道路に塗るだけの自動運転用のインフラ整備。
自動運転車にはカメラやレーダーやLiDAR(ライダー)といったセンサー類が搭載され、周囲の状況を判断して走行します。
中でもLiDARはレーザー光が障害物に当たって跳ね返って来るまでの時間を測り、その障害物の位置を知るもの。実は50年も前に作られた技術で、アポロ15号のミッションで月面をマッピングしたり、月と地球との距離を計測するのに使われました。
LiDARだけが見える塗料
日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社は、そのLiDARが認識する塗料「ターゲットラインペイント」を作っています。人間の目には、アスファルトと同化する色なのに、LiDARが見るとブラックライトで照らされた蛍光塗料のようにハッキリ映るので、景観を損なったりLiDAR用に新たな標識を設置する必要がありません。

GPSの電波が届きにくいトンネルのような場所でも、塗料の印を追えば走ることも可能です。目から鱗の新ソリューションですが、路面以外にもガードレールや京都のいけず石などに塗ってもよいかもしれませんね。
大津市で実証実験
12月10日~2023年2月28日、滋賀県大津市では自動運転をする小型ディーゼルバスと小型電気バスの実証実験を行ないます。びわ湖大津プリンスホテル~琵琶湖ホテル~JR大津駅間の運行ですが、ターゲットラインペイント技術が使われます。こうした実験結果が有用と認められれば、日本だけでなく海外でも採用されるかもしれません。
自動運転車にLiDARとこの塗料が浸透すれば、危険な暴走事故が少しでも防げるかもしれませんね。