ノイキャン競争、まだ先があるのか…!
Boseから新しいワイヤレスイヤホン「Bose QuietComfort Earbuds II」が、2022年9月29日に発売されました。いわく“世界最高のノイキャン体験”だそうですが、果たしてその静寂っぷりやいかに。え、タイトルでネタバレしてるって?
満を持してのアップデート

前モデルが登場したのが2020年12月。昨今のワイヤレスイヤホンは年に一度くらいのペースでアップデートしてるので、わりと満を持した感がある後継機といえます。僕自身も長らく待っていたモデルです。

ケースからして大きめでしたが、イヤホン本体もやや大きめ。懐かしきソニーの「WF-1000XM3」を思わせる横長ボディです。タッチ操作になっていて、タッチする部分はサラっとしたマット加工、それ以外の外装は光沢があります。

装着するとこんな感じ。Boseロゴがそこそこ主張するのでアクセっぽいというか、ストリートな雰囲気もありますね。光沢の感じが程よいアピールにもなってる。
強烈な静寂体験
気になる音質…の前に、ノイキャンについて。結論からいうと、BOSEがうたう“世界最高のノイキャン体験”の言葉通りでした。先日発売された「AirPods Pro 2」よりも、僕的最強ノイキャンだった「WF-1000XM4」よりも、一段上の静寂。これはもう、ほんとうに世界最強のノイキャンなのかもしれない!

実際に、ノイキャンをオンにしていた(音楽は再生していない)編集部の人が、向かいの人に話しかけられても気づかなかったことがありました。そんなバカな〜と思って僕も試したんですけど、マジで人の声がほとんど聞こえなくなります。マスクをしてると声がこもるし口元も見えないしで、話しかけられてるかがほんとにわからなかったです。
一方の外音取り込み。こちらも極めて自然な聞こえ方でしたが、フィット感を考慮すると「AirPods Pro 2」の方がより自然です。ここは「AirPods Pro 2」の装着の自然さが際立っていますね。

音質は相変わらず、パワフルなBose品質。低音がドッシリと出て聴き応えがありますね。と同時に、ノイキャンのおかげで細やかな高域部分まで意識できるようになり、ボーカルの切れ目やピアノの終わり際まで感じられます。ソニーやAppleの音質が物足りない人は、Boseのわんぱくサウンドが気に入るかも。
ただし、注意してほしい点がひとつ。コーデックはSBCとAACしか対応しておらず、LDACやaptXなどの高音質コーデックをお求めの人には物足りない仕様となっております。言い換えると、iPhoneユーザーであれば気にしないでOKな仕様(iPhoneはaptXやLDAC非対応)。ここの割り切り、かなり現代的ですね。

「Bose QuietComfort Earbuds II」には、イヤーピースのほかにも固定バンド(いわゆるイヤーフィン)があります。もとから装着されているものも含めて3種類あるんですけど、最小のものでもやや大きいのか、1時間ほどリスニングしてると耳が疲れてきました。もうちょいフィット感がいいと嬉しかったな。

アプリの画面。モードを選択すると最大4つのノイキャンのモードを用意できます。例えばウォーキングの時はノイキャンの強さ3割とか、ランニングの時は5割とか、あらかじめノイキャン強度を設定できるわけですね。
もっとも静かなワイヤレスイヤホン

とっにかく、ノイキャンがヤバい。対面に座ってる人の声が消えます。カフェなどの雑踏ではまだ試していませんが、話し声が多い環境でも効果を発揮してくれるでしょう。ノイキャン技術は人の声を消すのが苦手とか思ってたけど、そこの改善も着実に進んでるんだなぁ。
コーデックの割り切りにも関心しました。LDACやSnapdragon Soundなどの高音質コーデックを用意されても、ユーザー側に再生環境がないケースは珍しくありません。その分のリソースを他のスペックに充ててくれたのなら、ユーザー的にも悪い話ではないかと。日本はiPhoneユーザーが多いですから、なおのことヨシ。
ノイキャンのアップデートってそろそろ頭打ちかなーと思ってたんですけど、まだ進化するんだねぇ。QuietComfortの名に恥じない、静寂を体現したイヤホンでした。欲しい。
Source: BOSE