そのフットプリントが絶景を滅ぼす。行ってはならない世界の旅先10

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そのフットプリントが絶景を滅ぼす。行ってはならない世界の旅先10
Image: Fodor's Travel

アフターコロナの旅の新基準。

旅行需要が戻ってきましたが、世界を見回すと、熱波と干ばつで水道・医療・インフラが崩壊寸前の観光地もあります。

来られると迷惑ということもあるので、Fodor’s Travelが発表した2023年「No List(行ってはならない旅先)」から主なところをみてみましょう。

①南極

南米南端の地元民以外は、遠路はるばる行っても、排出ガス撒き散らして終わりです。氷床が溶けまくってて、最新調査でも、これを止めないと世界の海面上昇がやばいことになるって言われてます。氷に覆われた南極大陸はクジラ、ペンギン、海鳥などの絶滅危惧種の棲み処でもありますので、それを荒らしていいということにはなりません。

②マウイ島

昨年200万人以上の観光客で賑わったハワイのマウイ島も、干ばつで水不足が起こっているって知ってました? 乾季には取水・給水制限もあって、住民からは観光抑制を求める声も出ているのですが、インバウンド需要で家賃が高騰し、水道がひっ迫し、野生の生き物や鳥獣保護区が荒らされているのが現状です。

③ライン川、ドナウ川

Videp: DW News / YouTube

欧州では今年8月、6割以上の地域に干ばつ警報・注意報が出て(CNN)、観光クルーズも開店休業でしたよね。特に被害甚大だったのが、複数の国境をまたぐ大動脈のライン川とドナウ川です。ライン川は今年7月、あと数インチで貨物船が航行不能になるまで水位が落ち込んで、迂回を余儀なくされました。今は冬場で水位が戻っていますが、夏のクルーズ旅行を予約するときには要注意。

④アリゾナ

Video: ABC News In-depth / YouTube

アメリカでもメガ干ばつで、全米1、2の貯水量を誇るミード湖パウエル湖の水位が、今年も最低記録を更新中です。上の動画を見ると、グランドキャニオンの谷底も水量が減って泥水ラフティングだし、フーバーダムの観光客も、元の水位を見て不安そうに眉をひそめています。

フーバーダムは発電稼働率が13%まで落ち込み、給水も発電も不能になる「Dead Pool」の水位(895フィート=273m)まっしぐら。それだけは絶対阻止ということで、周辺農家に給水をカットしちゃってます。カットされた農家の悲鳴が聞こえてきそう。

⑤ヴェネツィア(イタリア)

アフターコロナの旅行需要回復で、オーバーツーリズムのメッカ、ヴェネツィアでは今年1~7月のインバウンドが前年比172%増加。イースターは足の踏み場もない混雑となり、ごみが運河に浮いてしまってます。

これを見て、コロナでいったんは塩漬けになっていた入場料徴収案に市長がGOサインを出しました。来年1月にも予約が義務化となる見通しです。

⑥レイクタホ(米国)

サンフランシスコ&ベイエリア住民の別荘地レイクタホも、エメラルドグリーンの湖水が渋滞と山火事で濁ってきています。せっせと湖底のごみを拾って透明に戻そうとしてるんですが…。2024年からは使い捨てペットボトルの使用が、サウスレイクタホ市で全面禁止になるみたいですよ。

⑦エトルタ(フランス)

仏ノルマンディーの断崖絶壁の絶景スポット、エトルタも海面上昇とオーバーツーリズムで崖がずりずりと海に沈んでいってます! 1日最大400kg分もの石が海に落ちていて崖崩れのリスクが高まってるほか、1日5,000~6,000人の観光客の分まで加わって下水処理がもう限界。去年は処理をストップしてメンテを行ないました。いつ処理が止まってもいいように、これからは携帯トイレ持参ですね。

⑧タオ島(タイ)

タオ島はタイ南部にあるダイビングスポットです。 ジンベエザメの島として有名ですが、周辺には絶滅危惧種の海ガメ、保護種の珊瑚もあります。人が近寄ると、病気にかかるリスクが高まってしまうため、今年は観光客から約55セント(約77円)を徴収して種の保存、下水処理に充てる新たな取り組みをスタートしました。

⑨マラガ(スペイン)

スペインもこの1,000年で最悪の干ばつが農業を直撃して、今年の収穫量は例年より4割も下がる見通しです。

ピカソを生んだ海の街マラガでも、夏には水深200~250mのビニュエラ貯水池がカラッカラにひび割れてしまいました。まだ水量は戻っていなくて、10月に入ってもせいぜい11%といった水準です。住民をカバーするのだってギリギリなのに、今は観光客どころじゃなさそうです。

⑩カランク国立公園 (南仏)

ロッククライマー憧れの海岸線カランクは、街あり、陸あり、海ありの欧州唯一の国定公園として、国内でも絶大な人気を誇ります。ただ、ここもピークには1日2,000人が訪れて踏み荒らされる被害が起こっているみたいですね。予約システムをこのほど導入し、訪問者数を1日400人に制限する取り組みを始めました。