日本時間12日午前2時40分ごろ、地球に帰還しました。
NASAの無人宇宙船オリオンは最遠距離記録の更新、2度目の月フライバイ、地球に戻るルートへの軌道修正マヌーバなどを成功させながら順調に旅を続けました。こういった功績はマイルストーンであると同時に、またとないシャッターチャンスにもなりました。
本日の地球への帰還をもってアルテミス1の歴史的な25.5日間のミッションは完結しました。オリオンは目標としていた遠方逆行軌道(DRO)への突入・離脱を行ない、大成功を収めています。ギズモードではこのミッションで撮影された写真の数々を公開してきましたが、今回はミッション後半を振り返るギャラリーを用意しました。
オリオンと地球と月

この画像が撮影されたのは、ミッション13日目にあたる11月28日。オリオンはその日に、地球から最も遠い距離26万8563マイル(43万2210km)に到達しました。これほど地球から遠い距離を旅した有人用宇宙船は他にありません。とはいえ、このミッションではデータ収集用のマネキンたちを除いてオリオンに搭乗者はいませんでした。
クローズアップ

先ほどの画像の、 地球と月を拡大したバージョン。地球の衛星である月が手前に、地球が後ろにあるという配置の画像はあまりないかもしれません。
お月様

こちらの月のモノクロ写真は11月30日、ミッションの15日目に撮影されました。オリオンには16台のカメラが搭載されていて、いくつかは太陽電池アレイの先端に配置されています。
欧州サービスモジュール

太陽電池アレイの後方に地球が見えるこの写真も、別の太陽電池アレイの先端にマウントされたカメラで同じ日に撮影されたもの。欧州サービスモジュール(ESM)と太陽電池アレイが収まった見事な一枚です。同宇宙船の動力と推力を供給するESMには3種類33基のエンジンが搭載されていて、そのうちのいくつかがこの写真には写っています。
電力のための4つのアレイ

各太陽電池アレイの寸法は幅6.5フィート(2メートル)に長さ23フィート(7メートル)で、それぞれ3枚の正方形パネルで構成されています。4つのアレイを合わせると供給される電力量は約11kw。これは寝室が3つある家2棟分を賄うことができる電気量です。
地球から22万マイル

オリオンはこの映像(通常の速度を8倍速にしたもの)を、12月2日に撮影しました。アルテミス1は計画中のアルテミス2の下準備的なミッションで、後者では宇宙飛行士4名が同じ旅路を繰り返します。
わずかな噴射で大きな変化

ミッション17日目となる12月2日、オリオンは帰還のための軌道修正噴射を実施。この動画には、エンジン噴射の際のオリオンのスラスターが写っています。軌道修正マヌーバによって同宇宙船の速度は秒速0.48フィート(時速0.3マイル)変わり、地球に戻る軌道へと動きました。オリオンはその前日に、DRO(Distant Retrograde Orbit、遠方逆行軌道)を脱しています。
三日月型の地球

アルテミス1ミッション19日目にあたる12月4日、欠けたように見える地球が観測されました。
月に再接近

アルテミス1ミッションの20日目、オリオンが2回目の月フライバイを果たす直前に撮影された写真には月の裏側が写っています。
最接近

こちらは、オリオンが月の裏側を飛ぶ直前に撮った画像。NASAが予期していたとおり、同宇宙船との通信は31分間にわたって一時的に失われていました。フライバイ燃焼自体は3分27秒間行われ、オリオンを地球へ連れて帰る軌道へと乗せたのです。11月28日に実施された1回目の月フライバイの際には、クレーターだらけの月面を捉えていました。
フライバイの後

オリオンは12月5日に2回目のフライバイを実施し、月面から80マイル(130km)の距離まで接近しました。その後、月の裏側から現れた同宇宙船が、月と、三日月型に写る地球の美しい光景を捉えたのです。
マネキンとのセルフィー

オリオンが12月5日に自分自身の姿を撮影しました。よく見ると、窓にMoonikin Campos船長(宇宙放射線、加速、振動などについてのデータを収集するマネキン)が写っています。同宇宙船は地球に帰還するにあたって、再突入の前にESMから分離します。
月よ、さらば

オリオンは月から遠ざかり、米東部時間の12月11日日曜午後12時40分(日本時間12日月曜午前2時40分)ごろに帰還。この画像は20日目、フライバイ燃焼の後に撮影されました。
Source: ESA, Glenn Research Center,