批判は覚悟の上。
アメリカ現地時間で水曜午後、Metaはトランプ元大統領のアカウントの凍結を解除することを発表しました。
トランプ氏のアカウントは約2年の時を経て、Meta傘下であるFacebook・Instagram共に晴れて来週復活。これによって、FBでは3500万人、Istagramでは2300万人(フォロワー数)に、トランプ氏が直接呼びかけられることになります。
垢BAN解除の理由は?
トランプ氏のアカウントが凍結されたのは、2021年1月 7日。
凍結理由は、2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件で民衆を扇動したとみなされたから。2年を経て、独立監査チームとも相談の上、公的安全に対する甚大なリスクはもうないと判断が下されたことで、解除となりました。
Meta世界情勢部門トップのNick Clegg氏は、凍結解除のプレスリリースと自身のTwitterアカウントで、「批判されることは覚悟の上でできるかぎりのプロセスを経てやらねばならぬことをした」と語っており、凍結解除が難しい決断だったことが伺えます。
また、トランプ氏のアカウント凍結は「非常時における例外対応」であり、通常の対応とは異なったことも強調されています。
復活後の制限、再び凍結のリスクあり
トランプ氏のアカウントは、他の凍結復活アカウントと同じ新たなルール下で運用されます。
もし、トランプ氏がFBポリシーに反するような投稿をした場合、Metaはその投稿を削除するとともに、1ヶ月から最大2年のアカウント凍結処置をとります。
また、ポリシーに反せずとも、議事堂襲撃事件を彷彿とさせるような投稿(事件が再び起きるような扇動的内容、選挙に関する誤情報や陰謀説も含まれる)をウォッチ対象とし、トランプ氏のポスト表示制限処置(トランプ氏のページまでいけば見えるけど、ユーザーのフィードには流れないなど)をとる考えです。
政治家はファクトチェックがかからない
Clegg氏は「公は政治家の意見を、いいことも悪いこともひどいことも聞ける状態にあるべき」だというFBの立ち位置を重視しており、元大統領であり次期大統領選挙にも出馬表明しているトランプ氏がプラットフォームへアクセスできることの意味を語っています。
一方で、FBの非常にビミョーなポリシーである「政治家のポストにはファクトチェックかけない問題」については、プレスリリースでは触れられていません。
復活アカウントには前述の制限がかかりますが、この政治家スルーのルールがどう絡んでいくかはわからず、ここは大きな批判の対象にもなりそうな気配。また、トランプ氏の大統領選出馬チームから、アカウント復活を求める手紙がきた(復活発表の1週間ほどまえ)という報道についても、触れられていません。
アメリカ自由人権協会は、この発表を受け、トランプ氏は政治家であり、SNSは政治家のスピーチや意見を聞く重要な場であるとした上で、Metaの決断を評価しています。
今後、トランプ氏のポストによって、Metaの決断に対する世論はまた変わるかもしれませんけど。
(トランプ氏のポストしだいでMetaも評価されちゃう。Metaとしては、頼むからルール守ってくれよー!という気持ちですよね…。)
Source: Meta