暑さを気合で乗り切ってきた世代なので、いったいどうなったらどれくらいヤバいかはよくわかってない気がする…。
世界中でとんでもない暑さになっていますが、人間の体って、激しい熱波に耐えられるようにはつくられていません。そして、まだ暑さは続きそうな気配です。この記事では、暑さが引き起こす熱中症や熱射病のサインや対処法を紹介します。
熱中症で気をつけるべき症状
コロンビア大学ヴァジェロス医学大学院助教授で、プライマリ・ケア医でもあるPriscilla Agyemang博士は、さまざまなレベルがある「熱傷(heat injury)」の注意すべき症状について次のように述べています。
熱中症は初期症状のひとつで、過剰な暑さや激しい運動によって、体が適切に血液を循環できなくなります。脱力感、喉の渇き、頭痛が兆候として考えられます。他にも、腹痛や嘔吐、下痢のほか、熱けいれんなどの症状が現れます。
熱中症を起こすと、汗をかくことで体を冷やそうとしますが、さらに脱水症状がひどくなると、逆に汗をかかなくなります。頭痛がしたり尿が出なくなったりすることもありますが、熱中症とは関係ないと思って無視してしまう人もいるようなので、気をつけなければいけません。
熱中症にかかったかもと思ったときの対処法
暑さに耐えられなくなったら、なるべく早い段階で日陰や涼しい場所を見つけて体を休める必要があります。水と一緒にスポーツドリンクやジュースなどを飲んで、汗をかいて失った電解質(塩分)の補給に努めましょう。
暑すぎてだるさを感じたら、その日は安静にしたほうがいいそうです。また、脱水症状が治まるまでは、激しい運動を避けるようにしてください。
熱射病の症状と、病院に行くタイミング
熱中症が深刻化すると、体温は39度を超えます。熱中症の症状に加えて、体に触れるととても熱く、汗をかけないので肌が乾燥することが多いとのことです。
このような状態になると、神経系の症状が出始めます。Agyemang博士によると、熱中症の症状が出てから、涼しい場所に移動して水分を摂ったにもかかわらず、意識がもうろうとしてきたら病院に行くべきだろうとのこと。医療処置を受けないと、意識を失う恐れがあります。熱射病にかかると、冷却用のブランケットで身体を覆い、点滴を受けなければならないケースが増えます。処置が間に合えば、熱中症や熱射病で入院した患者のほとんどは完全に回復できます。
処置が遅れると、後遺症が残る可能性もあるのだとか。脱水症状がひどくなると、体の機能を保つために必要な血液を循環させられなくなります。私たちの体は、暑すぎる世界で機能するようにはつくられていないんです。
暑さにやられないための対策
暑さへのベストな対処法は、冷房の効いた涼しい場所で過ごすことですけど、暑い夏の日中をどうしても外で過ごさなきゃいけない場合は、綿や麻などの通気性が悪い素材でつくられた服を着ないようにしましょう。また、予備の水とスポーツドリンクを持ち歩くようにしてください。ゲータレードなどのスポーツドリンクが苦手な人は、ペットボトルやマイボトルで水と混ぜても大丈夫な電解質パックを用意するといいかもしれません。暑い日には3度の食事をしっかりとって、できれば水分たっぷりの野菜や果物も食べましょう。
今年は暑すぎるので予想しにくいところではありますが、夏も残すところあと少しのはずなので、なんとか暑さを乗り切って、涼しい秋になだれ込んでいきましょう! 訳者が住む、現在4度目の熱波真っただ中のテキサスの秋はまだまだ先のようです…。