6年の旅の途中。NASAの探査機ルーシーが撮影した地球と月が美しい

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6年の旅の途中。NASAの探査機ルーシーが撮影した地球と月が美しい
Image: NASA

打ち上げから早1年、重力アシストのために地球を通過したNASAの小惑星探査機「ルーシー」が、地球-月系を撮影しました。

ルーシーは現在、木星のトロヤ群小惑星を目指す6年に及ぶ旅の真っただ中。木星のトロヤ群とは木星の軌道の前後に存在する小惑星のグループです。

ルーシーが撮影した地球と月

ルーシーの航路では重力アシストによる軌道の変更を3回予定しており、その1回目となる地球フライバイが10月16日に実施されました。フライバイ中、ルーシーは観測機器類の校正のために地球と月を数回にわたって撮影。いずれも鳥肌ものの美しいモノクロ画像をNASAが公開しています。

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Image: NASA

これは10月13日に撮影された画像で、ルーシーは地球から89万マイル(140万km)の地点にいました。フライバイのために地球に向かっているところだった探査機が、地球-月系を同じフレーム内に収めることに成功しています。

画像の左側にうっすらと写る月と地球との距離は23万8900マイル(38万4400km)。夜空を見上げれば観測できることもあって、かなり近いように思える月が実際はどれほど地球から離れているのか、そんな距離感を捉えた光景です。

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Image: NASA

続いては地球に迫りつつあるルーシーが、10月15日に38万5000マイル(62万km)の距離から捉えた画像です。写っているのはエチオピアのハダール。探査機の名前の由来となった、約320万年前の化石人骨が発見された場所です。

ルーシーの化石が人類の進化に関する知見をもたらしてくれたように、トロヤ群小惑星が初期の太陽系の起源と経時的な進化を解明するうえで役に立つかもしれません。

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Image: NASA

地球をフライバイしてからおよそ8時間後、ルーシーは月に接近しました。こちらは10月16日、月の上空約14万マイル(23万km)の距離から同探査機の高解像度モノクロカメラL’LORRIで撮影されたアップ写真です。

地球と月の間を通過していたルーシーは、溶岩が溜まった衝突盆地「雨の海」を捉えました。画像の右下の領域に見えるのは1971年のアポロ15ミッションの着陸地点だったアペニン山脈ということで、よく知られた月の眺めです。

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Image: NASA

1ミリ秒の露光時間で撮影した5枚の画像から生成された、1ピクセルが0.7マイル(1.2km)にあたる月の合成画像。画像の最上部は下の部分よりも前に撮影されたため、ズレが生じています。撮影のタイミングはルーシーの地球フライバイから7.5~8時間後、月からは約14万マイル(23万km)の地点にいたとのこと。

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Image: NASA

同日に撮影された別のクローズアップ画像。画質を上げるため同じ景色を2ミリ秒の露光時間で撮った10枚を合成した画像で、1ピクセルあたり0.8マイル(1.3km)となっています。

長い旅の途中

地球に別れを告げたあとのルーシーは、次の重力アシストのため2年後に再び地球に接近します。それでも最初のターゲットである小惑星ドナルドジョハンソンにたどり着くのは約3年後。エウリュバテスとその衛星ケータを皮切りにトロヤ群探査を開始するのは2027年8月になります。ポリュメーレーとその衛星に、レウコス、オルスを巡ってから、パトロクロスと二重小惑星の伴星メノイティオスを探索する予定です。

Source: NASA(1, 2),