このままいけば…?
ウミガメの性別は、卵を産んだときに決まるわけではありません。産み落とされて2カ月ほどで孵化するまでの間、海岸の砂の温度がその性別の決定の大きなカギを握っています。ところが、いま地球をかつてない温暖化の異常気象が襲っているのは疑いようのない現実ですけど、猛暑がウミガメの圧倒的に不釣り合いなオスとメスの関係を作り出してしまっているようですよ。
砂の温度が高くてメスばかりに!
このほどReutersは、フロリダ州の海岸で産卵されたウミガメの研究によって、異常なオスとメスの割合が明らかになったことを伝えました。砂の温度が高く、とりわけ華氏88.8度(摂氏約31.5度)を超える環境だと、確実にメスのウミガメが誕生してくるそうですが、ここ数年のウミガメはメスばかりになっているそうです。現地でウミガメの研究を進めるBette Zirkelbach氏は、こんなふうに語っています。
恐ろしいことだが、フロリダの夏は4年連続で過去最高気温を記録する暑さだった。研究者たちは、この4年間でメスのウミガメばかり目にする事態に陥った。
ちなみに毎年フロリダの海岸では、4万個を超えるウミガメの卵が産み落とされるものの、実際にオトナになるまで成長できるのは、そのうち1,000個に1個の割合だといわれていますね。ところが、ここ数年はほとんどオスのウミガメが成長していないとなれば、ますますウミガメの数は減っていき、ただでさえ絶滅危惧種に指定されているのに、もうこの先どうなってしまうのでしょうか?
なお、そもそも環境特性からウミガメのオスは少なくなりがちだそうですけど、最も直近でオスの誕生した割合が高かったのは2013年。当時の研究では、全体の68%がメスという割合だったようです。猛暑が思わぬところから生態系に影響を及ぼしているのですね。
Source: Reuters