信用格付けはCC。数千万ドルを失ってもエルサルバドルはビットコインへの投資を続けるそうな

  • author Matt Novak - Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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信用格付けはCC。数千万ドルを失ってもエルサルバドルはビットコインへの投資を続けるそうな
Image: Ink Drop / Shutterstock

ギャンブルは引き際が肝心なんですよね…。

世界で初めてビットコインを国の公式通貨にしちゃったエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領が、11月17日から毎日1ビットコイン購入する計画を発表しました。いつまで続けるつもりなのかは明らかにしていませんが、昨年史上最高値でビットコインを購入した暗号通貨実験がもたらした巨額の損失をさらに悪化させる可能性があるようですよ。

ビットコインは暴落中

記事作成時点(11月25日)の価格は1ビットコイン約1万6450ドル(229万円)で、1年前(約5万9000ドル=821万円)から72%下落。エルサルバドルが大量購入した当時の6万8000ドル(947万円)を超える史上最高値からだと76%の激落ちくん。責任者出てこいって感じですよね。まあ、責任者は大統領なのですが。

Bloombergによると、ブケレ大統領が同国に与えた損失は数千万ドル級なのだとか。大統領のツイートから推測するに、実験開始以降のビットコイン購入数は2381枚で、購入価格の総額は1億500万ドル(146億円)に達しているそう。で、現在の価値はというと、だいたい3940万ドル(55億円)くらい。6000万ドル以上(90億円超)の損。年間8%近いインフレを記録したとはいえ、米ドルを現金で保有しておいた方がよっぽどマシでしたね、これ。

使われない公式通貨、失う信用

昨年末、高らかに公式通貨宣言したビットコインを日常の買い物で使っている人はほぼほぼいません。また、海外からの送金に使ってもらうというのも、ビットコインを公式通貨にした理由のひとつだったはずなのに、2021年9月から2022年6月までに海外からエルサルバドルに送金された約64億ドル(8910億円)のうち、ビットコインは2%(178億円)未満で、今のところ絶賛大失敗中。

さらに、CoinDeskによれば、ビットコイン実験のせいでエルサルバドルの信用格付けも下がる一方です。2023年に返済期限を迎える国債がデフォルトしてしまう可能性があるため、現在の格付けはCCとかなりどん底状態になっていますね。

そもそも暗号通貨がヤバい

他の暗号通貨と同じように、ビットコインも裕福で影響力のある層がそんなに豊かじゃない人たちからお金を吸い上げる巧妙なシステムで、研究結果ほとんどの人が損をするようにできていることが明らかにされています。それでも、一攫千金を夢見る一般ピープルが後を絶ちません。ここにきて続いている暗号資産取引所の破産宣言によって、そんな一般ピープルが経済的な損害を被ることに。

FTXによる巨額の不正行為に見られるような暗号通貨界隈の崩壊も、活気を失わせる原因になっていますよね。FTXの創業者らは、顧客から預かった仮想ではないリアルなお金をAlameda Researchというヘッジファンドで運用、少なくとも2つの暗号通貨を生み出し、それを「資産」として計上していたのだとか。こんな「資産」はごみとしかいえません。そしてFTXのライバルともいえる暗号資産取引所であるBinanceのCEOが5億8000万ドル(807億円)のごみ資産を現金化しようとしたら、FTXが崩壊。砂の城だったんですね。

世界で最も影響力があると思われるビットコイン推進家による不良資産の爆増を目の当たりにして、それでもビットコインぶっ込み続ける人はそうそういないと思うんですよね。ブケレ大統領は、大逆転劇を信じてカードゲームにお金をつぎ込むギャンブラーみたい。でも、親が勝つようにできているゲームに国の将来を賭け続ける限り、苦しむのはエルサルバドルの人々です。