針を刺さずにグルコースモニタリングできちゃう「K’Watch Glucose」、精度良好との試験結果

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  • author 山田ちとら
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針を刺さずにグルコースモニタリングできちゃう「K’Watch Glucose」、精度良好との試験結果
Image: PKvitality

点が線になれば、よりわかりやすく。

針を刺さずに持続グルコースモニタリング(CGM)できるスマートウォッチとして、フランスのPKvitality社が開発中の「K'Watch Glucose(ケーウォッチ グルコース)」が注目を集めています。

血糖値を測れるスマートウォッチといえば、去年のCESでお披露目されたクォンタムオペレーションの試作品も記憶に新しいところ。どちらも「針を刺さない」という点では一緒なのですが、K'Watch Glucoseは間質液中に含まれるブドウ糖の濃度を持続的に測定して、血糖値に換算した値を記録します。

間質液中の糖濃度は血糖値と同じではないものの、連続して記録することで血糖値の変動を推測できるので、糖尿病患者にとっては健康を維持する上で重要な目安となります。

世界初の腕時計端末型CGMデバイス

Image: PKvitality

腕時計端末型のCGMデバイスとしてはK'Watch Glucoseが世界初。まだ臨床実験段階にあるものの、ゆくゆくは非侵襲性の技術を用いて血糖値の変動を推測できるようになるそうです。

糖尿病患者さんにとって、これは大いに期待できるんじゃないでしょうか。

というのも、血糖値の自己測定には穿刺(せんし)用の針で指先から少量の血液を採る必要があるんですね。糖尿病患者、ことさら小児糖尿病患者にとって、一日何度もチクッとするのはできれば避けたいもの。針を使わずに血糖値の変動を知る方法があれば、より積極的に健康管理に取り組めるかもしれません。

針を刺さずに血糖値の変動を推測

Image: PKvitality

K'Watch Glucoseの内側には低アレルギー性の接着パッチ、そしてその下には「K'apsul」という使い捨てのセンサー端末が備え付けられています。K'apsulは一週間に一度の交換が必要だそうです。

K'apsul上に並んでいる数々のバイオセンサーや光刺激用マイクロポイントが、肌の上から間質液中の糖濃度を測定します。

Image: PKvitality

測定された間質液中の糖濃度は、血糖値に換算された上で持続的に記録されます。

このように専用アプリと連携すれば、血糖値の変動がスマートフォン上でも確認できて、インスリン投与や食事のタイミングを見極められるようになるかもしれませんね。

Image: PKvitality

通常モードだと、K'Watch Glucoseのウォッチフェイスに表示される血糖値(間質液中の糖濃度から推測したもの)はさほど目立たないので、人目を気にすることもなさそうです。

3度目の臨床実験の結果は良好

Image: PKvitality

PKvitalityによれば、2022年6月にアメリカのAMCR Instituteで行われた3度目の臨床実験では、K'Watch Glucoseの測定値と採血をして得られた血糖値を比較した結果、平均絶対的相対的差異(Mean Absolute Relative Difference: MARD)が前回と前々回の臨床実験に比べて改善したそうです。

なお、被験者数など臨床実験に関する詳しい情報は公開されていません。

糖尿病の自己管理を支えるガジェット

糖尿病患者数は世界中で増え続けており、日本でも成人の5人に1人は糖尿病に罹ると言われています。そんな時代だからこそ、血糖値を知ることは自分の健康を守る上で大事。

まだまだ開発途上にあるとはいえ、糖尿病とうまく付き合っていくための新たなツールとして今後の商品化が楽しみなK'Watch Glucoseです。

Source: PKvitality (1, 2)
Reference: 糖尿病ネットワーク, 松葉育郎著「血糖値を体型別治療でどんどん下げる」技術評論社
Images: PKvitality