ジェームズ・ボンドにトリビュートをささげるメモリアル腕時計2モデルが、どちらもセレブ価格で新登場。
1962年以来、60年にわたり映画「007」の世界で活躍してきたジェームズ・ボンド。Omega(オメガ)の腕時計Seamaster(シーマスター)は『007 ゴールデンアイ』(1995年)に登場して以来、助演級の注目を集めてきました。
この度Omegaはジェームズ・ボンド映画60周年を記念し、Seamaster Diver 300M(シーマスター ダイバー300M)の新作2モデルを発表。ボンドのシルエットや銃口というオープニングシーンを再現した、遊び心あふれるシースルーバック(蓋裏)は、機械式腕時計好きの心をくすぐる、ユニークでダイナミックなデザインです。
Omegaを身につけてきた近年のジェームズ・ボンド
ジェームズ・ボンドやMI6のスタイリッシュなスパイは、最先端の小道具を駆使していますが、とりわけ007が特定のブランドを愛好していることはご存じのとおり。Aston Martins(アストンマーティン)のアイコニックなDB5へのこだわりなんて半端ありません。
もちろん腕時計も、ボンドが身につける装備として定着しています。実は、主演がピアース・ブロスナンに交代された『007 ゴールデンアイ』から『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)にいたるまで、007は全作品でSeamaster Diver 300Mコレクションを中心に、Omegaを身につけています。
シークレットに楽しむ、エレガントなコラボレーション製品
映画などのアイコニックなキャラクターとコラボして、高級時計ブランドが特別なタイムピースを発表するのは初めてではありません。Tag Heuer(タグ・ホイヤー)のMario Kart(マリオカート)クロノグラフの2モデルはキュートでしたよね。

しかしOmegaの新製品は、さりげないエレガンスをまとっています。007のロゴをダイヤルに付けたり、映画のテーマをこまごまとちりばめたりはしていません。驚きの仕掛けは裏にあります。銃口の先にボンドが現れるあのオープニングシーンが、機械式のシースルーバックに隠されているんです! 裏側を鑑賞できるオーナーだけの、シークレットな楽しみです。
作中に登場した腕時計の要素が組み合わさったデザイン
aBlogtoWatchによれば、Omega Seamaster Diver 300M 60 Years Of James Bond ステンレススチールエディションのデザインは、「『007 ゴールデンアイ』に登場したオリジナルSeamaster Diver 300Mと、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)の最新製品をブレンドしたもの」。つまり、『007 ゴールデンアイ』でのブロスナン着用品の完全な再現ではなく、さまざまな007映画に登場した腕時計の要素が組み合わされているといいます。
ダイヤル面でメモリアルをさりげなく主張しているのは、ベゼルの12時位置にある、逆三角形マークの代わりにあしらわれた「60」の数字です。
007の特徴をはっきりと見られるのは、裏返したとき

サファイアガラスの裏蓋の下に、ボンドのシルエットと回転するガンバレル(銃口)というアイコニックな映画のオープニングシーンが現れます。本格的な機械式のためLCDやOLEDディスプレーは使用せず、ガンバレルのスパイラルパターンがボンドのシルエットと干渉してモアレを生み、アニメーションのボンドが歩き出します。アニメーションはロリポップスタイルの秒針と連動する仕掛けになっているため、腕時計が時を刻む限り、動き続けます。
多くのコレクターを魅了する、クラシックな機械式時計の機能美と、遊び心あふれるデザインは垂涎ものです。ただひとつ残念なことは、ステンレススチールエディションの価格7,600ドル(約105万円)は、ほとんどのボンドファンにとってはけっしてお手頃ではないこと。

それでも、同時発表の超高級Canopus Gold(カノープスゴールド)エディションに比べればまだリーズナブル。
Canopus Goldエディションは、Omega独自のホワイトゴールド合金、18Kカノープスゴールドを、ケースとブレスレットの素材に採用した豪華モデルです。ベゼルには原作者のイアン・フレミングの別荘があるジャマイカの国旗にちなんだ、グリーンとイエローの天然ダイヤモンドがセットされています。価格は14万ドル(約1930万円)。涼しい顔でポンとお買い上げできるのは、どうやらペルシャ猫をなでなでしているセレブのドクター・ノオくらいかもしれません。