彼なら、いつか見つけられる気がする。
かなり前に大きく取り上げられ世界中で話題になった男性、James Howellsさん。名前よりも、大量のビットコイン入りハードディスクを捨ててしまい、ゴミ処理場を掘り起こしている男性といえばピンとくる人も少なくないはず。
仮想通貨バブルの終焉なんて言われても、Howellsさんはなんのその。彼がマイニングでビットコインを手にしていたのは超初期ですからね。2013年に間違って捨ててしまったハードディスクには、8,000枚のビットコインが入ったデジタルウォレットへのパスコードが保存されており、現在の価値で約1億7000万ドル=230億円以上! 捨ててからしばらくは諦めていましたが、後悔マックスでゴミ処理場を掘り始めたのは2017年ごろ。そして今、大型のビジネス計画書を仕上げて本格発掘に挑みます。
15億円かけたサルベージ計画
Business Insiderに掲載されたHowellsさんのインタビューによれば、ビジネス規模は1100万ドル(約14億9000万円)。ニューポート市の市議会や投資家を巻き込み、今後3年かけて11万トンのゴミを掘り返す計画になっています。小規模の別案も準備されており、こちらは18カ月の600万ドル(約8億1000万円)ビジネス。すでに、ヨーロッパのベンチャーキャピタリストふたりからの出資は取り付けているそうで、あとはゴミを掘り起こすため市の許可が降りれば計画スタート。

Screenshot: Google Maps
お金を集めて闇雲に掘るわけではありません。AIとロボットを活用して発掘する計画で、すでにAI、掘削、廃棄物処理、データ抽出とさまざまな分野の専門家でチームを結成。
使用されるロボットは、ボストン・ダイナミクスの犬型ロボ「Spot」。セキュリティ&CCTVカメラをロボに取り付け、ゴミの地面をスキャンしていく計画。 ロボドッグ2匹には、すでに「Satoshi」と「Hal」 という名前が名前が付いているんだとか。「Satoshi」はもちろん、ビットコインの生みの親といわれるサトシ・ナカモト氏から、「Hal」は世界で初めてビットコイン取引を受けたHal Finney氏からとりました。
Howellsさんはゴミ処理場発掘許可を求め、ウェールズ市に連絡を取り続けていますが、今のところいい返事は返ってきていません。ゴミを掘り起こす費用はもちろん、自治体として環境への影響やリスクを懸念しているとのこと。もし、許可が降りなかった場合は裁判も辞さないというHowellsさん。あのハードディスクを、いつの日か手にすることはできるのでしょうか。