こんなところに生き残りがいた!
9メートルもある大きなブナの木。幹は火で焼かれた跡があり、真菌にやられています。「Quercus tardifolia」という名前のこの木、実は絶滅したと思われていました。でも、テキサスで1本だけまだ生きていたのです。
2011年までに絶滅したと思われていたこのブナの木は、テキサスのビッグ・ベンド国立公園で5月25日に発見されました。すぐにアメリカ合衆国国立公園局に連絡され、あと1回でも山火事や干ばつが起こったらもう終わりという状態だったため 、この木が死んでしまわないようにすぐに対処されたそうです。専門家によると、このQuercus tardifoliaという種類のブナの木は、生態学的に大変重要な役割を果たす木だそうで、空気清浄、水のろ過、炭素隔離などの力でたくさんの動物を守っているとのことです。
なんとか再生して殖やしたい
ブナの木はさまざまな気候を生き抜くために異種交配がよくされるので、本筋の種がわからなくなりがちなんだそうです。そのため、研究者はこの木のDNAサンプルを採取して絶滅した木だと確定させました。もう絶滅したと考えられていたため、突然のセカンドチャンスに研究者たちは逆にかなり慎重になっていて「これを無駄にすることはできない」と話しています。
再びその場所に戻ってきた研究者チームは、どんぐりや小さな芽などが落ちていないか綿密に探したり、周りに新しく木が生えていないかなど調査を続けています。今のところどんぐりは見つかっていないそうで、木の健康状態が悪いため、どんぐりを作るほどの力が残っていないと考えられています。奇跡の生き残りなので、どうにか持ち堪えて子孫を殖やしてほしいですね。