テキサス州のダラスでも発泡スチロールってリサイクル対象外なんですよね。いったいどうしろと…。
「ごみゼロ」都市を目指すロサンゼルス市当局は、出席した12人の市議会議員による全会一致で発泡スチロールや使い捨てプラスチックの禁止を決定しました。これによって、発泡スチロール製品の流通・販売が禁止されます。
また、2013年に施行された使い捨てレジ袋禁止令の抜け道をなくすことや、市の施設やイベントでのごみゼロの取り組みを義務づけるなど、2つの条例も可決されています。
分解に500年かかる発泡スチロール
環境ジャーナリスト協会によると、発泡スチロールは環境に悪影響を及ぼし、また地球温暖化にも寄与するとされています。発泡スチロールの分解速度は非常に遅く、埋立てられた発泡スチロールの分解にはおよそ500年かかるといわれるほど。
リサイクルのコスト高すぎて埋め立てかポイ捨て
アメリカでは、発泡スチロールの約20%は埋立処分されることなく、陸か水のどこかにポイ捨てされているんですって。しかも、生分解性の発泡スチロールはありません。技術的にリサイクルは可能ですが、大半の施設では取り扱っていません。つまり、ほぼほぼどうにもならないんです。
発泡スチロールがリサイクルされにくい理由として、使用済みのコーヒーカップや食品容器は簡単に洗えないことが挙げられます。また、Earth911によると企業は200ドル相当の発泡スチロールを回収するために平均1,000ドルのコストを費やしているらしく、まるで採算が合わない状態なんだとか。そりゃ埋め立てたくなりますね…。
禁止条例の施行は2023年4月
2050年までの「ごみゼロ」を掲げるロサンゼルスの新たな発泡スチロール禁止条例は、レストランやコーヒーショップ、バー、小売業者などを対象に、2023年4月23日に施行されます。また、「主に顧客自身の消費または使用のために、商品を顧客に直接販売する商業施設」とされる大型小売施設も含まれるそう。従業員が25人以下の中小企業には、条例の適用に1年の猶予が与えられます。
サーフボードやクーラーボックスなど耐久性の高いもの、工芸品、医療機器、安全装置(救命胴衣、ヘルメット、車両衝突防止装置など)は除外される予定です。さらに、介護施設や医療施設も対象外となり、自然災害発生時または大統領やカリフォルニア州知事が緊急事態を宣言した地域では一時的に禁止を解除できます。
ロサンゼルスから世界へ
ABC7によると、12月6日の会議前に行なった会見でMitch O’Farrell議員がこう語ったそうです。
これは、全米第2の大都市であるロサンゼルスの未来に発泡スチロールの入り込む余地はないという明快な意思表示です。私たちは、ごみゼロの都市を目指すことで模範となり、使い捨てプラスチックごみを削減するために、全米で最も先進的な地域条例の制定を進めています。
海岸の保護に力を入れるSurfrider South Bayの政策担当者であるCraig Cadwallader氏は、会見でこう付け加えました。
ロサンゼルスは世界の先駆者になれます。この動きはロサンゼルスから世界に広がって、おそらく他の国々にも大きな影響を与えるでしょう。