ROOMIEより転載
ひと口に梅酒といっても、スーパーやコンビニで手に入る安価な商品から、ギフトに使える高級品まで多種多様。味わいも、さっぱりタイプや甘くて濃厚なものなどさまざまです。
梅酒専門バー「梅酒十色Selfish.」のマスター・船瀬 丈洋(ともひろ)さん曰く、いま全国には500種類を超える梅酒があるのだそう。
そんな中から、美味しい梅酒を選ぶポイントは、オンラインでもリアルでも専門の酒屋で購入すること。さらに、安い・高級といった価格帯、甘い・さっぱりといった味の傾向で好みの梅酒を絞り込んでいくといいでしょう。
この記事では、船瀬さんがタイプ別におすすめの梅酒34品をご紹介。梅酒専門バーならではの美味しい飲み方も解説します。バナナ✕梅酒といったミックス系の商品、ゼリータイプなどの変わり種などにも注目!
船瀬 丈洋
北海道札幌市すすきのの梅酒専門バー「梅酒十色 Selfish.」店主。全国各地の梅酒メーカーを訪れてそろえたこだわりの梅酒を常時100種類以上扱っている。Instagram: @ume_selfish
■ 目次
【最初に知っておきたい!】美味しい梅酒を買うための2つのポイント
まず、船瀬さんに美味しい梅酒を買うための3つのポイントを教えてもらいました。
ポイント①専門店で買う
「第一のポイントは、専門店で買うこと。オフラインの場合は街の酒屋さん。酒蔵と長く付き合いがあるので、その地域でしか流通しないこだわりの梅酒や、季節限定商品などが置いてあります。
オンラインなら、梅酒に特化したオンラインショップや、梅酒の取り扱いが多い酒屋さんの専用サイトがおすすめ。酸味や甘味など、味わいが詳しく解説されていて選びやすく、価格も定価なので、安心して買うことができます」
ポイント②飲み比べて、自分の好みの味を知る

「酒屋さんや、梅酒の取扱が多いバーなどで飲み比べると、自分の好みがわかってきます。いままで知らなかったお酒に出会えることもあるでしょう。
さらに、梅酒イベントでは、たくさんの梅酒をテイスティングできます。コロナ禍でここ数年は開催されていないのですが、『全国うめしゅまつり』は、春先に全国各地で行われるイベントで、100種類以上の梅酒を試飲することができます」
【コラム】購入前にサイズもチェック!
梅酒を冷蔵庫や冷暗所で美味しく保管するためには、サイズ選びにも注意が必要です。梅酒には、一升瓶(1.8L)や四合瓶(720mL)のほか、より手に取りやすい小瓶や、紙パックなど、とても多くのサイズ展開があります。
「商品によっては、冷暗所で保管することもできますが、日本酒をベースにした商品などは、冷蔵保管しないと風味が早く変化してしまう場合があります。野菜室やドアポケットなど、冷蔵庫の空きスペースに合わせたサイズを選んでください!」
プロが厳選! タイプ別のおすすめ梅酒ランキング33
ここからは、船瀬さんがタイプ別に梅酒をセレクト。パック酒などのリーズナブルな商品から、ギフトにぴったりの高級品など、幅広いラインナップをランキング形式で紹介します。
【1:初心者向き】TOP3
1〜3位 チョーヤ梅酒シリーズ
安定した品質を誇る梅酒ブランドの王者

「品質が安定していて、何を飲んでも美味しいチョーヤは、初心者にぴったり。国産梅を100%使っており、長年の技術により、安定した品質の美味しい梅酒を作り続けています。
安価なものから高級品まで幅広くそろっているので、入手しやすい価格帯から選ぶこともできますし、『黒糖』や『熟成』など気になるキーワードから商品を選ぶこともできます。
各主要都市に営業担当がいらっしゃるんですが、みなさん情熱的で、梅のことや自社の想いなどをプレゼンしてくれます。いまは梅酒を知らなかった海外の人々にも人気があり、『umeshu』ではなく『CHOYA』という名前で呼ばれているほどなんですよ」
▼チョーヤのおすすめ商品
チョーヤといえば、スタンダードな「チョーヤ梅酒紀州」。濃厚でとろりと甘い「チョーヤ本格黒糖梅酒」、3年熟成を加えた「The CHOYA AGED 3YEARS」など、梅酒の幅広さを楽しめるラインナップがおすすめです。
【2:リーズナブル】TOP3
1位:サントリー/梅酒にしませんか
さっぱり飲みやすい王道パック酒

「大手ビールメーカーの造る梅酒は、技術力が高く、価格以上に美味しいものばかり。サントリーの『梅酒にしませんか』は、まさに王道テイストの梅酒。迷ったらこれを選べば間違いありません」
▼商品詳細
容量:500/100/2000ml
アルコール度数:8%
ベースのお酒:ホワイトリカー
2位:サッポロ/3種のポリフェノール入り赤梅酒
梅酒で美味しくキレイになれる!?

「梅のほかにぶどうと紫蘇が入った、ポリフェノールたっぷりの梅酒です。梅の酸味もしっかり引き出された、甘酸っぱいフレーバー。赤紫蘇由来の赤が特徴で、グラスに注ぐときれいです」
▼商品詳細
容量:1000ml/1800ml
アルコール度数:8%
ベースのお酒:ホワイトリカー
3位:アサヒ/濃醇梅酒
熟成梅酒をブレンドして濃厚に

「五年熟成させたものを含む梅酒をブレンドした味わい深い梅酒です。隠し味にはちみつと塩を加えて、コクと旨味を引き出しています。パックの梅酒の中では、しっかり濃い味が楽しめるタイプです」
▼商品詳細
容量:180ml、300ml、1800ml(びん)、1800ml(パック)
アルコール度数:10%
ベースのお酒:ホワイトリカー
【3:甘い】TOP3
1位:平和酒造/鶴梅 完熟にごり
桃の香りがフルーティなトロトロ梅酒

「桃が香るやさしい甘味の梅酒。真っ赤に完熟した糖度の高い梅を日本酒に漬けたあと、一度取り出したものをペースト状にして入れ直しているので、舌ざわりがトロトロです。蔵元さんによると、完熟梅は桃のような香りがするらしく、それを再現するため、隠し味に桃のすりおろしを入れているようです」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:10%
ベースのお酒:日本酒
2位:東光/吟醸梅酒
甘味がしっかりしているのに、しつこくない

「フルーツが入っているのかと思うほど甘いんですが、決して甘ったるくはない。ベースは日本酒で、酒粕も入れているので、吟醸が香り立つ“大人の甘味”が楽しめます。梅酒品評会の3大大会すべてでグランプリを受賞した実力派」
▼商品詳細
容量:500ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:日本酒
3位:梅乃宿酒造/あらごし梅酒
本格梅酒ブームの火付け役

「あらごしした梅酒を入れているので、完熟梅の甘味と果肉感をたっぷり味わえます。10年前に酸味料、着色料、香料を添加しないフルーツのような自然な甘味が魅力の本格梅酒ブームを築いたブランド。最近はあらごし梅入りの商品はよく見かけますが、当時は画期的だったんです。ぜひ、ロックで飲んでみてください!」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:日本酒
【4:甘さ控えめ】TOP3
1位:老松酒造/樽熟梅酒 天空の月
船瀬さんのお店で人気ナンバー1!

「青リンゴのような香りがするさわやかな梅酒。樽で熟成させた麦焼酎をベースにしている珍しいタイプなんですが、梅と樽のアロマが合わさることで、青リンゴの香りになるんだそうです。ユニークな香りが支持されて、当店の人気ナンバー1商品です!」
▼商品詳細
容量:500ml/720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:麦焼酎
2位:南部美人/糖類無添加梅酒
特殊な技術で、砂糖がなくても梅酒ができる!

「一般的に、梅酒は砂糖と梅を一緒に漬けて作られますが、南部美人は独自の技術により、糖類を加えずに梅酒を造ることに成功しました。砂糖の甘さがないぶんクリアな味わいで、一般的な梅酒よりも、梅の香り・酸味が際立ち、日本酒自体の美味しさも生きています」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:9%
ベースのお酒:日本酒
3位:澤田酒造/白老梅
お燗にすると、ふわりと香りがひらく

「江戸時代から続くレシピを忠実に再現した梅酒で、酸味がしっかりしています。ワラ灰によって梅をアク抜きしたり、手作業でヘタをとったりと、手間のかかった一品。冷蔵庫で冷やしてストレートで飲むのはもちろん、燗向きの日本酒をベースとしているので、寒い日は温めて飲んでも絶品です」
▼商品詳細
容量:500ml/1800ml
アルコール度数:10%
ベースのお酒:日本酒
4位:八海山/八海山の原酒で仕込んだ うめ酒
キリッとした梅の酸味が際立つ

「透明感がある、淡麗辛口な梅酒。八海山の日本酒をベースに、通常の2倍の量の青梅を漬け込んでているので、梅のキリッとした酸っぱさがしっかり感じられます」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:13%
ベースのお酒:日本酒
【5:濃厚】TOP3
1位:中野BC/紀州梅酒紅南高
熟成梅酒のパイオニア

「ブランデーやウイスキーのようなニュアンスがある、琥珀色の梅酒。完熟梅の甘味がしっかり出ていて、アルコール度数はなんと20%もあります。このお酒が梅酒品評会で初代グランプリを受賞してから、熟成梅酒が流行り始めました。」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:20%
ベースのお酒:ホワイトリカー
2位:西山酒造場/大入り にごり梅酒 濁濁(だくだく)
果肉量が脅威の45%!? ドロドロにごり梅酒

「なんと瓶内の果肉量が45%! 完熟梅を一度取り出してペーストにしてから入れているんですが、もはや飲みものとはいえないほど濃厚です。 ロックはもちろん、ソーダ割がおすすめ。当店のにごり梅酒の中では圧倒的な人気を誇る商品です」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:10%
ベースのお酒:ホワイトリカー、日本酒
【6:ブランデー】TOP3
1位:河内ワイン/エビス福梅
ワイナリーが手がける超濃厚ブランデー梅酒

「ワイナリーが造ったブランデー梅酒とあって、樽の香りがしっかり感じられます。20年以上の熟成を経ているので、かなり濃厚です。七福神がラベルのモチーフになっており、お祝いごとのギフトにもぴったりですよ」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:ブランデー
2位:明利酒類/本格梅酒 百年梅酒
はちみつ入りのまろやかテイスト

「梅の酸味とブランデーの甘みのバランスが絶妙。はちみつを入れることで、甘味を引き立て、まろやかな口あたりに仕上げています。日本三大名園のひとつである偕楽園の梅を使っているそうです」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:14%
ベースのお酒:ブランデー
3位:笹一酒造/超辛口梅酒 皇帝
ほんのり梅が香るブランデー

「アルコール度数が27%で、ブランデーのニュアンスが強く、梅酒というよりは梅の風味があるブランデーといった味わい。アルコールのガツンとした感じと、青梅のさわやかさを感じられる、珍しいタイプの辛口梅酒です」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:27%
ベースのお酒:ブランデー
【7:黒糖梅酒】TOP3
1位:請福酒造/請福梅酒
黒糖梅酒の鉄板の味わい

「沖縄・石垣島で、泡盛と黒糖を使って作られた梅酒です。黒糖ならではの深い甘みと、泡盛の焼きトウモロコシのような香りが感じられる一品。味わいのバランスがよく、黒糖梅酒が好きな人には必ずおすすめしている鉄板アイテムです」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:泡盛
2位:瑞泉酒造/沖縄黒糖 梅酒
黒糖入りだけどスッキリ飲める

「こちらも泡盛と黒糖仕込みの梅酒ですが、『請福梅酒』とは対照的に、スッキリとしています。泡盛の味わいの中に、青梅らしいさっぱりとした果実感があり、黒糖の甘味がほんのりと感じられます」
▼商品詳細
容量:500ml/720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:泡盛
3位:山口酒造場/庭のうぐいす 特選梅酒 うぐいすとまり黒
甘&酸の絶妙なバランス

「黒糖の深い甘味と青梅の酸味がしっかり感じられますが、熟成させた酒粕焼酎をベースにしているので、後味はすっきり。この酒蔵は日本酒で仕込んだ梅酒を通年商品として販売しているんですが、年に数回だけこの黒糖梅酒が登場します」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:酒粕焼酎
【8:高級・プレゼント】TOP3
1位:山元酒造/薩摩スパークリング梅酒
かわいいピンクのスパークリング

「コルクで栓をされたボトルも、ピンク色の液体も、まるでロゼシャンパンのようなスパークリング梅酒。芋焼酎ベースの梅酒に炭酸を加え、すりつぶした南高梅の果肉を加えているので、濃厚ながらもさっぱり飲みやすい味わいです」
▼商品詳細
容量:375ml/750ml
アルコール度数:8%
ベースのお酒:芋焼酎
2位:酔鯨酒造/熟成梅酒6
日本酒の酒蔵が本気で造ったレア梅酒

「酸味がしっかりした辛口の日本酒をベースに、梅本来の甘みを引き出した熟成梅酒。6年熟成と8年熟成があるんですが、熱狂的ファンがいるため毎年即完売してしまう限定商品です。高級感があり、梅酒としても日本酒としてもクオリティが高いのでギフトにぴったり。日本酒通の方にもぜひおすすめしたいですね!」
▼商品詳細
容量:720ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:日本酒
3位:キッコーマン/万上 金箔入り梅酒
キラキラ金箔でゴージャス感を演出

「ベースの梅酒はスタンダードな味わいなのですが、かなりの量の金箔が入っています。ボトルを振ると金箔が舞い、グラスに注ぐだけでその場が盛り上がるんですよね。当店では、お客さまの誕生日などのお祝いの席で提供しています」
▼商品詳細
容量:500ml
アルコール度数:13%
ベースのお酒:ホワイトリカー
【9:ミックス系】TOP4
最近増えてきているのが、フルーツなどをミックスした梅酒。意外な組み合わせは要チェックです!
1位:篠崎/ゆず梅酒
暑い季節にフレッシュなソーダ割りで!

「馬路村のゆずをたっぷり使ったさわやかな梅酒。アルコール感が苦手な方もジュース感覚で楽しめる梅酒です。ロックで果実感を味わってもいいですが、暑い時期にはソーダ割りにするとゴクゴク飲めますよ!」
▼商品詳細
容量:500ml/1800ml
アルコール度数:6%
ベースのお酒:麦焼酎
2位:中埜酒造/國盛 紅茶梅酒
ダージリンが香る癒やしの梅酒

「国産ダージリンティーの香りに癒やされる一本。後味でしっかり梅らしさを感じられます。ロックでもいいですし、お湯割りでも美味しくいただけます」
▼商品詳細
容量:700ml/1000ml(パック)
アルコール度数:12%
ベースのお酒:ホワイトリカー
3位:研醸/レモネード梅酒
梅が香る本格レモネード

「レモンと梅の酸味にはちみつを合わせています。レモンの酸味が強いうえ、青梅を使っているので、さわやかな酸っぱさが堪能できます。ソーダ割りでさっぱり飲んでも、お湯割りでホットレモネードにするのもいいですね」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:9%
ベースのお酒:本格焼酎
4位:小林酒造/門司港バナナ梅酒
バナナと梅、実は好相性!

「不思議な組み合わせなんですけど、美味しいんですよ。福岡県の門司港は、日本で初めてバナナが輸入された場所なんだそうです。甘くてさわやかで飲みやすく、普段お酒を飲まない人の入り口になってくれるような梅酒です」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:9%
ベースのお酒:日本酒
【10:変わり種】TOP3
1位:白鶴酒造/ぷるぷる梅酒
シュワっと感が楽しいデザート梅酒

「ゼリー状の新感覚の梅酒です。梅酒のゼリーに炭酸を入れていて、グラスに注ぐとゼリーがぽとぽと出てきます。飲むというよりは食べる梅酒なので、デザート感覚で楽しんでほしいです」
▼商品詳細
容量:190ml
アルコール度数:5%
ベースのお酒:梅酒
2位:松浦酒造/とうがらし梅酒
甘いようで辛い、クセになる味わい

「ピリッと舌に残るとうがらしの辛さがクセになります。唐辛子入りのお酒は海外で人気があるそうなんですが、絶妙な甘味と辛さにハマってしまう人が多いようです。辛いもの好きの人はぜひ!」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:12%
ベースのお酒:醸造アルコール
3位:中国醸造/カープ梅酒
カープファン必見の真っ赤な一本

「広島カープが好きな『カープ女子』企画の梅酒、パッケージにしかこだわっていないのかと思いきや、ちゃんと美味しいんですよ。ラズベリー果汁入りで、梅とベリーの風味がとてもマッチしています。パッケージだけではなく、お酒も赤くてきれいなんですよ」
▼商品詳細
容量:720ml/1800ml
アルコール度数:8%
ベースのお酒:醸造アルコール
4位:サントリー/まるで梅酒なノンアルコール
本当に梅酒を飲んでるみたい!

「最近は、梅酒でもノンアルコールの商品が出ています。これは、梅酒を造ってからアルコールを抜いた商品なので、ただの梅ジュースではない梅酒らしさがあります。お酒を飲めないシーンで大活躍してくれますよ!」
▼商品詳細
容量:280ml/500ml
【梅酒の選び方】味わいを決める3要素をチェック
船瀬さんによると、梅酒を選ぶときに味わいの判断基準になるのは、梅の種類、ベースのお酒、熟成年数の3点。
梅の種類
「梅酒の味わいと最も大きく左右するのが、梅の種類。完熟梅と青梅の2種類があります。完熟梅を使った梅酒には甘みが強いものが多く、青梅を使った梅酒は酸味がしっかり出る傾向にあります」
ベースのお酒
次に味を左右するのが、ベースとなるお酒。ホワイトリカーが定番ですが、ほかにも濃厚な味わいのブランデー、繊細でほどよい甘味の日本酒、濃いのに後味はすっきりした泡盛などがあります。
ベースのお酒 | 味わいの特徴 |
---|---|
ホワイトリカー | クセがなく、梅本来の風味を楽しめる |
ブランデー | 濃厚で、はっきりした甘味がある |
日本酒 | 日本酒自体のほどよい甘味と酸味に梅がマッチする繊細な味わい |
泡盛 | 濃さとすっきり感を両立 |
「最近は、ベースになるお酒も多様化しています。テキーラベースなんていう変わり種も出てきていて、どんどんおもしろくなっているんですよ」
▼テキーラ梅酒 シルエラ

熟成年数
「最後に、熟成年数も味わいの違いに影響します。だいたい6〜10カ月くらいのものが多く、長いほど梅のえぐみが出やすくなってしまうので、長期熟成の商品はそれだけ手間をかけて作られています。
熟成期間が1年未満くらいの短いものは、さっぱりとしたキレのある味わいに。長くなるほど、まろやかで濃厚な味わいになります」
【コラム】梅酒のシーズンは5~6月
毎年、梅酒が売り出されるシーズンは春ごろ。前年の5?6月に仕込んだ梅酒を、一年ほど漬けて発売するのが一般的です。
ちなみに近年は、「早漬け」といって、3~4ヶ月しか漬けない状態の梅酒を秋ごろに出荷する季節商品が増えているのだそう。
「まだ漬け込みが浅いので、酸味が強く、甘さは控えめ。ベースとなるお酒そのものの風味を楽しみたい人におすすめです」
【梅酒の飲み方】プロ直伝の基本の飲み方とアレンジアイデア

基本の割り方・飲み方
梅酒の飲み方はロック、水割り、ソーダ割りが基本。飲み方に合う梅酒の選び方や、おいしくするテクニックを解説。
【ロック】
おすすめのベースはホワイトリカー。キリッとシャープな味わいになります。市販の氷を使うと、純度が高いため美味しくできます。グラスは縁が薄く、口の広いロックグラスがベスト。
【水割り】
おすすめのベースは日本酒。水割りに使う水も冷やしてから混ぜると、さらに馴染みがよくなります。浄水器の水や、国産のミネラルウォーター、酒蔵のある地域の水で割ると、最高の水割りに!
【ソーダ割】
おすすめのベースはブランデーベース。グラスと梅酒を冷蔵庫で冷やしておき、氷、梅酒、ソーダの順で注ぎ入れ、そっと2週だけステアする。
プロならでは飲み方アレンジ
さらに、船瀬さんが、気分に合わせて楽しめるおすすめのアレンジ方法を教えてくれました。
【スパークリング割り】
梅酒:スパークリングワインを1:3の割合で割る。豪華な雰囲気が演出できます。
【ビール割り】
冷やしたグラスに、梅酒と冷やしたビールを1:5の割合で注ぐ。まるでクラフトビールの味に。
【バニラアイスがけ】
好みのバニラアイスに梅酒をかけるだけ。船瀬さんのお店では、白玉をトッピングするデザートが看板メニュー。
【 ホット梅酒】
梅酒:お湯を1:1で割る。お湯をカップに入れてから梅酒を注ぐと華やかな香りが立ちます。カットレモンやはちみつを足すと、さらに体が温まります。