使う勇気、ありますか?
ニューヨークを拠点に活動しているアートグループMSCHF。さまざまなメディアを使ったユニークな作品で知られるグループですが、マイアミ・ビーチで開催された現代アートフェアのアート・バーゼルにて最新作を公開。作品は…、ATMです。
MSCHFの「ATM Leaderboard」は、スコアボードがついたATM。ここでいうスコアとは、銀行残高のこと。作品(ATM)はアートフェア会場のVIPラウンジに設置され、通常のATMと同じように使うことができます。が、使うと、ATMにくっついたディスプレイに顔写真と共に残高がランキング表示されます。ディスプレイはまぁまぁ大きめなので、ATM周辺にいる人にも見られちゃいます。
MSCHFのガブリエル・ウェイリー氏は、ネタ元であるArtynet Newsのインタビューにこう応えています。
「マイアミにいると、高級時計を身に着け、ランボルギーニでアートフェアに乗りつけるような人がたくさんいます。会場にいる人が話すこと、やること、すべてが自分の豊かさを物語っているようです。なら、わかりやすくリアルな数字を表示してランク付けしてしまいましょう」。
異質な作品に感じますが、ペロタンギャラリーのコミュニケーション担当のケイトリン・メレル氏はアートとしてATM Leaderboardを受け入れています。「アートとは何かという壁を壊すアーティストと仕事をするのは、エマニュエル(ギャラリー創設者)と共に初めから彼の考えの一部にあるものです。MSCHFは、システムに参加すると同時にそれを壊すという素晴らしい作品を作りあげています」。
ちなみに、ATM Leaderboardは購入可能なアート作品で、価格は7万5000ドル(約1,027万)。通常ATMと同じくお金を引き出せるよう、中には6000ドル(約82万)から7000ドル(約95万)ほどの現金が入っており、これも作品に含まれます。もし購入する人が現れた場合、その時、どれだけ中の現金が残っているかなぁ。
Source: Artnet News