深刻な水不足...米国の大型ダムが数年で空になるかもしれない

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  • author Angely Mercado - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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深刻な水不足...米国の大型ダムが数年で空になるかもしれない
Image: Justin Sullivan / Getty Images

枯渇まで残された時間は、あと3年…。

米西部の深刻な干ばつは、まだ出口が見えません。早急に大規模な節水対策を実施しなければ、コロラド川流域の州に影響を与える重要な貯水湖がたった3年で枯渇する恐れが出てきました。

米西部の貯水湖が枯渇の危機も、対策は進まず

コロラド川水保全地区の総責任者であるAndy Mueller氏は、9月中旬に開催された対策会議において、これらの重要な貯水湖の水を今後数年間保全するには、大幅な使用量削減が必要出席者に語りました。Mueller氏は「もしも需要を減らせなければ、これらの貯水湖は20年後などではなく、3~4年後には深刻な危機に陥るだろう」と警告しました。

CPR Newsの報道によると、同会議でMueller氏は、科学者が、コロラド川流域の7州(ネバダ、アリゾナ、カリフォルニア、ワイオミング、ユタ、コロラド、ニューメキシコ)に対して水の使用量を2021年比で4分の1削減する計画を立てるよう勧告していると伝えたそうです。今夏も各州は節水の努力を行なってきましたが、どうやらそれでは足りないようですね。

米土地改良局は、6月に開催された西部の干ばつに関する米連邦上院公聴会において、コロラド川流域各州の水管理当局者に対し、60日以内に水の使用量を大幅に削減するための緊急計画を作成するよう命じました。CPR Newsによると、7州は来年までに合計で最大400万エーカーフィート(49億3200万立方メートル)の水の使用停止を命じられたとのこと。琵琶湖1杯分は275億立方メートルだから、琵琶湖の18%の量を節水しなきゃいけないと。1エーカーフィートは、一般的に4人家族が1年間に使用する水の量といわれているので、4人家族400万世帯分の水を節約する必要があるということですね。ちなみに、流域各州は8月中旬に設定された60日間の期限に間に合わなかったのだとか。やる気がないのか、なすすべがないのか。どっちにしても問題ですよね…。

日本の本州に相当する広大な農地の水がめ

事態が急を要するのに十分な理由はあるんです。コロラド川は全長約2,300kmにわたって7州に水を供給する重要な流域です。流域は、下流域と上流域の2つに区分されています。下流域のネバダ、アリゾナ、カリフォルニアの3州と、上流域にあたるワイオミング、ユタ、コロラド、ニューメキシコの4州で、4000万人以上と約5000万エーカー(20万2343平方キロ。日本の本州が約23万平方キロ)の農地に水を供給しています。しかし、深刻化する干ばつによって水位が低下しており、今年初めには米環境団体American Riversの年次報告書「アメリカで最も危機に瀕している河川2022年版」でトップにランクされてしまいました。ヤバい・オブ・ヤバいなんです。

水管理当局によると、近年はパウエル湖の水力発電能力維持のために、ワイオミング州のフレミングゴージ貯水池など上流域から水を引いているそうですが、Mueller氏は「下流域のために、上流域の地域社会が水の使用量減少による経済損失を被るのは受け入れられない」と、上流域からの引水は持続可能ではないと否定的です。

乾燥しやすい地域に気候変動が追い打ち

米西部は、他の地域と比べてもともと乾燥しがちではあるのですが、今年はそこに水の使用量増加と気候変動まで重なっちゃったため、例年よりもさらに乾燥しています。なんせ、西部で進行中の干ばつは、気候変動の影響を受けて過去1200年で最悪といわれているくらいですから。

また、米西海岸は約128年ぶりの乾燥した冬を経験しました。カリフォルニア州のシエラネバダ山脈では、平年だったら冬の終わりに152cmに達するはずの積雪量が、今年はたった6.4cmでした。平年のわずか4%って、えらいことですよ。積雪量が少ないと雪解け水も少なくなるため、乾燥した川や湖を満たすために十分な水を得られません。NOAA(米国海洋大気庁)は、今年の春から夏にかけての広範囲にわたる干ばつを予想していました。7月中旬には、西部各州で取水制限が実施され、主要な貯水湖は歴史的な低水位を記録するなど、干ばつの影響は大きくなってきています。


今年は冬からずっと、特に西部から南部にかけて、干ばつ、山火事、熱波、豪雨、洪水が頻繁に起こっています。訳者は南部テキサス州に居を構えて20年以上になりますが、ここまで気象災害を身近に感じた年はありません。ある研究結果によると、米西部の干ばつは75%の確率で2030年まで続くそうです。あと7年以上。西部貯水湖、枯渇の大ピンチ。でも、気候変動の影響がなければ確率は33%までダウンします。気候変動対策、進めてもらわないと困ります。

Reference: National Geographic