非常に珍しいハチドリの一種、約10年ぶりに撮影される

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非常に珍しいハチドリの一種、約10年ぶりに撮影される
アイガシラハチドリ
Photo: Yurgen Vega / SELVA / ProCAT

滅多に目撃されない、コロンビアの固有種

コロンビア在住の自然保護活動家が、このほど世界で最も見つけにくく謎めいたハチドリの一種、アイガシラハチドリを再発見しました。光沢をたたえるエメラルドグリーンの羽が特徴的なアイガシラハチドリが目撃されたのは10年強ぶりのことで、撮影された目撃例としては今回がわずか2回目。悲しいことに、この鳥もまた生息地の消失に脅かされる地域で見つかる生物なのです。

アイガシラハチドリ(学名Campylopterus phainopeplus)は、もともと1946年にコロンビアのシエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ山地で発見された鳥です。ケンバネハチドリ属の仲間と同様に、ハチドリとしては大きい方。そのうえオスはエメラルドグリーンの羽、わずかに湾曲した黒いクチバシ、そして光の量や当たる角度によって色の変わる青い首という専門家が見れば簡単に識別できるような特徴を持っています。しかし、この鳥は発見以来見つけにくいままで、これまでの確認された目撃情報は2010年、大自然の中での1度のみでした。

アイガシラハチドリはその希少性から、2021年には自然保護団体のパートナーシップによる『再発見したい鳥10種リスト』に連ねられるほどになっています。前述のパートナーシップはリストの公開に合わせて、NGOのRe:wildが主導するThe Search for Lost Birdsという新たな取り組みの発足も発表しました。

遭遇はまったくの偶然

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オスのアイガシラハチドリ
Photo: Yurgen Vega/SELVA/ProCAT

The Search for Lost Birdsは発足以降、珍鳥を探す新たな遠征に資金を提供してきましたが、アイガシラハチドリの再発見はまったくの幸運に他ならなかったのです。山の中で別の在来種を研究していた地元のバードウォッチャーYurgen Vega氏がその場を立ち去ろうとしたところ、枝に止まるオスのアイガシラハチドリに遭遇。写真と動画を撮る間、その鳥はそこに留まってくれたとか。Vega氏は歌声も聴けたようです。

アイガシラハチドリの習性についてはあまり知られていませんが、山地の中でも標高の高い森林地帯を好むようです。Vega氏の発見場所の近くでは、確認の取れていない目撃情報も報告されていました。そのため今回の発見とその経緯だけでも、この種に対する新たな知見への道を開くかもしれないと、新熱帯区での保全活動の研究を行なっている非営利社団SELVAの保全科学ディレクターEsteban Botero-Delgadillo氏は言います。Vega氏はバードウォッチングの一環としてSELVAや他の団体と協力してきました。

Botero-Delgadillo氏は、「この発見から得られる主な結論は、この種を深く理解するには、地域の農村社会や先住民との連携が不可欠ということかもしれません。彼らはより高頻度で種に出くわす可能性があるため、コミュニティモニタリングのような取り組みに引き込むのが、保全に寄与する価値ある情報を生み出す最も有効な方法になるでしょう」と米Gizmodoの取材に答えています。「私たちはこの種の分布域をまだ深くは理解していないので、早急な対処を要する他の生息域が存在する可能性もあります。しかしながら真っ先に行なうべきは、安定的な個体群が発生する場所の特定です。保全の主要領域を決めるための圧力と脅威を割り出せるようになるからです」とコメント。

残念ながら、こういった森林地帯は南米各地のたくさんの自然環境と同様に、人間の産業活動のせいで徐々に失われてきました。科学者たちはこの鳥が絶滅寸前であり生息数の減少は続き、同じ地域で絶滅の恐れに直面している種は他にもいると考えています。

このままだともう出会えなくなる?

Re:wildでアンデス諸国のコーディネーターを務めるLina Valencia氏は、「シエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ山地は比類のない不思議な自然環境であり、この鳥やstarry night harlequin toad(フキヤガマ属の一種)のように見つけ出せないと思われたものの再発見された種の生息地で、世界のどこにも見つからない野生生物のコミュニティ」だと言います。

ですから今回の再発見は、素晴らしい出来事であると同時に、さらなる努力がなければアイガシラハチドリなどをやがて二度と見られなくなってしまうという警告でもあるのです。

「アイガシラハチドリについて読む方々が、触発され希望を抱けたらと思います。この鳥の発見は素晴らしい偉業で、SELVA、ProCAT Colombia、World Parrot Trustとシエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタの現地パートナーたちとの見事なコラボレーションと長期的な取り組みによってのみ可能なことでした」と、American Bird Conservancyの絶滅危惧種アウトリーチ責任者のJohn C. Mittermeier氏はコメントしています。「人々がこの再発見を、アイガシラハチドリ(この種が発見された今、私たちはもっと詳しく知って保護するために早急に動く必要がある)と、他の見つけ出せない鳥類のための行動喚起として見てくれたらとも願います。現在、見失われている鳥の種は世界各地に100種以上います。力を合わせて取り組むことで全種類見つけ出したいですね」

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https://www.gizmodo.jp/2022/06/extinct-giant-tortoise-was-just-chilling-on-an-island.html

Source: eBird, Re:wild, IUCN Red List,