目覚めると世界が変わっていた…?
Amazon(アマゾン)の従業員にして、ワークライフバランスがまったくないジェフをご紹介しましょう。
仕事中に「もしも休暇があったらなぁ」と思うこともありますが、彼は毎日、巨大企業でせっせと働き、お客さんが衝動買いをした商品を届ける仕事をしています。なかにはSM用のムチを買う女性も、ヘアアイロンを買うツルツル頭のおっさんもいたりします。
でも、ジェフはドローン。お休みをもらえるだなんて不可能な話です。そう、世界が終末を迎え、すっかり変わってしまうまではね。
人類滅亡後も配達を続けようとするジェフ。大量消費社会とロボットの悲哀を、SFディストピア映画として巧みに昇華させた印象を受けます。
チェルノブイリの映像も使われた
このポストアポカリプティックな短編映画『JEFF』は、shy kidsの制作で短編映画だけを取り扱うチャンネルShort of the Weekにて公開されました。
製作者のパトリック・セダバーグ、ウォルター・ウッドマン、マシュー・ホーニックさんらによりますと、荒廃した世界の映像はチェルノブイリ原発事故現場を使い、ドローンのインターフェイスを重ねたのだそうです。物憂げなジェフの声を演じたウッドマンさんは、できる限りコメディアンのネイサン・フィールダーに似せたとのこと。
音楽や文芸は腹の足しにもなりゃしない
世界の終わりを生き延びたのは幸運だと思いきや、それは2度と充電ができないと気がつくまで。加えてこんな世界では、生存した子どもたちが初めてデヴィッド・ボウイを知るためのレコードプレイヤーも残っていないでしょうね。『ジギー・スターダスト』の名盤も、ウィリアム・ゴールディングの小説『蠅の王』も、子どもたちには全くの無価値。終末を迎えた世界では、火にくべた方がよっぽど有益だというのもウィットが感じられます。
Source: YouTube, Short of the Week