AIにデザインさせた軽くて強いテニスラケット。ウネウネした形状がややキモ

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  • author 岡本玄介
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AIにデザインさせた軽くて強いテニスラケット。ウネウネした形状がややキモ
Image: All Design Lab

機能性は高いけど見た目は…?

最近はAIにお絵描きさせるのがブームですが、人工知能は工業デザインだってお手の物です。

今回All Design Labというデザイン事務所が、全米オープンのため従来のものより軽くて強いテニスラケットを考えさせたところ、グリップの上下が木の根っこのようなデザインが生まれました。

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Image: All Design Lab

レナペ族の言葉で「木」

その名は「Hìtëkw」。「木」という意味で、大会が行われるニューヨークの原住民、レナペ族の言葉をヒントにしたのだそうです。ラケットは古来からほとんど同じ形状をしていますが、AIに再設計させたのはこれが初めてではないでしょうか?

この世に存在しないラケットを生み出したかった彼らは、写真や画像からではなく、文字情報を元にイラストを生成するAIソフト「DALL.E 」と「Midjourney」両方に、プロンプトと呼ばれる文章のみで様々な「テニスラケット」の画像を創造してもらいました。そこではハエ叩きのようなものや、穴の空いたレンゲみたいなデザインがたくさん生まれたようですが…結局従来のラケットらしきものばかりなので、古典的な形がほぼ最適解だということが判明。ゼロから全く違ったラケットを作るのではなく、その姿を再デザインする可能性を模索することになりました。

そこで、コンピューターがアルゴリズム(計算式)を用いて偶発的なアート作品を生成する手法「ジェネレーティヴ・アート」を扱うプログラムに、軽さと硬さを実現する形を作らせることにしました。そして最終的に、接合部分が木の根のようになったデザインに辿り着いたのだそうです。このウネウネは、人間では絶対に思い付きませんよね。

それに成形も3D金属印刷技術がないと、人の手では難しいことでしょう。

AIが考えると有機的になりがち?

かつてはAIにデザインさせた日本刀「TACHI」を取り挙げたことがありましたが、こういうものをAIに作らせると、何でも有機的になっちゃう気がします。やっぱりこうした構造がベストなのでしょうか? 見る人によっては美しいと感じるかもしれませんし、エイリアンの血管みたいでグロいと受け取る人もいるかもしれません。この紙一重な美的感覚もまた、AI的ですね。

銀色だけでなく、黒やピンクといったカラバリ展開も可能。実際に全米オープンで使われることはなさそうですが、非常に興味深い試みです。

Source: Instagram, All Design Lab via YANKO DESIGN, Reference: DALL.E, Midjourney, weblio