こんなシンプルな見た目なのに、出音はすんごかった。
ソニーから、2種類の新しいサウンドバー「HT-A5000」および「HT-A3000」が発表されました。最近のサウンドバーは、巣ごもりブームにより需要が伸びてきてるみたいですね。
「HT-A3000」についてはこちらの記事で紹介しているので、この記事では「HT-A5000」について取り上げます。品番も似てるので兄弟機種のようにも見えますが、正直、こっちの「HT-A5000」はガチ度が違いました。ガチであると同時に、手頃でもあるのよ。
ホームシアターは憧れルームじゃなくなってきた

映画や音楽に没頭できる、ホームシアター。多くの人の憧れだとは思うんですけど、施工費やら設備やらの費用を考えると、まぁ、現実は厳しいっすよね…。で、最近はそこまでガチなホームシアターほどまではいかない、リビングでも構築できるホームシアターやスピーカーシステムも増えてきました。立体音響技術の進歩ありがてぇ。
「HT-A5000」はサウンドバー単品でも立体的なサウンドが楽しめるだけでなく、リアスピーカーを追加すれば映画館に迫る360度の音響も楽しめるのが特徴。なんですが、単品での音の立体感もすごいので、ホームシアター目線じゃなくても十二分に感動できるんですよ。単品性能で感動させておいてからの、俺はまだ本気を出してないが? って感じですよ。
スピーカー構成は5.1.2ch。フロントスピーカーは中央・左・右、内蔵サブウーファーは中央寄りの左右に2基、ビームトゥイーターは左右両端に2基、そして天面にはイネーブルドスピーカーが2基搭載されています。

天面に搭載されたイネーブルドスピーカーは、天井に向かって音を出すことで上から降り注ぐような音を実現。ビームトゥイーターは壁の反射を計算して豊かな音場を生成します。部屋の反響を利用して物理的な音波の反射をつくってるわけです。

そのためには音場の最適化が必要。音質にこだわりがあるサウンドバーやスピーカーにはこうしたキャリブレーションが備わっていますね。「HT-A5000」も同じことができますが、ものの10秒弱で完了しました。は、早い…。
実際に音を聞いてみると、左右や上方、あるいは後ろから音が回り込んでくるように聞こえます。この感覚は映画館の音響に近く、家でコレが味わえるのかと思ったら「どんな映画を見ようか!」って妄想が捗りますねぇ。音場もすごく豊かで、テレビのスピーカーと比較すると音のこもり感が全然違いました。
ソニーの本気の立体音響を見よ
「HT-A5000」は、ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」に対応しています。これかなりマニアック(技術者の愛が詰まってる的な意味で)な技術なんですけど、要は複数のスピーカーを使うことでより立体感がある音場を作る技術です。開発者インタビューも内容濃くて面白かった。

で、この技術を味わうためには別途リアスピーカーが必要。「SA-RS5(90W×2基)」もしくは「SA-RS3S(50W×2基)」を使います。写真のものは「SA-RS5」。

こんな風に、テレビに対して斜め後ろに2基ずつ配置するだけでOK。ホームシアター本体との有線接続が不要なので設置の自由度が高く、さらにバッテリー駆動できるため電源すら不要。複数スピーカー配置で特に面倒なのがサブスピーカーの配線ですから、そこを解消してくれてるあたり完全に理解ってくれてますよね、ソニー。
気になる音質は、もう「あ、映画館ですね」です。左右のワイド感も頭上から降り注ぐ音の厚みも、バー単品とはレベチ。そりゃそうですよ、実際に後ろから鳴ってるんだもん。リアスピーカーにもイネーブルドスピーカーが付いてるので、そりゃ天井からの音も増えますよ。こんなの聞いたら、もうバー単品には戻れないじゃん!
と、そう思わせてくれるほど耳がゾワつく音でした。せっかく大きなテレビで映画やライブを見るなら、音にもこだわりたい。そう思ってる人の「でもスピーカーだけは面倒そうだなぁ」を、まるっと解消してくれるサウンドバーでした。いやぁ、すごい。
普段は多機能な高音質サウンドバーとして

本体サイズは横幅1210mm×高さ67mm×奥行き140mm。音のインパクトの割には一般的なサウンドバーと変わらないサイズ感を実現しています。とはいえ横幅120cmは大きい部類なので、55インチ以上のテレビに添えてあげたい。

今までソニーのハイレゾ対応サウンドバーは、最上位モデルである「HT-A7000」だけでした。今回の「HT-A5000」も最上位と同じくハイレゾ対応。対応しているネットワークサービス(Chromecast built-in、Spotifyなど)の音楽を流しても良し。シンプルに音楽性能を楽しむ分にも良い仕事してくれます。

リモコンは「HT-A7000」と似たデザイン。リアスピーカーの音量もここから調整できるという、ホームシアター拡張を見越したボタン配置がにくい、にくらしい。
立体音響で、テレビエンタメを次のステージに
普段使いとしては、地上波やNetflixなどをもともと備えた高音質で楽しむ。映画やライブなどを見る時は、立体音響で全身でサウンドを浴びる。そんな二刀流の使い方を見出しました。リアスピーカーを導入してホームシアター化するかどうかは、実際に使い始めてから検討できますからね。そこの拡張性の自由度も良い。

「HT-A7000」は、2022年10月22日発売予定、市場推定価格は12万円前後です。この価格は高級サウンドバーとしてはわりとアリな価格ですし、これにリアスピーカーを追加しても20万円いかないんですよね(SA-RS5は6万ちょい)。ホームシアター費としては手頃な部類。さらに低音が欲しい人は別途サブウーファーも足せるし、お財布やお部屋と相談しましょ。

最後に、現行のソニーサウンドバー3基のサイズ比較をば。上から「HT-A3000」、「HT-A5000」、「HT-A7000」です。「HT-A7000」のデカさはやっぱり場所を選ぶけど、「HT-A5000」はサイズも現実的なんですよね〜。立体音響でPS5のゲーム、やりてぇ…。
Source: ソニー
2022年8月23日12:25:別途必要なリアスピーカーとしてSA-RS4S(50W)を挙げておりましたが、正しくはSA-RS3S(50W×2基)であったため、訂正しております。