AIによる画像生成。Midjourneyの画力が話題になり、TikTokにもAI画像ジェネレーター機能が追加されてしまう今日このごろ。AIが作り出す作品を「芸術」として捉えるべきか、著作権をどうするかはまた別の問題として、多くの人がAIアートに興味があるのは確かです。
人間のアーティストに上手い下手があるのと同じで、AIにも巧拙あります。なので、あれこれAI画像育成サービスを試して、「芸術性」をランク付けしてみました。ちなみに私はアーティストでもないし、芸術云々言える立場でもないので、あくまでも素人の美術鑑賞レベルのランキングです。
今回使ったAI画像育成サービスは10個。どれも無料、または無料オプションがあるものです。画像育成に必要なテキストは共通で、最近読んだ本の中から3つの文章をお題としました。画像が必要なサービスには、共通でうちの犬のスキップの写真を使いました。
お題1
Jeanette Ng著『Under the Pendulum Sun』より。
「A man and woman stand under a pendulum sun in the heart of Arcadia.」
(ギズモードによる和訳:男と女が、アルカディアの中心で、ペンデュラムの太陽の下に立っている。)
お題2
アーシュラ・K・ル=グウィン著『所有せざる人々』より。
「A lone mathematician stands on a dusty planet owning nothing.」
(ギズモードによる和訳:何も持たない孤独な数学者が、埃っぽい惑星に立っている。)
お題3
アーカディ・マーティーン著『帝国という名の記憶』より。
「A foreign woman struggles alone against the machinations of a cosmic empire.」
(ギズモードによる和訳:異国の女性が、宇宙帝国の仕組みに対して、1人で抵抗している。)
画像お題
わが家のスキップ!

Photo: Kyle Barr - Gizmodo US
第10位:Fotor

NFTシリーズぽいような。FotorのGoArt機能で作ったのがこちら。正直、なんてことはないですね。Photoshopや画像加工アプリのフィルターで見たことある程度。無料版は左下に「GoArt」のウォーターマークが入るのですが、お金払ってウォーターマーク消したいほどのジェネレーターではないかなぁ。ただ、その分サービスとしては、シンプルで使いやすかったです。
第9位:Hotpot

複雑なAIプログラムではないものの、安く簡単にAIアートを作成できるHotpot。とはいえ、進めていくと、そこそこ込み入った謎アートが出来上がりました。AI画像って、元のお題は絶対想像できないような仕上がりになりますよね。Hotpotに限らず、画像生成システムは顔を描くのが苦手な様子。
第7位:VQGAN+CLIP

Googleの無料サービスGoogle Colaboratoryで使えるAI画像ジェネレーター、VQGAN。使い方も比較的簡単。Colabのノートに、使い方も(英語だけど)手順ごとに説明されています。
VQGAN+CLIPは段階的にデザインを重ねていくスタイルなので、途中過程でAIの作品の方向性を見ることができて楽しいです。
第6位:Craiyon (Dall-E Mini)

Dall-E Miniとして知られていましたが、今は改名してCraiyon。複数画像出してくれるので、そこから自分的に一番お題に近いなと思ったものを選びました。オプション豊富な分、ひとつひとつの画像は低画質です。仕上がりは、ネット中から画像をかき集めてお題に沿ってうまくミックスさせた感じです。
第5位:Deep Dream Generator

Deep Dream Generatorは画像ベースのサービス。アート風に画像をトランスフォームしてくれます。サイトの例に挙がっている画像は見事な仕上がりですが、うちのスキップ画像はまぁまぁ。やはりちょっとPhotoshopのフィルター感があります。
まず、スキップをピーテル・ブリューゲル風にし、そこに曼荼羅パターンを追加してみました。最後はサルバドール・ダリ風も足してみたのですが、思ったほど面白くなりませんでした。ただ、使うのが楽しく、いろいろな芸術家のスタイルを学ぶ機会にもなるので、サービスとして素晴らしいと思います。
第4位:Nightcafe

サービスの中には、有料オプションに入る前にたくさんサンプルを出してくれるものもありますが、Nightcafeは数枚しか出ません。ユーザーにたくさん使ってもらってAIの精度を上げる・たくさん画像を生成してもらうよりも、アートとしての販売に力を入れているサービスのようです。その分、アートとしての質は高い。
個人的にはお題2の作品が好きです。どのお題にも人物が描かれていますが、人物をメインとしない作品になっているのが独特です。画質はあまり高くありません。ただ、月額10ドルという価格を考えると、これ以上いいサービスはないかも。
第3位:StarryAI

StarryAIはインターフェースがクリーンで使いやすいのがいいですね。こちらも無料オプションは少なく、多くの作品を見たい場合は有料プランにいく必要あり。アートの方向性として、ユーザーが最初に画像をアップする仕組みもあります。
出来上がった作品は、好みそれぞれ。私はお題2の作品は好きだけど、お題3は何がなんだかピンと来ませんでした。
第2位:Wombo Dream

レトロ調、ダリ風、ジブリ風など、さまざまなスタイルでアートを生成できるのが魅力のWombo Dream。参考画像を付けてもいいし、AIおまかせでもよし。出来上がった画像のNFT化も可能です。今回はお題別に異なるスタイルでオーダーしてみました。1970年代風レトロのオーダーをうまくまとめたお題2、すごく好きです!
第1位:Midjourney

AI画像ジェネレーター第1位はやっぱりMidjourney。さすが人気があるだけのことはあります。今あるAI画像ジェネレーターでは間違いなくトップといっていいと思います。生成された画像がシャープなので、人間のアーティストが描いたと言われたら信じてしまいそう。
Midjourneyのクセというか、作風というか、好みというか、描かれる女性の雰囲気がどこかパターン化されているような気もしますが、作品全体の質は間違いなし。説明せずとも、画像を見てもらえれば納得かと。Midjourneyは現段階ではDiscord内に存在。お試しとして最初数枚は無料で生成可能。たくさん画像を作りたい人は月額10ドルで200画像生成可能です。