EVは本当に地球に優しい? フラミンゴの減少に深刻な影響と指摘

  • 7,207

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
EVは本当に地球に優しい? フラミンゴの減少に深刻な影響と指摘
Image: shutterstock

しわ寄せがこんなところに!

このところ自動車業界は、ガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトによる環境保護運動の波にさらされています。EVなら、CO2排出量が少ないので「地球温暖化の問題解決に大いに貢献」というイメージが強かったりしますけど、でも、そんなに簡単なことではなかったりするみたいですね。

リチウムと水資源の枯渇

EVの要となるリチウムイオン電池ですが、それに欠かせないリチウムの抽出は、塩湖(塩原)の鉱床でなされています。チリのアタカマ砂漠には、隣国のアルゼンチンやボリビアにもまたがる、世界的に有名なリチウム鉱床となる広大な塩湖が存在。一説には、ここで抽出されるリチウムが、なんと世界のリチウムの6割近くに上る豊富な資源ともいわれるほどです。まさにリチウムの金脈ともよばれる同エリアなのですが、今後5年でリチウムの世界的需要は3倍に増加するとまで予測されています。その大きな要因に、大規模なEV製造量のアップが挙げられてもいます。

とはいえ、リチウムを抽出するうえで、塩湖の水を干上がらせる、湖水の蒸発プロセスがある一方で、この塩湖には大量のフラミンゴが生息しています。このほど「Proceedings of the Royal Societies B」に掲載された研究論文によると、急ピッチで進むリチウム抽出のため、水資源の枯渇という環境問題が生じており、その影響で、同地域に生息するフラミンゴの減少が観察されているとのことです。アタカマ塩湖におけるリチウム抽出に、毎秒1,700リットルもの水が消費されてしまうとのデータまであり、結果として、とりわけ2種類のフラミンゴの減少が著しいとされています。

生態系の破壊を懸念

同研究では、過去30年におよぶフラミンゴの観察データが用いられていますが、リチウム抽出による水資源の枯渇という問題が生じていない近隣のエリアでは、特にフラミンゴの数が減っているとの報告はありません。このことから、リチウム製造による水資源の枯渇がフラミンゴの生存を脅かしているとされ、地元では塩湖でのリチウム抽出に反対する動きまで起きているそうです。

なお、フラミンゴは、アタカマ砂漠の重要な観光スポットの形成に寄与しているほか、その卵が大切な地元の食糧資源となっています。また、フラミンゴが湖のプランクトンなどを食べるおかげで、有害なバクテリアが取り除かれる効果も指摘されており、急速にフラミンゴの数が減少するならば、これからどのような生態系への悪影響があるかわからないと懸念されています。

リチウムイオン電池世界的な需要増大のせいで、こんな愛らしいフラミンゴの姿を目にすることができない場所へ変わり果ててしまう…。美しい自然が損なわれ、環境破壊が進んでしまうことだけは避けたいところですよね。

Source: Proceedings of the Royal Societies B

EV普及で銅不足はもはや避けようがない

銅の需要は2035年までに今の倍近くに跳ね上がって、1900年から120年で使った銅を上回るほどの量を今後30年間で使い切ってしまう。それほどの銅はどこにもない...

https://www.gizmodo.jp/2022/07/a-copper-shortage-is-likely-coming-for-the-energy-trans.html