ホッキョクグマの移動がライブ中継されている

  • author Angely Mercado - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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ホッキョクグマの移動がライブ中継されている
Image: shutterstock

癒し映像としてこちら、いかがでしょうか?

ホッキョクグマ保護団体「Polar Bears International 」がカナダのハドソン湾近くのホッキョクグマたちのトラッキングをしていて、その様子をずっと配信しています。ホッキョクグマたちはそこに集まって湾が凍るのを待っているのです。凍ると、アザラシを獲れるようになるからです。大きなクマたちがゴロゴロ寝っ転がりながら、自分の足で遊んだり、背中を地面に擦り付けたりと、めちゃくちゃカワイイんです!

Video: Explore Bears & Bison/YouTube

ホッキョクグマの移動は気候変動が要因

現在世界には野生のホッキョクグマが3万6000頭ほどいて、そのうち絶滅が危惧される20のグループが研究者によってモニタリングされています。ホッキョクグマが極寒を生き抜き、生殖をおこなうためには豊富な脂質を食べなくてはいけません。基本的にホッキョクグマはアザラシを食べるのですが、海水が凍らないとそこに立ってアザラシを捕獲することができません。気候変動によって天候のパターンが変わってきていることで、北極はどんどん暖かくなってしまい、氷が少なくなってきているのです。氷が少なくなるということはすなわち、ホッキョクグマが食事を求めてもっと移動しなくてはいけなくなるのです。

特にカナダの北西では、クマたちが危険な状態にあり、ハドソン湾のホッキョクグマたちは特に気候変動の影響を受けていて、最初に絶滅するホッキョクグマになるかもしれないと言われています。1980年代から30%も数が減ってしまったそうです。

人間が被害に遭う事件も起きている

Polar Bears InternationalのスタッフAlysa McCallさんは、ホッキョクグマが減っていることは気候変動の目に見える例であり、北極で人間と野生動物が「衝突」する機会が増えてしまうことにつながるとしています。気候変動の影響は北極だけでなく世界中で起きていて、生息地が減っていることで野生動物たちが今までとは違う行動に出てしまうのです。その例として、カナダではホッキョクグマがお腹を空かせ、人間の家のゴミ箱を漁り人間と出くわすというケースが増えています。

氷が張っていない時期は1980年代に比べて3〜4週間も増えています。すなわちホッキョクグマが狩りをする時間がそれだけ減っているということです。このままでは最悪の場合、人間が怪我をしたり、殺されたりということが起きてもおかしくはないでしょう

とMcCallさん。実際に2017年に、ハロウィンパーティの帰り道に女性がホッキョクグマに襲われ、瀕死の状態になった事件もありました。

ホッキョクグマが人間に近づく事態になり、ホッキョクグマが殺されてしまうということも過去にはあって、これを防ぐためにPolar Bears Internationalは、「ホッキョクグマアラート」を開発中。ホッキョクグマが住宅地に近づくとアラートでお知らせするシステムです。AIでホッキョクグマの姿をシステムに教え込み、システムが常にスキャンを行ない、ホッキョクグマが住宅地へ近づくとアラートが発令されるという仕組み。これで人間とクマの「衝突」を防ぐことができるのです。

McCallさんは、こうしてホッキョクグマの姿をライブ映像で見ることで、クマたちの生息地を守ろうと人々が思うきっかけになってくれたらと話しています。「ホッキョクグマが絶滅することは生態系にも感情的にも悲劇です。すばらしい生き物ですから。どうにかして生息を守りたいのです」と話しています。