臨場感がすごい! 月を周回して帰還したアルテミス1のハイライト映像

  • 17,393

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • はてな
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …
臨場感がすごい! 月を周回して帰還したアルテミス1のハイライト映像
Image: NASA

オリオンの冒険を追体験。

月を周回する歴史的な旅で140万マイル(約220万km)以上を移動したNASAの無人宇宙船オリオンは現地時間の日曜日、太平洋への着水をもって完璧に近い試験飛行を終えました。

NASAは今週、スペース・ローンチ・システム(SLS)ロケット打ち上げの瞬間から同宇宙船がパラシュートで降下するまでを24分間にまとめた、25.5日間に及ぶミッションのハイライト動画『Artemis I Mission Highlights』を公開しました。

Video: NASA Johnson/YouTube

11月16日、ケネディ宇宙センターの39B発射台からSLSが発射され、50年ぶりに人類の月面再訪を目指すNASAのアルテミス計画が本格的に始動しました。

約220万kmの前例のない旅路を追体験

『Artemis I Mission Highlights』は大迫力の打ち上げシーンから始まり、地上を離れるロケット視点というユニークな映像も出てきます。ブースター2基とRS-25エンジン4基が発射時に計880万ポンド(約3,992トン)の推力を発生させ、SLSは最もパワフルなロケットとなりました。

続けて映し出されたのは、炎の尾を伸ばしながら暗い空を駆け抜けるロケットの姿。宙に浮かんでから約8分のうちにブースターとコアステージは分離しましたが、中間極低温推進ステージ(ICPS)はオリオンを月遷移軌道に投入してから切り離されたのでした。

その後、映像は宇宙船オリオンにフォーカス。イースターエッグが仕込まれた、クルーキャビン内が映し出されます。ロケット打ち上げの轟音とは打って変わって宇宙空間は静寂に包まれ、オリオンのカメラが捉えた地球と月の壮大な景色が流れます。

不気味なほど静かな無人宇宙船の中でカメラに背中を向けているのは、フライトデータ収集用に設計されたマネキンのMoonikin Campos船長。広い宇宙に浮かぶ地球と月の印象的な姿を、彼も堪能していたのかもしれませんね。

このミッションの間、オリオンは2度の月フライバイを果たし、月面から80マイル(約128km)の距離まで接近しました。

動画が残り10分を切ったところで、地球への降下に向けて動き出します。パラシュートを使って落ちていく際、オリオンは時速2万マイル(3万2100km)から時速20マイル(32km)へ減速。地球の大気圏への再突入時に耐えたおよそ華氏5000度(摂氏2760度)という温度は、NASAによると太陽の表面温度の約半分にあたるそう。

頭上でパラシュートを広げつつ急降下する様子をキャビン内から撮影した、海に落ちていくオリオン視点の映像は圧巻。ようやく海に着水して、月を周回した前例のない旅路は終わりを迎えたのでした。

Source: YouTube,