砂漠にそびえる再エネ100%の巨大未来都市の建設が急ピッチで進んでいるようですよ。
サウジアラビアのSF感たっぷりな巨大未来都市「The Line」の建設が本格的になってきているみたいですよ。7月に発表、10月に着工されたSciFi都市の広さや長さなど、工事の進行状況が最新の衛星画像によって明らかになりました。
本気だったサウジ
MIT Technology ReviewがオーストラリアのSoarから入手した建設現場の衛星画像(Chang Guang Satellite Technology Corporationが2022年10月22日に撮影)で確認したところ、建設地のひとつはアラビア半島西部の北緯28.10度、東経35.30度に位置しています。また、UrbanというSoarユーザー がアップロードしている複数枚の衛星画像を見ると、どうやら「The Lineは」は全長の約3分の1にあたる範囲の数カ所で工事が行なわれているようです。

着色加工された衛星画像で、砂漠に点々と掘削された後(地図上の赤い点)が確認できます。掘削が行なわれているのは、60m幅くらい。赤い点は、少なくとも425回掘削が行なわれたことを示しており、この範囲だけで推定170万立方メートルの土砂が運び出されたそうです。この画像では、黄色が「The Line」、紫は掘削された土砂の山、ピンクは建設拠点、緑色は太陽光パネル、赤は掘削現場に色分けされています。

こちらの衛星画像(2022年9月10日にシンガポールのTwenty First Century Aerospace Technology Companyが撮影)は、「The Line」の西端の方にあたると思われる建設現場で、北緯28.15度、東経34.68度に位置しています。この現場では掘削が103回行なわれ、推定70万立方メートルの土砂が運び出されたようです。

Google Mapで確認してみると、2つの建設拠点を結ぶ距離は70km弱くらい。あと100km伸ばすってことみたいですね。内陸部の拠点の近くには、この計画を手がけるNeomの施設もあり、15kmほど離れた紅海沿岸はリゾート地になっているようです。
完成は2030年頃
こういったことを踏まえると、10月に着工された「The Line」の建設は、少なくともその1カ月前にはじまっていたってことですね。幅が200mで全長170kmにおよぶ空間を高さ50mの鏡面壁によって覆われるサウジアラビアの巨大な未来都市は、2030年頃に完成するそうです。
2030年のワールドカップ開催地は2024年に決定する予定ですが、サウジアラビアはエジプト、ギリシャの3カ国共催を検討しているそう。2024年までに2030年に「The Line」を完成させるめどが立てば、招致のアピールになるかもしれませんね。
Source: AFP BB News