沈没して約375年。ドイツの川底で見つかった「忘れ去られた船」

  • 14,276

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
沈没して約375年。ドイツの川底で見つかった「忘れ去られた船」
何世紀も前の難破船の材木に近づくダイバー Photo: Scientific diver Christian Howe

北ドイツにあるトラヴェ川の底から、約375年前の難破船が見つかりました。現地の水路船舶管理局が水深 約11メートルの川底で発見した船の残骸を研究者のチームが8ヵ月かけて調べたところ、ハンザ同盟時代の船で150樽分の貨物を載せて沈んでいったことが明らかになりました。

発見の経緯

この難破船の調査チームを率いる、独キール大学の考古学者Fritz Jürgens氏は「3つの異なるラボでの船材の年代測定で判明したのは、この船が17世紀中ごろに建造されたに違いないということです」と同大学のプレスリリースで語っていました。「ずっと前からこのような発見をしたいと願っていましたが、目の前に突然現れたんです」と喜びのコメント。

Jürgens氏は、船の積み荷が建設用のモルタルと漆喰の製造に使われる生石灰だったと付け加えています。初期分析は、この難破船が川の湾曲部で座礁して船体の損傷から沈んでしまい、今この時まで忘れ去られていたと示していました。

船が発見されたのは、地元の水路船舶管理局が河川の定期測量を行なっていた時のこと。作業員がマルチビーム測深機(海底の地形を把握するソナー)を使ったところ、川底で異常を検知したのでした。

バルト海を行く貿易船だった模様

220804shipwreck2
推定される船の構造の図と、船の残骸の配置図
Graphic: Dr. Fritz Jürgens, Kiel University

船はムラサキガイに覆われた木の梁と生石灰の積み荷だけが残る状態でした。考古学者らは船の全長が約20〜25メートルだったと算出。当時でいうところの中間サイズの貨物船で、バルト海で貿易を行なっていたのでしょう。

難破した船の大部分は木製なので、沈没船から金属スクラップを略奪する者たちが関心を抱くようなものではなかったものの、別の脅威に直面していました。プレスリリースによると、13回の潜水から木材と水にさらされた積荷には腐食の危険性があると発覚したそう。難破船には、木造船や波止場を食い散らかすことで知られる軟体動物の一種、フナクイムシに荒らされていた箇所が複数あったのです。

ときおり見つかる沈没船。世界最古は2400年前のもの

船が沈んでいたのは忙しない可航水路の底だったので、それは意外なことではありません。1世紀以上前に沈没し今年発見された英国船エンデュアランス号が、ほぼそのままの状態で保存されていたウェッデル海の手付かずの水域とは大違いです。ドイツの貨物船が少しの木材と生石灰の積み荷だけになってしまったのは、腐食とはびこるフナクイムシの侵入のせいということで説明がつきそうです。

一般的に水の酸素濃度が低くければ低いほど、有機物の分解速度は低下するため、難破船の損傷は少なくなります。世界最古の原形を残す難破船で、全長75フィート(約23m)に及ぶ2400年前のギリシア交易船が黒海の底で本来の姿をほとんど留めている理由もそこにあります。

Jürgens氏たちのチームはハンザ都市リューベックや他の機関とともに協力しており、 沈没船をもっと良い状態で管理できるよう、引き揚げて保護するつもりです。

魚雷の神とともに沈んだ米空母ホーネット見つかる。伝説の日本本土初空襲の空母

魚雷神、村田重治の骨も眠っているのでしょうか…日本本土初空襲の母艦ホーネット。南太平洋海戦で燃えたまま撃沈した伝説の艦が、77年の時を経て1月20日、ソロモン諸...

https://www.gizmodo.jp/2019/03/famed-ww2-aircraft-carrier-torpedoed-in-1942-found.html

Source: Kiel University, St. John Historical Society, Britannica(1, 2),