テネシー州、電気自動車登録料の3倍増を検討中。ガソリン税とのバランスを考慮と主張

  • author Lauren Leffer - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
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テネシー州、電気自動車登録料の3倍増を検討中。ガソリン税とのバランスを考慮と主張
Image: shutterstock

ちゃんと使ってくれるならいいんですよ。ちゃんと使ってくれるなら。

テネシー州のビル・リー知事(共和党)は、交通インフラ法案の資金調達のためという大義名分を掲げて、同州の電気自動車登録料を100ドル(約1万4000円)から300ドル(約4万2000円)へ値上げしようとしているみたいです。

ガソリン税へのタダ乗りは許さんと知事

ガソリン車やディーゼル車の所有者が給油時に払うガソリン税のほとんどを道路の維持管理費に充てているのに対して、EV所有者は十分に払ってないじゃんというのがEV登録料値上げの理由。同州の運輸長官の話では、300ドルに引き上げることによって、EV所有者は内燃エンジン車のオーナーが払うガソリン税と同程度を支出することになるそう。

APによると、州知事は会見ですべての人にとって公平な額になるよう検討を重ねると述べているので、300ドルで決定というわけではないようですね。今回の決定はテネシー州がEVよりも内燃エンジン車を優先させていることを明らかにしましたが、同州がEV製造にも多額の投資を行なっているのを鑑みると、州知事は同時進行させたいのかなという感じ。9月にFord Motorが州西部で建設に着工した巨大工場では、EVピックアップトラックとバッテリーの製造が予定されています。

EV使用量徴収は全米31州で導入

全米州議会議員連盟のデータでは、テネシー以外に少なくとも31州がEVの年間使用量を徴収しています。年額はコロラド州の50ドル(約7,000円)からワシントン州の225ドル(約3万1000円)までさまざま。テネシーの登録料が300ドルで決定すれば、全米最高額になります。年額いくらというのが完璧な答えかというとそうでもないようで、ワシントン州では2021年から走行距離に応じた制度試行中とのこと。たしかに、走ってないのに(=内燃エンジン車だと給油の必要もないのに)お金を取られるのは納得いかない気がしますね。

高すぎる自動車中心社会のコスト

忘れがちですが、ドライバーは道路を走ったり、信号で止まったりするだけで、社会がドライバーのためにつくった高価なシステムの恩恵を受けているんですよね。たとえば、自動車所有者は他の交通手段と比較して多額の補助金を受けています。カナダの非営利メディアであるThe Discourseの分析によると、道路インフラ、自動車損害賠償責任、騒音、大気汚染、渋滞など、自動車通勤に必要なコスト1ドルのために、社会は9ドル以上も出費しているそうですよ。バスや自転車、徒歩で同じ距離を移動するためにつぎ込まれる公的資金の方がよっぽど少ないと。自動車以外に通勤手段がない地域は別として、自動車以外の移動手段が充実している都市部は、自動車の乗り入れができないような街づくりや制度づくりをしたほうがいいかもしれないですね。

使い方を間違っているテネシー州

で、テネシー州の交通インフラ法案で集めたEV登録料はどう使われるのかというと、公共交通や歩行者、自転車のためのインフラには一切割り振られないとのこと。予想通り過ぎますね。総額260億ドル(3兆5500億円)の法案の目的について、同州運輸局はプレスリリース交通渋滞を解消するためと説明しています。州知事は同法案の資金調達手段として、他州よりもべらぼうに高いEV登録料に加えて、高速道路への有料車線の追加を検討しているそう。いや、高速道路の車線を増やしても誘導需要のせいで交通量が減らないのは多くの分析結果で明らかなんですけどね。だって、車線増やしたよーって聞いたら利用者が増えるだけでしょ。


車線を増やすのはマジやめたほうがいいです。ダラスもヒューストンも、車線や高架を増やすたびに渋滞がひどくなっています。渋滞解消の切り札は、車の数を減らすことです。