ニューメキシコ州最大の貯水池、水位が下がってしまい大変なことに…

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  • author Molly Taft - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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ニューメキシコ州最大の貯水池、水位が下がってしまい大変なことに…
Image: Getty Images

降らなさすぎか、降りすぎかという選択肢はやめてほしい。

コロラド川下流のミード湖やパウエル湖と同じように、ニューメキシコ州最大の人工貯水池も危機的な低水位になっています。リオ・グランデ川流域のエレファント・ビュート貯水池は、過去の水位がどれくらいだったかを示す痕跡「バスタブ・リング」がハッキリと見えるほどの低水位。また、水位低下に伴って、これまで見えなかった貯水池の岸部分も浮かび上がってきています。

エレファント・ビュート貯水池の水位は、8月31日現在で1,309mと、8月の平均水位である1,325mを大きく下回っています。これほどの低水位は、2013年に1,306mを記録して以来だそうです。あと3メートル。直近1週間くらいは水位は増加傾向にあるようですが、どうなりますやら。

低すぎる貯水池の水位

エレファント・ビュート貯水池は、ニューメキシコ州南西部にある人口7,200人の変わった名前の町、Truth or Consequences(※)の外れにあって、約17万8000エーカー(720平方キロ)の農地に水を供給しています。貯水池の最大容量は21億8000万トン(2.5立方km)。現在の貯水量は8,050万トン(0.1立方km)になっています。※ 1950年に、当時人気ラジオ番組だった「Truth or Consequences」の司会者が、「名前を番組名に変更した町で放送を行なう」とあおったところ、元々Hot Springsという名前だった町が名乗りを上げ、候補の中から選ばれたのが現在の町名の由来だそうです。

コロラドから豊富な雪解け水が流れ込むはずのリオ・グランデ川

例年、リオ・グランデ川にはコロラド州南部から豊富な雪解け水が流れ込み、上流域に潤いをもたらします。国立気象局エルパソ支局のTom Bird氏によると、春から夏にかけて解けた雪が、リオ・グランデ川からエレファント・ビュート貯水池に水を安定供給しているとのこと。

今年は雪不足でリオ・グランデ川への流入量減

ところが、今年は雪が少なかったため、リオ・グランデ川流域の積雪量は例年を下回っています。米南西部から西部にかけて続いている干ばつや、河川の水の大量使用も重なって、米南西部からメキシコまで約3,060kmの長さを誇るリオ・グランデ川は厳しい状況に陥っています。7月には、州都アルバカーキ一体で、ここ数十年で初めて川が完全に干上がるなんてこともありました。2019年以降、エレファント・ビュート貯水池の水位は平均を下回っています。

狂う需要と供給のバランス

水の需要と供給について、Bird氏はこう説明します。

かれこれ10年以上も雪や雨など降水量が平年を下回るなど、長期にわたってかなり乾燥した状態が続いており、私たちが利用する水の確保が難しくなっています。需要は減らないのに供給だけが減って、バランスが狂ってきています。

例年とは違った今年のモンスーン

例年はモンスーンシーズンに貯水池の水位は回復するんですが、運の悪いことに、今年のモンスーンシーズンは、雨のほとんどが貯水池に水が流れ込まない南側に降ったため、大きな水位回復に至らなかったそうです。Bird氏は、今後の見通しについてこう語っています。

現在、貯水池も地表水も地下水もすべて枯渇しています。平年並みかそれ以上の降水量が長期間続かない限り、十分な水を確保するのは相当厳しい状況に陥っていると言えるでしょう。

終わりそうにないメガ干ばつ

エレファント・ビュート貯水池とリオ・グランデ川の水位回復は、この地域を越えたもっと大きな問題のようです。Bird氏は、状況が好転するには、米西部と米南西部で長期にわたってもっと雨が降らなきゃいけないと指摘します。そして、その可能性についてこんな風にこぼしています。

実際にそうなるとは思えませんね

過去1,200年で最悪のメガ干ばつに見舞われている現状を考えると、たしかに安定した降水量を長期間というのは、なかなか難しい気がしますね。降るときに降っちゃいけないレベルの雨が降ることはありますけど…。