ブラザーの“ラベル”は普通じゃない。イノベーションの連鎖を実現する技術者の考え方とは?

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  • author ヤマダユウス型
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ブラザーの“ラベル”は普通じゃない。イノベーションの連鎖を実現する技術者の考え方とは?
Photo: Kosumo Hashimoto

小さなアイデアが大きな解決につながるんだもんなぁ。

皆さん、ラベルって普段から意識していますか? 文字を書いたりプリントしてどこかに貼り付ける、あのラベルのことです。仕事だと会社の備品やファイルに貼ってあることもあったり、ご家庭なら透明ボックスに貼ったり、地味だけど便利なアイテムですよね。

ずっと昔から変わっていないアイテムに見えますが、実は最近のラベル、めっちゃくちゃ進化しています。

ラベルプリンターのパイオニア的存在であり、今なお新モデルや新技術を開発しているブラザー工業株式会社が作るラベルは、普通じゃないんです。ブラザーの技術力とニーズへの理解、そしてお客様に寄り添う姿勢が、スピーディかつ柔軟な製品開発、イノベーションの連鎖につながっているんだとか。

と言われても、なかなかイメージするのが難しいですよね。今回はそんな最新のラベル技術について知るべく、インタビューに行ってきました。

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ブラザーのプリンティング・アンド・ソリューションズ事業 LM開発部でシニア・プロフェッショナル・エンジニアを務める松元春樹さん

お話を伺ったのは、技術者として現場の最前線ではたらいている松元春樹さん。ラベルの歴史や最新のラベル、そしてラベルにおいてのイノベーションの話をうかがいました。あらゆる場所で見かけるラベル、その裏には思いもよらない技術が潜んでいたのです。

最近のラベル業界ではどんなイノベーションが起きてるの?

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倉庫などでの使用を想定して開発されたラベル

──ラベルって昔からほとんど変わらないイメージなんですが、ここ最近ではどんなイノベーションが起きているのでしょうか?

最近では、倉庫や工場での使用を想定した床に貼っても文字が消えにくい、剥がれにくいラベルを開発しました。

倉庫では自動搬送車が動くためのマーカーを印刷したラベルを床に貼り付けるんですが、重たいフォークリフトなども同じところを走っており、タイヤのせいで床に貼り付けたラベルの文字が消えちゃうんです。なので、その対策として透明テープでラベル全体を保護しつつ床に貼り付けてるんですけど、やっぱりそのテープも剥がれてきちゃうんですね。

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倉庫や工場の床で見かける剥がれたラベル

──タイヤが何度もテープを踏みつけてしまうんですね。

こうした実例は何度も見てきたので、「ブラザーなら消えにくい、剥がれにくいラベルを作れるぞ」と思い提案しました。実際に開発したラベルを何カ月か試してもらい、フォークリフトで踏みつけても消えにくい、剥がれにくいことを確認してもらっています。

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ブラザーの特殊ラベルなら、人が歩く通路に1カ月間放置しても印字面が消えにくい。

──すごい…従来のラベルとの比較を見ると一目瞭然ですね。

他にも、ある造園の現場では、紙に印刷したものを1枚1枚プラスチックフィルムでカバー(ラミネート加工)しラベルにして木に取り付けていたんです。たしかに雨や水には強いんですが、加工や取り付け作業に半日もかかってしまうと。

──たしかに、屋外でラベルとして使ってるのはよく見ますがけっこう手間がかかっているんですね。

でも、ラミネート用のプラスチックはこすれや水には強いんですが、太陽の光にはそこまで強くないんです。「私たちのラベルなら、印刷したらあとは貼るだけで、ラミネートは不要ですし、太陽光や雨にも強いですよ」と、その造園現場に提供したんです。

こうした事例はいくつもあって、いずれも現場の人たちは透明テープやラミネート加工で保護する工夫を「省略できる作業」だとは感じてないんです。でも、私たちの目から見ればそれはお客様にとってのボトルネックであり、解消できる課題でもある。

──新製品はかなり短期間で開発されたと聞いていますが、なぜそのような事が可能だったのでしょうか?

今回は、基材(テープの本体部分)は今までのものを流用して粘着剤だけの開発で済んでいるのでスピーディでした。お客様のニーズに合わせて、強い粘着剤や剥がせる粘着剤、変色しない粘着剤など、それぞれを独立して開発することで、短い期間で新規開発ができるのが強みでもあります。

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右側のグレーと白のラベルは、お客さんの要望に合わせて台紙の余白やラベルサイズを調整して開発されたもの。

──なるほど、それぞれの材質の組み合わせで解決できる課題もあれば、一部分だけをオーダーメイドにすることで短期間での開発を実現できているんですね。

はい。あとは病院での活用例もあります。

病院では使用した医療器具の入れ物に滅菌ラベルを貼り付けることがありますが、このラベルは洗浄液への耐性や、耐熱性、耐滅菌性、剥がしやすさなど、極めて高い性能を求められます。結果として要求をクリアできて採用していただいたんですが、後日その病院に行ってみると、印字したラベルに「緊急」や「優先」などの特記事項が赤ペンで記入されてたんですよ。

──ラベルって本来一色で印刷されてますもんね。

理由をうかがってみると、黒一色だと緊急性が高いものや忘れそうなことなどがわかりにくい、と。他の病院でも、廃棄するものと廃棄しないもののラベルが同じ色だったせいで、違いを瞬時に識別することができず間違えて廃棄すべきでないものが捨てらてしまうこともあったと聞きました。

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一部分だけ赤い印刷が可能なラベル

──そうか、どっちも黒文字で書いてあると見分けがつきにくい。

なので、一部分だけ赤い印刷が可能なインクリボンを新規開発して提案しそれが採用されました。特記事項を赤文字で印刷できるようにしたので、ラベルに手書きで記入しなくても、緊急度や優先度が明確になったんです。

こうして開発した製品は応用が効くことも多くて、物流業界からも「2色出せるラベルが欲しい」とお声がけいただいています。

通常のプリンターとラベルプリンター、違いはどこに?

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熱転写ラベルプリンターの最新モデル「TD-4T」

──ブラザーといえば僕らに馴染みがあるのはプリンター、あとミシンが有名ですが、あらためまして、ラベルプリンターについてざっくりと教えていただけますか?

プリンターの印字方式には、インクジェットレーザー、そしてサーマルの3つの印刷形態が今は一般的なのですが、ブラザーはそのすべての技術を持っているのが特徴です。

──すべての技術を持っている…なんだか強そうですね。サーマルってあまり聞き慣れないんですがどういう印刷形態なんですか?

ラベルプリンターはまさにサーマルの分野で開発されており、サーマルは感熱方式熱転写方式に分類されます。それぞれの違いとして、感熱方式は宅配便とか、スーパーの生鮮食品のラベルのように一時的な印刷媒体に向いており、耐久性はそれほど求められません。一方で熱転写方式は屋外や医療現場など、厳しい環境での用途を想定しています。

──宅配便やスーパーで見かける身近なラベルがまさにサーマルだったんですね! ちなみにラベルの開発を始めた頃にはどんな製品があったのでしょうか?

ブラザーでのラベル印刷技術のスタートは、1984年発売のワープロ「ピコワード(NP-100)」です。これは、一般的な溶融型熱転写プリンターで、当時としては手頃な10万円を切る価格で好評をいただいていたのですが、その後大手家電メーカー、情報機器メーカーの攻勢により撤退することになりました。

──そうだ! 昔のワープロってプリンターが一体化されてました!

このプリンターの印刷技術を活用し、1988年頃には現在のラベリング事業の基盤にもなっているロングセラー商品「P-touch(ピータッチ)」の初代モデル「PT-6」を発売します。

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「P-touch(ピータッチ)」の初代モデル「PT-6」

──プリンターといえば家庭で使うものからオフィス用のプリンターまでいろいろとありますよね。そうしたプリンターとラベルプリンターの違いはどこにあるんでしょう?

当たり前の話ですが、一番大きな違いはラベル(貼付できるもの)が印刷できるかどうかです。捉え方によって認識が広くなってしまうので、あくまで私の考えとしてお答えします。ラベルプリンターは本体と消耗品カセットからなるわけですが、これらは複数の分野の技術が組み合わさって作られています。

──複数の分野ですか。

とにかく多くの分野の技術を組み合わせないとうまくいきません。ラベルのもとになる材料にインクを載せられるのか、ラベルやインクの入ったカセットがちゃんと動くのか、粘着力などの技術は適切なのか。印刷を考える人はインクや印刷品質について考えるし、印刷面に耐久性を求めると普通のプリンターと違って難易度が上がってきます。

ですので、ラベルプリンターは、化学系、材料系、メカ系、ハード系、ソフト系の技術者が一丸となって製品を開発する必要があります。あらゆる面で連携してようやく1つの製品として問題なく動くものが完成するんです。

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──最近だと環境に配慮してラベルやパッケージのない製品などもあったりしますが、ラベルに関してもその存在意義に変化は起きているのでしょうか?

材料費も高騰しているのでラベルの使用量は少なくなっていくだろうという声もあるんですが、一方で現場の需要は根強く、ラベルがなくなることはないと考えています。データで見てもラベル市場全体の売上が落ちてるってことはないんですよ。

──お話を伺っていて、小さなイノベーションは毎日起きているんだなと感じました。ラベルといえばお店に並ぶ文具的な存在だとばかり思っていましたが、改めて見渡してみるといろんな所にラベルはあるし、新しいラベル、特定の用途のためのラベルを、ブラザーは生み出し続けているんですね。

お客様と寄り添うことによって、ラベルを進化させることができ、これまではとてもイメージできなかったさまざまな業態と繋がれたのは本当にありがたいですね。

街中のラベルを見る目が変わりそう

Video: Brother Brand/YouTube

ブラザーのラベル、やばくないですか? イノベーションを日々積み重ねた先に、もっとすごい未来のラベルができるんじゃないかってワクワクします。これからは街を歩くときも、色んなラベルに注目してみようかな。

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https://www.roomie.jp/2022/12/923465/

Source: Brother