数字に表れないスペックに感動しました。
目がしぱしぱするほどカラっとしていて、ホテルに着く頃にはみんなマスクOFF。米ラスベガスは聞いていたとおりの勢いでした。

突然ですけど、ガジェットの選び方って人の数ほどありますよね。
たとえばイヤホンを選ぶとき、僕は「自分の好きなサウンドが出るもの」を吟味して買ってきました。でもイヤホンって、コンテンツ制作側からすれば「自分の作ったサウンドを聴いてもらうためのもの」でもあるはず。
自分の好みを優先するか、制作者の意図した音を楽しむのか。どちらとも間違いではないと思いますが、今回の取材では後者の価値観を身をもって感じました。
ラスベガスで勝ち上がれる人
ラスベガスといえばカジノやクラブ、手品ショーなどが有名なエンタメ本場の街です。

映画『オーシャンズ11』にも出ていたベラージオの噴水は特に有名で、1日に何度も、音楽に合わせて大量の水が宙に打ち上げられます。もはや水の祝砲。
こんな素晴らしい噴水ショーが無料で見られるなんて、ほんとうに凄まじい街です…。しかしこれはほんの一例で、大迫力のボルケーノ・ショーや、音楽の溢れるフレモント・ストリート・エクスペリエンスなんかも無料でエンジョイできちゃいます。
だからこそ、お金を払わないと見れないエンタメはそれ以上の価値を出さなければなりません。ホテルやクラブ集客したければ、人気で実力のあるエンターテイナーを採用する必要があります。つまり、この地で選ばれるエンターテイナーはトップ中のトップということ。
そんなラスベガスで開催されたミュージック・フェスティバル「JBL Fest 2022」にも、まさしくそういったトップエンターテイナーが集結していました。
JBL Fest 2022
イヤホンからBluetoothスピーカー、スタジアムの大出力スピーカーまで、かなり幅広く手がけている音響機器メーカー「JBL」。世界中の40%の映画館でJBLのスピーカーが採用されているそうです。泊まっているカジノホテルの音響も妙にハイクオリティーで、某テーマパーク級かなと感動しました。

そんな、エンタメ業界と根強いつながりのあるメーカーのイベントだからでしょう。今回取材した3日に渡る「JBL Fest 2022」では、数千〜万人は動員できるであろう大物エンターテイナーを、贅沢にも、数百名規模の会場で観れちゃいました。
ここで感じた「エンターテイナーの熱意とこだわり」が、僕のガジェット観を揺るがしたんです。
初日は「HOUSE of JBL」でウェルカム・パーティー。

ビービー・レクサがメインに据えられたイベントで、それはもうヒット曲の連続でした。
あまり音楽に詳しくない僕でも「あ、これ聴いたことある」が続いて楽しい。
彼女の抜群のメロディーセンスが炸裂してるサウンドは、JBLのプロ向けスピーカーを通じて会場全体に響き渡っていました。

なにより印象的だったのは、ビービーが全力で盛り上げようとしていた事です。フロアから若干名をステージに上げてダンスバトルを始めたり、「次はダンスミュージックよ、踊って!」と語りかけるなど、最初から最後まで一切力を緩めることなくフルパワー。
センスのある人が妥協なく全力疾走しているからこそ、ラスベガスという聖地でステージに立てているんですよね。そんな人がアンバサダーを努めるJBLって……?と改めて気になり始めたんです。
納得した!
二日目「JBL LIVE!」の会場は屋外。僕の知る限り、この会場は二日以上の時間をかけて準備されていました。特にサウンドチェックは入念に行なわれていたようで、たまにゴゥンと響いていましたね。

そして当日ステージに近づいてみると、プロ機材のスピーカーがズラリ。

ステージ中心あたりには市販のパーティースピーカー「JBL PartyBox 1000」も置かれていました。

これがDJの曲に合わせて光っているのが面白かったですね。中に人間が入っているじゃないかと思うくらい、めっちゃリズムにノった光り方なんです。
そしてコンサート会場を一気に盛り上げたのは、ザ・キッド・ラロイ。

飛び跳ねて、ドラムも叩いて、「もうやり尽くした気もするけど」と言いつつ『STAY』を披露してくれました。
多くの人がこんな感じにスマホで撮影していました。僕もその一人……。なんか抗えない!
二日目のトリは、今年グラミー賞を受賞して絶好調なドージャ・キャット。指先まで注目したいダンスで、羽を揺らしてみんなを魅了。

観客とのシンクロ率はさすがに高かったです。「スマホのライト点けて〜」と会場の一体感を作り出したり。
ヒット曲の『Say So』は、ロック調のパフォーマンスで最高にクールでした(日本語版も話題になった曲)。
しかしシンクロしていたのはドージャと観客だけでなく、2日以上かけて見事なステージを準備したクルーとJBLスタッフもそうです。入念にチェックされていた音響クオリティーはもちろんのこと、ライティングも窒素ガスも本当にタイミングよく放たれていました。ドージャがJBLのアンバサダーに就任したのは、元々JBLファンだったことに加えて、JBLならこうして同じビジョンを共有できると確信したからなんだろうと、勝手に納得。
本場でも負けない市販品
JBL Fest 2022もいよいよ最終日、「CLUB JBL」。
世界的ナイトクラブナイトクラブ「ハッカサン」はその有終の美を飾るのにふさわしすぎる場所でした。

どこか初音ミク感のあるタイガー・リリーが勢いよく助走をつけて、

マーティン・ギャリックスの、アグレッシブだけど踊りやすいMIXでフロアのグルーヴは最高潮に。
その間もずっとPartyBoxが光の揺らぎで演出しつづけているのが愛おしかったです。

ステージ上部で光っていても違和感がないと気づいたとき、JBLはナイトクラブでも負けないスピーカーを市販できるメーカーなんだなと、腑に落ちたんです。
こだわりに感動した
JBL Fest 2022で身に染みたのは「こだわり抜く」ことの強さです。砂漠の中でもラスベガスが発展できたのは「カジノが合法な地にエンタメ街を作り上げる」というこだわりがあったからだと思います。同様に、「絶対に盛り上げる」というこだわりをエンターテイナーの方々からは感じました。
僕たちは、その揺るぎないこだわりに共感してファンになっていくんですよね。
いままではコンテンツ制作者側の思いを特段考えることなくガジェットを選んできた自分ですが、少し別の価値観が芽生え始めてきた気がします。凄まじいこだわりを持ち、何万人をも感動させるコンテンツを作り上げるエンタテイナー。この人たちが認めた会場やステージで聴いているあいだは、とても幸せな時間でした。また体験したくなった時に再びパッと聴きにいければいいんですが、まぁそういうわけにもいきません。であれば、せめて、この人たちが認めた音響機器で聴きたいと思うわけです。
これはJBLのイヤホンとスピーカーが大分気になってきたぞ……。って時に、インタビューのチャンス。
PartyBoxのように光るポータブルスピーカー「Pulse 5」をデザインした方と、
カナル型とインナーイヤー型を切り替えられるワイヤレスイヤホン「Tune Flex」を開発した方にいろいろ聞けるときた。
であれば聞くしかないでしょう、エンターテイナーも認めるJBLさんのこだわりを(後日公開予定)。