Nvidiaが新しいGPU「RTX4000シリーズ」を発表しました。今月19日から3日間開催されたNvidia主催カンファレンスにて、CEOのJensen Huang氏自らが発表した「RTX 4090」と「RTX 4080」で、ちょっと行き詰まった感のあるRTX3000シリーズからの脱却を狙います。そのために効率良くフレーム数を上げるAIグラフィック技術「DLSS 3.0」と、レイトレーシング性能を劇的にアップさせる新たなグラフィックエンジンも発表しました。
行き詰まったといいましたが、RTX 3000は失敗だったというわけではありません(サポートも継続されます)。GPU自体は素晴らしかったのですが、問題は需要に見合った供給ができなかったこと。ここにきてコロナパンデミックも世界的に一旦終焉の雰囲気が出始め、世界のパーツを根こそぎ持っていった暗号通貨界隈も落ち着きましたし(意気消沈?)、イーサリアムのマージも実現。やっと落ち着いて端末アップグレードができると考えている人も少なくないはず。そういう人に朗報なのが、4000シリーズ上位モデルとなるRTX 4090。RTX 3090から劇的に進化しています。GTX 1000やRTX 2000で耐えてるというユーザーには神的進化になるかと。
RTX 4090のスペック

まず劇的進化の割に、価格がさほどアップしていないのがうれしい。1,599ドル(日本国内価格:29万8000円〜)で10月12日発売。Cudaコア16,384、ブーストクロック2.52、GDDR6メモリ24GB。RTX 3090のアプデ版であるRTX 3090 Tiよりも2倍から4倍速いです。
発表イベントでは、CEO自らが『Microsoft Flight Simulator』『Portal』『サイバーパンク2077』をRTX 4090でデモ。100fps超えの4Kで、レイトレーシングをONにして『Microsoft Flight Simulator』と『サイバーパンク2077』をプレイ。デモ機のスペックはCPU含め明らかになっていませんが、デモを見た限りでは、解像度とフレームレートで板挟みになるのはもう過去のことなのかも。これは、NvidiaのAIグラフィックエンジンDLSS 3.0によるところも大きい。DLSS 3.0はピクセルではなくフレーム全体を生成。DLSS 2.0と比較すると、ゲーム性能は25%アップ、レイトレーシング性能は2倍から3倍になっています。また、より効率的にレイトレーシングを計算するSER (Shader Execution Reordering) も新たに搭載しています。
AIグラフィックとRTX 4090のハード的アップグレードによって、Nvidiaいわく性能はレイトレーシングなしでは2倍、ありでは4倍になるとのこと。
また、PortalのRTX対応も発表。 『Portal with RTX』としてPortal 所有者向けに年内無料配布予定。

RTX Remix
「究極のMODプラットフォーム」として、RTX Remixを発表。昔のゲームをRTX対応にすることができます。デモでは2002年の『The Elder Scrolls III: Morrowind』のRTX化が行われました。
手に入るのかな…
どれだけ性能をアピールされたところで、入手できなければ意味はありません。が、詳細は語られなかったものの、Nvidiaいわく在庫面の問題はクリアしているそうなのでちょっと安心。性能大幅アップの上に、少し前のRTX3090よりも安く買えるのではないでしょうか。
RTX 4080もリリース

RTX 4000シリーズとしてもうひとつ、RTX 4080も発表されました。こちらはメモリ違いで2種類。12GB版はCudaコア7,680、ブーストクロック2.61で899ドル(日本国内価格:16万4800円〜)。16GB版はCudaコア9,728、ブーストクロック2.51で1,199ドル(日本国内価格:21万9800円〜)。RTX 3080 Tiよりも性能2倍から4倍アップ。発売日は後日発表するとのことです。
Source: Nvidia