ソニーが嗅覚測定用のマシーンを開発。検査が難しい分野をもっと身近に!

  • author 岡本玄介
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ソニーが嗅覚測定用のマシーンを開発。検査が難しい分野をもっと身近に!
Image: SONY

タブレットで写真を選ぶカンタン操作。

視力や聴力の検査はメジャーですが、なかなか聞かない嗅覚の検査。近年は新型コロナウイルスを患った人の嗅覚障害測定で需要があるのに、検査機関が少ないという不便さがあるのだそうです。検査方法もアナログで、濃さの違うにおいが付いた紙を順に嗅ぐなど、非効率的で時間がかかるものなんですって。

「におい提示装置」が検査を自動化

そこに切り込んだのがSONY(ソニー)。五感の中で最も研究が進んでおらず、取り扱いが困難とされてきた「におい」を誰もが簡単に扱えるよう新事業を立ち上げました。そうして開発されたのが、におい提示装置の「NOS-DX1000」です。

Video: Sony | Olfactive Technologies/YouTube

新技術「Tensor Valveテクノロジー」

機械の中は、あたかも観覧車かリボルバー拳銃のように、40種のにおいの元が充填された「Tensor Valve」がグルグルと回転します。バネ仕掛けでにおいが押し出されると、被験者の鼻に噴霧されますが、紙の検査のようにオープンな空間ではないのでにおいが拡散しにくく、すぐに脱臭して次のにおいが出せるので、残り香に惑わされたり測定者の技量に左右されない利点があります。

美味しそうな香りで検査

測定者はタブレットで操作するので、指先ににおいが付着しません。検査は10分程度で終わるので、従来の1/3で済みますね。画像を見ると、被験者側は「どのにおいに一番近いですか?」という質問の下に、フルーツや花や香水、カラメル、香辛料、ポップコーンやバターといったにおいをタップして選択するようです。きっとそれらに近い、よい香りや美味しそうなにおいが試せるんでしょうね。

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Image: SONY

嗅覚の低下は大病の兆しかも?

嗅覚の低下は、何も風邪をひいて鼻が詰まるだけではなく、アルツハイマー病やレビー小体型認知症、パーキンソン病など神経変性疾患の兆候にも現れるとのこと。「におい提示装置」が近所の耳鼻科や神経内科に普及すれば、クンクン嗅ぐだけでそうした病気が予防できるようになるかもしれません。毎年の検診に追加される日も遠くなさそうです。

発売は2023年春の予定。医療機関向けですが、お値段は230万円前後になるだろうとのこと。においのカートリッジ代もかかりますよね。美味しそうなにおいもいいですが、もし幻の竜涎香が再現できたら嗅いでみたいものです。

Source: YouTube, SONY via AXIS Web Magazine