好き嫌い分かれそう。Razer史上最薄のキーボード「DeathStalker v2 Pro」はタイピングがしづらい?

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好き嫌い分かれそう。Razer史上最薄のキーボード「DeathStalker v2 Pro」はタイピングがしづらい?
Razer DeathStalker V2 Proはキーが浅いワイヤレスのゲーミングキーボード

浅いメカニカルキーボード。

ニッチな領域ですが、思い思いのオプションでキーボードを選ぶ今、割とふつうに見られるようになってきました。パッと見、ノートPCみたいで、指を動かす距離がちょっぴり短いぶん、打鍵速度が上がるように感じますが、こればかりは個人差があります。薄型キーボードの難点としては、指に返ってくるフィードバックが少ないこと、標準よりキーキャップのカスタマイズが限られてしまうことなどが挙げられます。

Razer(レイザー)は薄型参入にあたって、自社のフルサイズのメカニカルゲーミングキーボードのラインナップよりサイズが小さなものを用意しました。その名も「DeathStalker V2 Pro」。DeathStalkerの後継モデルに当たります。レビュー担当になって2年以上経ちますが、これまで触ったRazerのキーボードのなかでは一番薄いですね。薄型ではずっとロジクールG915がお気に入りだったんですが、あれよりも好きです。

もちろん弱点もあります。キーのカスタマイズ性を求める人が買う製品ではないし、一般のキーボードみたいな打鍵感優先の人にも向いていません。万人受けする製品じゃないので、買う前に自分向きかどうかをよく見極めておきましょう。

Razer DeathStalker V2 Pro

Razerが生んだ、クールなワイヤレスゲーミングキーボード。超薄型で、打った感じはノートパソコンっぽい。

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これは何?

ワイヤレス超薄型オプティカルキーボード

価格

250ドル(日本市場は税込3万880円

好きなところ

ノートPCに入力しているかのような打鍵感

とにかく薄い

残念なところ

ノートPCに入力しているかのような打鍵感(好みがわかれる)

リストレストとの相性があまりよくない

専用ソフトの「Razer Synapse」がいまだに必要

羽のように軽い

自分がキーボードを買うとき一番気になるのは次のようなことです。

①デスクに置いて邪魔にならないか

②フルスピードで打てるか

Razer DeathStalker V2 Proは①については◎。さっき、ロジクールのG915がお気に入りだったって書きましたが、それはスリムで打ちやすいから。でもいかんせんG915はMacroのキーの列が邪魔です。場所をとるので、けっきょく使わなくなってしまいました。Razer DeathStalker V2 Proのほうが省スペースになります。G915だけじゃなく、Razerがこれまで出したどのフルサイズメカニカルキーボード(フルサイズのHuntsman V2を含めて)に比べても、自分が使ってレビューしたなかではDeathStalker V2 Proが一番コンパクト。

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RBGバックライトで光るキーボード
Photo: Florence Ion / Gizmodo

26日発売のProは無線接続のフルサイズモデルを指します。DeathStalker V2にはこのほかにも有線接続のフルサイズ(200ドル、日本市場は2万3880円)、ワイヤレス&テンキーレス(220ドル、日本市場は2万9880円)があって、計3モデル展開となっており、有線とテンキーレスについては年内発売予定です。

Razerから届いたレビュー機はProですね。接続はBluetooth 5.0でつなぐ方法と、2.4 GHzのUSB-Aドングルでつなぐ方法があり、後者はRazer高速ワイヤレス技術「Hyperspeed」を活用できます。また、付属しているUSB Type-でCの有線接続も可能です(自分はこれ。せっかく買ったケーブルが無駄だったと思いたくないので)。

省スペース

フルサイズのDeathStalker V2 Proは約5.5×17.2インチ(約14×44cm)で、ロジクールG915より気持ち小さめ。ちなみに、先日の購入ガイドでレビューしたCorsair K70 MK2は6×17インチ(約15×43cm)なので横幅はほぼ一緒。フルサイズだとテンキー(自分はまず使わない)が右に入るので、どうしてもこれくらいの幅になっちゃいますよね。嫌ならテンキーレスのモデルを選びましょう。

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DeathStalker V2 Proはボリュームつまみもシンプルで、薄型のデザインによくなじんでいる
Photo: Florence Ion / Gizmodo

DeathStalker V2 Proは感動的な軽さ。ガジェット用の押し入れに積み重なってる、ほかのRazerのフルサイズメカニカルゲーミングキーボードとは比べものになりません。ほかは比較的軽量なのにかさばる感じがあるんですよね(特にHuntsman V2)。その点、DeathStalker V2 Proのアルミケースは2.27ポンド(約1030g)で段ボール並みと言っても過言ではありません。Huntsman V2と重さが半ポンド(約227g)しか違わないなんて、とても思えない。薄さと、あとパーツの配置とかも関係ありそうですね。

Razerらしく、音量コントローラは右上の隅っこにあるので、これだけ遠ければ、うっかり触る心配もありません。長押しすればミュートになるのも便利。左のボタンはメディアコントローラで、初期設定では再生スタートとストップ用になっていますが、これはRazerのSynapseソフトで変更できます。

ネイル女子泣かせ?

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Razer DeathStalker V2 Proのスイッチは赤軸と青(紫)軸の2通り。赤は滑らか静音のリニア、青(紫)はカタカタ打鍵音が心地よいクリッキー
Photo: Florence Ion / Gizmodo

薄型キーボードは、一般のメカニカルキーボードと同じ用語で説明されることも多いので、似たようなものと思ってしまいがち。でも現実にはか~なり違います。RazerのDeathStalker V2 Proはゲーミングキーボードの軽快さを極限まで極めた製品ですが、この滑らかな打鍵感が万人受けするかというと、そうとも言い切れないのが、キーボードの難しさです。

DeathStalker V2 ProはABSの低背型キーキャップとRazerの低背型光学式スイッチを採用。スイッチは赤軸と紫軸のオプションから好きなほうを選べます。赤軸(リニア)はRazerで一番短い1.2mmのアクチュエーションポイントを有し、クリック感のある紫軸ほど力を入れなくても入力できるのが特徴。音は静かで、「かなりの押し返し圧」が得られることから、Razerも「絶妙なバランス」だと言ってます。自分はライターなので赤軸って思われたんでしょう。送られてきたレビュー機は赤軸でした。

ところがいざ使ってみると、標準のメカニカルキーボードでは毎日リニアの赤軸スイッチを使っているのに、薄型モデルでは、あんまりうまく打てないんですよ。キーストロークがソフトで、枕のような沈み心地。長いネイルで打つと、普通のメカニカルキーボードのくぼんだ四角いキーキャップの打鍵感が恋しくなります。ああいう物理的な跳ね返りがネイルにこないと、打ってる感じがしないんです。

MonkeyTypeの入力テスト(キーボードの入力速度測定で毎回利用)でも最初は苦戦しました。 スピードは出るんだけど打ち間違いが多くて。スピードを落として、ちゃんと押すようにしたら、30秒打ち込みテストの結果も安定しましたが、それをやると集中力が要るし、頭で文章考えるスピードに指がついていきません。このレビュー記事は全部Razer DeathStalker V2 Proで打ってますが、1000ワードの入稿で真っ先に手が伸びるキーボードとは言い難いかもしれません。

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リストレストは必要。でもRazerの革のを置いたら余計にややこしくなっちゃった
Photo: Florence Ion / Gizmodo

角度固定でも苦労しました。キックスタンド2つで高さは3段階調整できるようになっていますが、自分は入力のときリストレストが必要なのでRazerの市販の革のを当てたら手が高くなりすぎちゃって。打ちやすい角度でキーに指が乗らなくなってしまったんです。

DeathStalker V2 Proはゲーミングキーボードですので、1人でプレイするFPSや複数人が参加するMMO、フォートナイトに必要な機能は完ぺきに揃っています。従来のRazer製品と同じように、完全にプログラム可能なキーボードで、 OTFマクロ記録の機能もばっちり。

電源はバッテリーで、バックライトを暗くすれば40時間までもつとのこと。付属アプリのRazer Synapseには、省電力のオプションもあり、使うとアイドリング中はバックライトが自動で消えます。本当に40時間持つかどうかは確認できていませんが、2日間スタンバイモードにしてから10時間以上入力して確かめたところ、バッテリー残量およそ83%となっていました。

Razerのソフトも前に比べたら軽くなったよ

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専用ソフト「Synapse」。だいぶクラウドに機能が移行してスッキリしたが、バックライトの設定ではまだソフトが必要
Screenshot: Florence Ion / Gizmodo

ゲームする人や、キーの光り方を変えたい人は付属ソフトのSynapseをPCにダウンロードする必要があります。このSynapse、前はブロートウェアだらけで辛口に書いた記憶がありますが、今はプラグインと、必要な機能だけダウンロードできるので使いやすくなっています。また、キーボードに装備された3つのプロフィールで足りない人は、ほかのキーボードプロフィールをクラウドに保存もできます。

買うべき?

RazerのDeathStalker V2 Proはおしゃれなゲーミングキーボードです。デスクにデーンと陣取ってる存在感あり過ぎなキーボードを持て余している人には最適なはずです。ただ安い買い物ではないので、自分向きかどうかはしっかり考えてくださいね。

たとえば、キーが浅いと、標準のメカニカルキーキャップやスイッチほど自由にはカスタマイズできません。ネットで非正規のキーキャップも買えますが、互換性のあるものはあまり見かけません。Razerはほかのゲーミングキーボードではカスタマイズのオプションも用意しているので、薄型用にも同じようなものがあればいいな、と期待。

薄型は万人に好まれるものではありません。ノートPCみたいで物足りなく感じる人がいる一方で、朝から晩まで静かに打てるのがいいという人にはそこが魅力にもなります。相性がよければ、もしかしたら探し求めていた1台になるかもしれませんよ。