてシェアされました
2022年6月4日 - ブリストル海峡のターコイズ色の海

ウェールズ南岸のブリストル海峡に、鮮やかな夏季の藻類ブルームが出現しました。この藻類は円石藻(方解石という炭酸カルシウムの鉱物が積み重なった微細な円石を持つ植物プランクトン)の大群かもしれないとNASAはコメントしています。NASAの衛星「Aqua」に搭載された中分解能撮像分光放射計(MODIS)が6月3日に撮影し、6月4日の「今日の1枚」となりました。
2022年6月5日 -ある晩のウィニペグ市

ISSがカナダ上空を飛行中だった2020年1月6日、滞在中の宇宙飛行士がデジカメで撮影したウィニペグ市の夜景が、2022年6月5日付の「今日の1枚」として紹介されました。ウィニペグ市はマニトバ州の州都で、2021年の国勢調査によると人口は83万人超。市内を流れるのはレッド川とアッシニボイン川です。
2022年6月15日 - アラスカの山火事

Alaska Wildland Fire Information(アラスカ山火事情報)によると、2022年6月4日から5日にかけてアラスカ州は4,763回もの落雷に見舞われ、同州各地で雷による山火事が発生しました。NASAの衛星「Aqua」に搭載された中分解能撮像分光放射計(MODIS)が6月10日時点での複数の山火事の空中写真を捉え、Earth Observatoryが6月15日の「今日の1枚」として取り上げたのです。
2022年6月19日 - フォート・モンロー国定公園

こちらは観測衛星「ランドサット8号」の陸域マネージャーが6月10日にバージニア州ハンプトンとチェサピーク湾を撮影し、NASA Earth Observatoryが6月19日に「今日の1枚」としてシェアした写真です。画像中央に見える区域はフォート・モンロー国定公園で、1619年にアフリカから連れ去られてきた最初の奴隷たちが上陸した場所です。
2022年6月16日 - 綿菓子のようなキュートな雲

5月28日にカスピ海上空に現れた綿菓子のような雲をNASAの観測衛星「テラ」の観測機器MODISが撮影し、6月16日の「今日の1枚」になりました。雲の幅は推定100kmとされており、NASAはオランダ宇宙研究所(SRON)の大気科学者Bastiaan van Diedenhoven氏の言葉を引用し、この雲が層積雲だと記していました。
2022年6月23日 - イエローストーン国立公園の洪水

6月23日付の「今日の1枚」としてシェアされたイエローストーン国立公園の写真2枚は少し前に発生した洪水を捉えており、NASAはそれが“大気の川”によるものだと考えています。参考までに、左側の画像は2021年6月16日に、右側の画像は2022年6月16日に、どちらも観測衛星「テラ」の観測機器MODISで撮影されたものです。
2022年6月28日 - 黒海の青い渦巻き

植物プランクトンのブルームは黒海でも観測されました。海面に現れた水色の渦巻き模様の正体は、海流に流された植物プランクトンです。この画像は太陽光を取り除くため、人工衛星「NOAA-20」の可視赤外撮像機放射計スイート(VIIRS)と地球観測衛星「スオミNPP」搭載のVIIRSが6月20日に取得したデータを合成しています。NASA Earth Observatoryが6月28日の「今日の1枚」として取り上げました。
Source: NASA Earth Observatory (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8,), Global Volcanism Program, Statistics Canada, Alaska Wildland Fire Information, National Park Service