ビフォー&アフター画像で見る、隕石衝突で形成された火星のクレーター

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ビフォー&アフター画像で見る、隕石衝突で形成された火星のクレーター
HiRISEカメラが観測した隕石衝突の現場。衝撃で氷の塊が飛び散っています
Image: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

地震ではなく隕石だった。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ日の前日である2021年12月24日、火星の薄い大気を突っ切った隕石が地面に衝突し、幅およそ492フィート(約150m)のクレーターを形成しました。火星を周回する探査機が捉えた衝突地点の画像を、NASAが公開しています。

先週行なわれた記者会見の中で、NASA惑星科学部門ディレクターのLori Glaze氏は、クレーターを形成した隕石の大きさはおそらく16~39フィート(約5~12m)だっただろうと発言。隕石衝突とその影響についての論文は「Science」誌に発表されています。

衝突によって散乱した氷も撮影

「この規模での新たな衝突現象を見つけるなんて、これまでに例のないことです」とNASAのリリースにコメントを寄せたのは、ブラウン大学の惑星科学者でInSight(インサイト)のインパクトサイエンス作業班を率いるIngrid Daubar氏。「地質史においてワクワクするような瞬間で、それを目にすることができたんです」と続けていました。

NASAの火星探査機インサイトは、この隕石が直撃した際にマグニチュード4の揺れを検知。同機は火星の地質研究用に設計された、4年目になる探査ミッションです。インサイトの地震計は2,150マイル(3,460km)も離れた地点から、隕石の衝突で生成された地震波を観測したのです。

クレーターの方は2月11日に初観測されています。発見したのは、マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)に搭載されているコンテキストカメラ(CTX)と火星カラーイメージャ(MARCI)のオペレーターたちでした。隕石が落ちた地域の衝突前後をCTXが撮影。その地域はアマゾニス平原と呼ばれており、隕石衝突で地面に丸い形が残り、クレーターを囲むようにデブリが舞い散っています

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アマゾニス平原のビフォーアフター画像
Image: NASA/JPL-Caltech/MSSS

「HiRISE」というMRO搭載の高解像度カメラも、隕石衝突の余波をカラー画像で捉えていました。HiRISEの画像からわかるように、衝突によって掘り起こされた大きな氷の塊が散らばっています。赤道直下は火星で最も暖かい領域ですが、これまでに発見されたなかでも、最も赤道に近いところに埋まっていた氷になります。

チームはMARCIのデータから衝突が起きたタイミングを24時間の範囲内で特定して、インサイトが検知した地震活動と比較。当初は普通の火星の地震だと思われていた現象が、2つのデータソースを比べたことによって実は隕石の衝突だったと判明したのです。

MROは観測を続けますが、探査機インサイトは近いうちに寿命を迎えます。火星の地響きに耳を傾ける探査ミッションがなくなってしまうことは残念ですが、今回の現象の記録を含め活躍してくれたことに感謝です。

宇宙開発競争時代から近年の火星探査まで。NASAによる歴代プロジェクトのコンセプトアート

NASA創設当初から現在に至るまでのNASAによる宇宙探査のコンセプトアートたち。

https://www.gizmodo.jp/2022/08/concept-art-by-nasa.html

Source: NASA