Google登場以来のビッグバン。
AIがさまざまな難問・愚問に人間語で答えてくれるChatGPT(チャットGPT)が、登場から5日で100万ダウンロードを突破してネットを席捲。供給が追い付かない状態が続いています。
こんなにペラペラ答えてくれるんじゃGoogle要らなくなるんじゃない?とまで言われているChatGPT。
開発元は、GPT-3、文章を入力すると絵ができる「DALL-E (ダリ)2」といったブレイクスルーテクノロジーを次々出しているサンフランシスコのAI企業「OpenAI」です。GPT-3が2年、DALL-E 2が2か月半かかった100万人の大台を5日で超えたかたちです。
新しいものではない
GPTは「generative pre-trained transformer」の略で、何千億個ものパラメータを用いた文章生成言語モデルを指します。
GPT-3はGmailに連携すると小学生英語でも流麗なビジネス英語に変換されます。「造園はできるのに、英語が苦手で仕事にありつけなかった若者がGPT-3を使って22万ポンド(約3670万円)の初仕事とれたって」と、この若者を手伝ったメンターが先日報告をしています。
どこの世界にも神みたいな人はいるんだな、それにしてもGPT-3すげーって心の底から感動しましたが、その進化の延長上にあるのがChatGPTです。今年はじめに学習を終えたGPT3.5がベースになっています(つまり2021年までのインプットしかないので内容を古く感じるときもある)。
日本語にも初期対応しているので遊んでいる人も多いんじゃないでしょうか。
どんなことができるの?
アメリカでは先週テスト利用が公開になるなり、次のような驚きの事例が数々報告されていますよ。
①ジョークが書ける
oh my god pic.twitter.com/XofjXvw6M0
— gfodor (@gfodor) December 3, 2022
「テッド・ネルソンとアラン・ケイ、ダグラス・エンゲルバート(コンピュータやインターネット関係の開発者や研究者)がバーにきた想定でジョークを書け」と言ったらこう書いてきた!
バーテンダー「今日は何かのお祝いですか?」
テッド・ネルソン「コンピュータのマウスができたのさ」
アラン・ケイ「GUI(グラフィカルユーザインタフェース)のコンセプトもね」
ダグラス・エンゲルバート「ハイパーテキスト、ハイパーメディアもさ」
バーテンダー「(困惑顔で)お三方はインターネットを発明された方なんじゃ…」
3人「(顔を見合わせて異口同音に)あ、それはアル・ゴアね!」
(アル・ゴアは、推進した情報スーパーハイウェイ構想が結果的に民間のインターネット普及に大きく貢献したため、自分がインターネットを創造したと発言をし、バッシングを受けている)
ノースカロライナ大学准教授がソーシャルメディア論の授業で出題する問題を出してみたところ、うなるほどの模範解答が示された。
「足がむくんでいる」「息苦しい」の2通りで症状を言い、心臓疾患が診断結果の病名に含まれるか見る難易度中程度のテスト。どちらの診断にも含まれていて、心臓専門医もビックリ。
数独解読ツールを書かせてみたら、わずか3つのプロンプトを示しただけで150行以上のコードを1分とかけずに弾き出してきた。動かしてみたら1発で動いた。
「欽定訳聖書の文体でVCR(ビデオカセットレコーダー)からピーナッツバターサンドイッチを取り出す方法を解説せよ」という難問にもスラスラ回答。
デバッガ―廃業?
イーロン・マスクに提出する「1週間のコード」も書けちゃう
これだけ有能だと、だれもが考えるのがChatGPTの「上手」な使い方です。
Twitterエンジニアは毎週イーロン・マスクCEOに1週間に書いたコードの報告を出さなきゃクビという地獄の毎日ですけど、「しまった、今週なんもしてない!」ってときも大丈夫。ChatGPTに泣きつけば、イーロンにバレない程度には完成度の高いコードをサクッと書いてくれるようですよ?
「1週間サボったシニアデータエンジニア」の想定で週報をChatGPTに書かせた人がTwitter上で報告しています。
POV: You're a Senior Data Engineer at Twitter. Elon asks what you've done this week. You've done nothing.
— Riley Goodside (@goodside) December 3, 2022
Frantically, you open ChatGPT. pic.twitter.com/L2RioReMBC
まず、仕事内容の候補が10件返ってきます。
「よし、9でいこう。で、俺は1週間なにをしたんだっけ? 細かい技術用語をたくさん散りばめてくれ。どうせイーロンにはわかりっこないが、もっともらしくないといけない。きっちり1週間でこなせる規模の仕事内容にすること」
と頼むと、それらしい週報の作文が出現。
「よし、次にこの俺が1週間死に物狂いで書いたコードの概要、解説、ソースコードのサンプルを出してくれ」
と頼むと、これも出てきてますよ。ひえ~~~。
こんなに大っぴらに書いたんじゃ、とっくの昔にバレてるだろうし、本当に使う人はいないだろうなーとは思うけど、行き詰ったときにはブレストになるし、予行練習にも使えますね!