どうしてスピーカーを光らせるの? JBL Pulse 5のデザイナーに聞いてみた

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どうしてスピーカーを光らせるの? JBL Pulse 5のデザイナーに聞いてみた
Image: 西谷茂リチャード

瞑想のサポートからクラブのパーティー感まで、なんでもござれ。

スピーカーのレビューで「光」を意識することはあまりないのですが、今回はその珍しいケースの一つでした。「JBL Pulse 5」は、聴覚のみならず視覚をもターゲットとした「光るポータブルスピーカー」です。

ハーマン・グループのデザイン部門のバイスプレジデント・ダミアンさんが

ピークに達した。

と言っていたんですけど・・・確かにスゴかった。電源オンで部屋の雰囲気がガラッと変わります。

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そんなPulse 5をデザインしたダミアンさんに「そもそもなぜ光らせるのか? どこを目指しているのか?」など聞きながら、どんな人がコレを買うのか考えてみました。自分にとって意外だったのは、そこまでパリピを意識した製品じゃなかったことです。

「スピーカー」を光らせる理由

実はダミアンさん、大学生のころにすでに光るスピーカーを一度作っていたそうで。

いつの日かジミ・ヘンドリックスが、インタビューでシナスタシア=共感覚について話していました。彼は、音を聞くと色も見えるんだそうです。

そしてそのイメージとして「音と光が完璧に調和された部屋」を挙げていて、私はおもわず「そういう製品を作ってみたい」と思いました。

以後ダミアンさんはJBLに入って、当時わずか5人だったデザインチームと、2年がかりで初代Pulseを世に出しました。スピーカーを光らせるのは、「まるで共感覚を得たかのような音と光のハーモニー」を演出するためということですね。究極のオーディオビジュアル製品。なんともロマンあるオリジンストーリーです。

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Pulse 5では、その実現のために様々なアップグレードがなされています。

意味のあるサイズアップ

まずは音質面から。Pulse 4のもと比べてワンサイズ大きいウーファーが搭載され、同軸ツイーターも追加されました。実際に聴いてみると驚くほど広がりのある音で、低音はまだまだ余裕がありそう。IP67等級の防水防塵性能をゲットしながらもこんなに鳴るのはこのパッシブラジエーターのおかげですかね。

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LED追加による音響特性の変化は、エンジニアがデジタル信号処理で対応しているそうです。

定位感はモノラルで聴いたのもあって特に感じなかったですが、ボーカルや楽器などのディテールは聴き取れました。

しかし、ドライバーのサイズアップとともに製品全体のスケールもアップしています。Pulse 4が直径9.6cmだったのが1cm以上プラスされ、重さも1.26kgだったのが0.24kgプラスです。ただJBLもこれは承知しているそうで、Pulse 5にはストラップが直付けされました。

こうして指にかけて持ち歩るいたり(もしくはキャンプで木の枝にかけたり)、

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カラビナなんかを使えばどこにでも引っ掛けられそうです。

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色々持ち歩くと汚れが心配になりますが、IP67の防水防塵だと水で洗い流せちゃうんですよね。

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マナーを守りながらキャンプ場で音楽を聴き、夏にはプールやビーチで使ってもよさそうです。

目指すところはホログラム?

Pulseシリーズの最大の特徴はなんといっても光るところですが、その歴史をたどると面白いことがわかります。

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Image: JBL

LEDの数がどんどん増えてきているんです。初代が8×8=64個だったところ、Pulse 5は10×14=140個の倍以上にまで増加。これに関してダミアンさんは、

LEDの数を増やして解像度をアップさせる方向性は、今後も維持すると思います。じゃあなぜいっそのことディスプレイを載せないのかというと、明るさが足りないからです。

Pulseのゴールは、これひとつで周囲全体を音と光で満たして究極のオーディオ・ビジュアル体験を作ること。もしディスプレイのテクノロジーが進化して明るさが十分になったら搭載するでしょう。

ちなみに小型のレーザー照明ディスプレイを搭載することを考えたこともありますが、目に対する安全性を担保しにくいので断念しました。

なるほど。「ではGateboxみたいなホログラム技術も将来的には相性いいのでは?」と聞いてみると、

前に実物を見たことがあって、その時とても気に入りました。アメジングだと思います。もしあのようなテクノロジーをPulse 5サイズくらいに小型化して、明るさもしっかり出せたのなら、ぜひ搭載したいです。

こりゃPulse 9くらいで実現するかもしれませんね。

Pulse 5に話を戻すと、もうお気づきでしょうか。今回から筐体側面だけでなく下も光っています。5からパッシブ・ラジエーターにもLEDが搭載されて、接地面も照らされるようになったんです。

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これはなかなかエモい。音楽を鳴らすとパッシブラジエーターが揺れて下の光が振えるという、もはや物理を駆使したラグ・ゼロのビジュアライザーになっています。

でも、側面の光もこれに負けない速度感で音に反応するんですよ。しかも何台もシンクロさせる事ができて、相当ドラマチックな演出が可能です。

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これはちょっとタイミング良すぎました。

誰が買うの?

Pulse 5のようなユニークな製品に出会うと、いつも「これってどんな人が買うんだろう」と考えさせられます。でも今回は、自分の考えがまとまる前に、ダミアンさんがドンピシャの答えを出してくれました。

Pulse 5を買うかどうか悩んでいる人がいたら、「スピーカーをどういう風に使いたいですか?」とお聞きしたいです。

メーカーがサイズの違うスピーカーを販売するとき、多くの場合は似たようなデザインのサイズ違いを出します。同じファミリーの製品だと分かりやすいですからね。

しかしJBLでは、サイズごとにそれぞれ考え直しました。

小さいスピーカーはどのように使いたいでしょうか? コンパクト&軽量なので、リュックなどに引っ掛けたいかもしれません。そう考えて、カラビナの付いた「Clip(クリップ)」を作りました。

では大きいサイズの強みは? 内蔵バッテリーが大きいことを活かして、他のガジェットを充電できるといいなと思いました。その発想から誕生したのが「Charge(チャージ)」シリーズです。

このように、JBLはそれぞれのスピーカーがユニークな機能を持っています。もしスピーカーに「マジカルさ」も求めるのであれば、ボタン1つで光も演出できるPulse 5がいいのではないでしょうか。

あぁ、あと、ラヴァランプが欲しい人にもおすすめです。これなら光るだけじゃなく音も出て一石二鳥!

オチまで用意してくれるとはさすが。

ちなみにちょっと補足すると、たとえば瞑想、リラクゼーション、寝つきのサポートなんかにも使えるそうです。焚き火の音や、波の音といった環境音がアプリから再生できるようになっていて、それに合わせて光り方を変えることも可能。

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部屋がちょっと暗めだと全方位がPulse 5に照らされるので、部屋の雰囲気が一瞬で整えられますよ。

もちろん音楽も聴きまくれます。音をEQで自分好みに調整しながら光り方を気分に合わせてカスタマイズ。

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低音ブースト&サイケ発光で、別次元に行ったりできます。

光り方のパターンは非常にこだわっていて、140個のLEDの挙動をひとつ1つプログラムして実現しました。

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Image: JBL

新作のPulseを出すたびに「次はどこを改善させようか」と話していたものですが、今の時点ではまだ、どうすればPulse 5以上を作れるか見当が付いていません。コレがいま作れる最高のPulse。ピーク・パルスだと自信を持って言えます。

そこまでこだわっているとは……。

JBLが音楽業界トップクラスのエンターテイナーに認められているのは、伊達ではなかったですね。

withtune
次はTune Flex開発者インタビュー。



JBL Pulse 5 ほしい?

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