ちまたで噂のあいつのすべて。
最近何かと話題のChatGPT。サンフランシスコのOpenAI社が生み出した最新のAIチャットボットですが、「なんでそんなに騒がれてるの?」って思っている方も多いかと思います。そこで今回は、現時点で「ChatGPTについてわかっていること」をざっくりまとめてご紹介します!
<目次>
ChatGPTって何?

ChatGPTは「オリジナルのテキストを生成することができる人工知能ツール」です。対話型のサービスで、質問に答えてもらうことも、クリエイティブなプロンプトを入力すること(「海を背景にしたビジュアルエフェクトの作り方は?」とか)もできますし、詩や歌、エッセイ、短編小説、コードなどを書いてもらうこともできます。
ChatGPTはどうやって使うの?

ChatGPTの使い方はとても簡単。セットアップするにはまずOpenAIのアカウントを作成する必要がありますが、メールアドレスと電話番号だけで簡単に会員登録できます。登録するとChat GPTだけでなく、テキストプロンプトに基づいてイラストを作成するAIアートツール“DALL E 2”などのツールも使用できるようになります。

ChatGPTには、通常のチャットボットと同じくテキスト入力用スペースがあるので、そこに質問やコマンドを入れると「回答」というかたちで文書を作成してくれます。
例えば、「なぜ空は青いのか」「鳥小屋の作り方は」などと質問したり、「マクドナルドのハンバーグラーを主人公にしてレイモンド・チャンドラー風の物語を書いて」とお願いすることも可能。本当になんでもやってくれるので、とにかくいろんなことを試してください。
ChatGPTは誰でも使えるの?
OpenAIのアカウント登録さえすれば誰でも使えます。
ChatGPTで日本語は使えるの?

日本語にも対応しています。
ChatGPTには言語を設定する項目はありませんが、日本語で会話を始めるとChatGPTも日本語で応答しますし、スペイン語で話しかければスペイン語で答えてくれます。
ChatGPTは間違えないの?
そんなことありません。実際、「デタラメばっかりじゃん!」という内容や、誤った情報を出してくることも多々あります。Chat GPTを使ってエッセイや記事を書く場合、ファクトチェックは必須でしょう。
ChatGPTは無料?
基本無料で利用できます。
課金すればさらに賢くなる(3月15日更新)
月額20ドル(約2,500円)のサブスクリプションプラン「ChatGPT Plus」も発表されており、ピーク時でもアクセスしやすくなったり、応答時間が短縮されたり、新機能などが使えたりするとのことです。

また「ChatGPT Plus」では2023年3月15日から、次世代大規模言語モデル「GPT-4」が利用できるようになりました。これは「ChatGPTがさらに、それもかなり劇的に賢くなったということです。

OpenAI自身の評価によると、デフォルトとなっているGPT-3.5では論理的思考能力(Reasoning)は5段階評価で3・手短に無駄なく文章を書く能力(Conciseness)は5段階評価で2でした。

GPT-4では論理的思考能力は5段階評価で5、手短に無駄なく文章を書く能力は5段階評価で4にまで引き上げられています(スピードは犠牲になっていますが)。
ChatGPTはいつ、どこから来たの?
ChatGPTが世に出てきたのは昨年11月。開発したのは人工知能の研究開発に特化したOpenAIという企業です。OpenAIの設立にはあのイーロン・マスク氏も参加していました。他にも何かとお騒がせな投資家が何人も名を連ねており、右翼系億万長者のピーター・ティール氏も創業当初は相当額の資金を投じています。代表は、創始者メンバーの1人でもあるサム・アルトマンCEO。
ChatGPTの仕組みは?
ChatGPTを動かしているのは「ラージ・ランゲージ・モデル」と呼ばれるアルゴリズム。このアルゴリズムに大量のテキストデータを覚えさせることで、とってもリアルで「まるで人が書いたような」文章を生成することができる自然言語処理ツールになっているのです。
ChatGPTの問題点は?
ChatGPTにはユーザを熱狂させるだけの魅力がありますが、その反面、既存産業や教育機関(大学・高校など)への影響など、多くの懸念があることも事実です:
・人間のライターがいらなくなる。
・事実と異なる記事を作ることがある(実際にありました)。
・ フェイクニュース記事が大量生産できる。
・サイバー犯罪のハードルが下がり、マルウェア作成が容易になる
ChatGPTはこれからどうなる?(3月15日更新)
今後どうなるかはまだわかりませんが、OpenAIがかなり将来の「勝ち組」に近いポジションを得たことは間違いないでしょう。

先日、マイクロソフトは同社の検索エンジン「Bing」とChatGPTとの統合を発表しました。PC向けの限定プレビュー公開で、BingのWebサイトの左上、「Chat」からウェイティングリストに登録できます。対話形式で検索を進めたり、メールを書いてもらったりすることができるそうです。
Googleも独自の対話型AI「Bard」を発表

こうしたOpenAI・マイクロソフトの動きに対して、検索の王者であるGoogleは「Bard」と呼ばれる対話型AIを発表し、対抗する構えです。
Bardは現在、テスター向けの限定公開。一般ユーザーは利用できませんが、Googleは人工知能開発に長く取り組んできている企業であり、その性能には期待が持てそうです(現時点ではChatGPT・マイクロソフトが一歩先を行っている感はありますが)。
専門家によれば「ホワイトカラーの仕事のほとんどすべてに何らかの影響がある可能性が高い」
先日、日本のAI研究の第一人者である東京大学の尾豊氏が研究室としての見解をまとめた資料が公開されました。そこには以下のような見解が記されており、激甚な影響があると見られていました。
「Chat GPTの卓越したコミュニケーション制度と圧倒的な知識量から、以前では決してできなかったことまでできるようになっている」
「人間が自分で打つ時代は終わって、情報の収集や要約、可視化まで自動化される可能性」
「ホワイトカラーの仕事のほとんどすべてに何らかの影響がある可能性が高い」
対話型AIは検索だけでなく、私たちの仕事・生活に大きく関わってきそうです。
2023年2月3日更新:OpenAIがサブスクリプションプランを発表したため、料金について更新しました。
2023年2月6日更新:日本語利用に関する情報を更新しました。
2023年2月7日修正:項目を並べ替え、目次を追加しました。
2023年3月15日更新:実装されたGPT-4および東京大学松尾研究室の見解を記載しました。