マジ野菜が高すぎて口内炎ができそう。
温暖化で野菜の価格が急上昇
アメリカの野菜が今年40%も値上がりしちゃったそうなんですけど、やっぱり温暖化が主犯でした。Bloomberg(ブルームバーグ)によると、毎年11月から3月にかけて全米における緑葉野菜の90%がアリゾナ州で収穫されているのですが、今年は干ばつによるコロラド川の水量減少が農作物の生産に大打撃を加えてしまったとのことです。
長期の干ばつが影響
近年の降雪量と降雨量の減少もあって、コロラド川流域の干ばつは23年目に突入し、水量が著しく減ってしてしまったとNature Climate Changeに掲載された研究は指摘しています。アメリカ政府は、気候変動と干ばつによるコロラド川の水量減少を受けて、アリゾナ州の農家に割り当てられる来年分の水量を約5分の1削減する計画を発表しています。
一方、全米一の農業地帯として知られるカリフォルニア州も今年は深刻な干ばつに見舞われ、30億ドル(4100億円)相当の被害を受けました。また、ハリケーン「イアン」と「ニコール」が上陸したフロリダ州は、その影響もあって州全体における農業生産物の損失が20億ドル(2730億円)近くに達しているそうです。
不作の影響でインフレが過去40年で最悪に
農業の損失で全米にわたって小売価格が上昇したのが一因となり、インフレは過去40年で最悪レベルです。State Board of Food and Agriculture(カリフォルニア州食料・農業委員会)のDon Cameron委員長は、Times of San Diegoの取材に「例年通りの農作物をすべて栽培するには、水が足りません」と述べています。
アメリカ労働統計局によると、11月の生野菜・乾燥野菜の原価は10月から38.1%も上昇。生産者の出荷時点での価格を対象とする生産者物価指数は、11月に前月比で0.3%、前年同月比で7.4%上昇したそうです。
科学者は異常気象の増加を警告していた
実は、科学者らは気候変動対策をとらないとこうなるよって何十年もずーっと警告してきたんですよね。平均気温が上昇すれば、極端で異常な気象現象が起こるようになるって。NOAA(米国海洋大気庁)の報告では、今年10月11日の時点で、損失額が10億ドル(約1360億円)を超える気象災害が15件。1980年から2021年の平均は7.7件なので、今年は2倍近い発生件数です。
激甚化する温暖化に追いつかない適応力
アメリカ農務省国立食料農業研究所のErica Kistner-Thomas氏は、USA Todayにこう語っています。
この国を養っている農家は年々進歩し、気候変動などへの適応力も高まっていますが、極端な変動への適応がどんどん負担になってきています。最高の収穫高だった翌年に大規模な洪水や干ばつに見舞われることになるんです。
ウィスコンシン大学マディソン校のPaul Mitchell農業応用経済学教授は、作物の乾燥に対する耐性は20年前よりも高くなっているとしながらも、干ばつが頻繁に起こるようになれば、作物の適応速度が追いつかなくなると同紙に述べています。そして、このように問いかけます。
アメリカにおける農作物の生産性は高くなっていますが、異常気象に対して強く適応しているわけではありません。尋常ではない気候が何年も続き、不作の年が連続しはじめたときに、「大丈夫」と言えるだけの対策を我々は取っているでしょうか?
訳者が住むダラスのスーパーで、1束2ドル代だったサニーレタスが突然5.99ドル(815円)になっていて目ん玉飛び出しそうになりました。他の野菜も軒並み値上がりしていて、ビタミン不足必至です…。