うわ、もう涙がちょちょ切れそう…。
世界中で熱波が起こりまくっていますね。おかげで、早い時期に熱波がはじまったここテキサス州ダラスでは、4度目の熱波がずっと居座っているせいか、これはもうただの暑い夏なんじゃないかという気がしてきました。
そんな暑い夏にひとときの凉をもたらしてくれたのが、電気代の請求書。ここのところインフレがすごいじゃないですか。テキサスの電気料金もご多分にもれることなく右肩上がりで、背筋が凍りました。この惨状をわかってもらおうと、去年と今年の7月分を比較してみました。
電気代が爆上がり、前年同月より50ドルもアップ


上の画像が2021年7月の電気代請求書で、下が今年7月のもの。結論から言うと、50ドルも多く払わなきゃいけませんでした。
ぜいたくなんてしていないんですよ。ただ去年と同じように、室温を28度でキープしたいだけなんです。世界保健機関(WHO)が寝るときは24度以下にしないと体に悪いと言おうと、心臓に悪い電気代よりはマシと設定温度は28度のまま。…インフレと熱波と電力逼迫(ひっぱく)のばかー!
せっかくなので細かく見てみる
電気料金は電力と送電に分かれています。
1kWhあたりの電力単価は、2021年が6.6セントだったのに、今年は9.1723セントです。なんと、電力の単価は39%も値上がりしています!
一方、送電の方はというと、単価に換算すると2021年が3.86セントで、今年は4.2セントと、こちらは8.8%の控えめな値上げ…って値上げしてんじゃん!
その他もろもろを加えた電気料金合計で単価を比べると、去年が10.8セントで、今年は14.3セント。電気代が1年で32%も上がってしまわれた。エアコンから去年よりも32%涼しい風が出るようになったわけでもないのに…。
不幸中の幸いは、現在利用している電力会社の1kWhあたりの単価が、5月の契約時よりもすでに2セント(15%)値上がりしていることくらい。もしも更新時期がいまだったら、電力単価は昨年比で69%値上げ(6.6セントが11.2723セント)になっちゃうところでした。アウト寄りのセーフ。新規契約や更新の時期がずれ込めばずれ込むほど電気代が上がっていく現状は、該当する人たちにとってはつらみしかないと思います。
円安がさらに追い打ちを…
インフレとテキサスの電力網にはびこる問題もあって上昇を続ける電気代。そこに円安まで加わってお財布はもうサンドバッグ状態になっています。去年の7月は1ドル110円くらいだったのが今年の7月は136円と、こちらは23.6%の円安。
去年の電気代(100.78ドル)を去年の為替レートで換算すると、1万1000円。なのに、今年の電気代(156.09ドル)を今年の為替レートで計算したら、2万1000円。55ドルの差が1万円に大変身。
落ち込みついでに値上げ分に円安を加えて計算してみると、1kWhあたりの単価は去年が11.9円で、今年は19.4円に。円換算だと、電気代が1年で63%も値上がりしたことになりますね。投資だったら大勝利なのに。
円建てで収入を得ている人にとっては、ただ息をしているだけで生活が苦しくなっていきますね、これ…。
敗因はいろいろ
電気代が高くつく理由にはいろいろ思い当たるところがあって。ぼくが間借りしている家は、築39年の一戸建てで、延べ床面積は114平方メートル。古いので断熱性能がもともと低いのに加えて、テキサスの粘土質の土壌は収縮を繰り返すため、築年数が古くなると基礎がゆがんで、あちこちにすき間ができちゃうんです。玄関やガレージのドアから暖房のようなすきま風が入ってくるのを防ごうと、苦し紛れにビニールなどを詰め込んではいますが、どれくらい効果があるかは定かではありません。
そしてなによりも、今年の熱波ですよ、熱波。テキサス州の7月は、同月として観測史上最も暑かったそうです。また、4月から7月、5月から7月の平均気温も観測史上最高。ダラスも、7月は過去最高の暑さでした。
届きたてホヤホヤの8月分は、暑かったわりには安く、162.82ドルですみました。8月分の対象期間が7月よりも3日少なかったおかげですが。同期間の平均気温が33度と、前月分の期間よりも1度以上暑かったこともあって、1日あたりの電力使用量は前月を上回っちゃってました。
6月から8月にかけての2カ月を電気代の対象期間で区切って去年と平均気温を比較してみたら、両月とも3度以上高かったんですよ。8月分の対象期間なんて、最高気温の平均が39度ですよ、39度! 40度超えも5日。そんな最悪の状況の中で、ベストな結果だったとだれかほめて…。
とにもかくにも、気温と物価は低く、円は高くなってくれないと、地球は温暖化が進むというのに、懐は寒冷化して氷河期一直線です。
Reference: WHO, National Weather Service, NOAA
2022年8月15日23時修正:米ドル建てとしていた箇所がありましたが、円建てが正しいため、修正しております。