一度体験したらやめられない。
ニッポンが誇る肌着メーカー、グンゼは、the GUNZEをはじめ、YGやSEEKなどさまざまなブランドを持っていますが、その中でもボクはBODY WILDシリーズを長年愛用しています。
BODY WILDシリーズは、アート作品やキャラクターとコラボしたグラフィックなど生地のテキスタイルにも定評がありますが、何よりはき心地が素晴らしく、他メーカーのボクサーブリーフを着用した際に生じる「キツい…」「どうも収まりが悪い…」といった具合の、甘酸っぱいような、苦いような、あのなんとも筆舌に尽くし難い感覚をほとんど感じたことはありません。
抑えすぎず、解放しすぎず、ちょうど良い。このちょうど良さが、BODY WILDシリーズにはあるのです。
ウエストゴムも縫い目もない
そしてBODY WILDシリーズの中でも、最近のお気に入りはAIRZライン。
ウエストゴムも縫い目もないというグンゼ独自の接着技術を採用していて、さらにウエストと裾は独自のカットオフ技術を採用した、“切りっぱなし”のフラット仕上げ。
ウエストゴムをなくしたことでウエスト部分への着用圧が激減し、しかも独自のパターンで素肌に吸いつく、その絶妙に心地よいフィット感。

そして、フロント部におけるオリジナルの立体接着技術が抜群のホールド感を実現しながらも、しめつけ感はゼロ、いわゆるひとつの収まりが良いというヤツです。

素材は、レーヨンやポリウレタンといった化繊を使用しており、通気性も良く、ほとんどムレることはありません。
ちなみに、パンツで気になるブランドタグの部分。モノによってはウエストゴムの部分にあって、肌に当たってストレスになるなんてコトもありがますが、BODY WILDシリーズ自体、タグはすべてプリント化しており、しかもAIRZラインは縫い目すらないのでそんなストレスもありません。

ちょっとしたヒラヒラ生地の一枚布をまとっているかのような、とにかく軽くて、「まるではいていないような感覚!」とまではいきませんが、はいているのに気にならないという言い方が合っているのかもしれません。
このあふれんばかりの解放感、まさにストレスフリーとはこのことを言うのでしょう。
さらに、抜群の耐久性を持ちながら価格帯はかなりリーズナブル。これぞ世界最高のコスパパンツと言っても過言ではないでしょう。
国境を超えて愛されるグンゼのパンツ

ところでこの「ボクサーブリーフ」というカタチはいつごろ現れたのか。
70年代以前生まれのちょっと大人な方にとっては、グンゼといえば真っ白なブリーフのイメージなのではないでしょうか。かく言うボクも世代的には白ブリーフ全盛の時代に育ちました。
その後、80年代から90年代前半にかけてトランクスが世の中の主流になっていきます。
そして、その流れを打ち破ったのが、90年代前半登場したアメリカのファッションブランド、カルバン・クラインの発表したボクサーブリーフだったのです。
トランクスの形状を持ちながらブリーフのような伸縮性のあるフィット素材で作られ、世界的な人気アイテムとなりました。
逆にこのころ、白いブリーフも息を吹き返します。
香港映画を代表する俳優トニー・レオンは、ウォン・カーウァイ監督作品『恋する惑星』(1994年)、そして『ブエノスアイレス』(1997年)にて、白いブリーフ姿を披露し、肩身の狭い思いをしていた白ブリーフ派に希望を与えた立役者の一人と言えるでしょう。
さらに、白ブリーフ、しかもグンゼの白ブリーフを世界へと知らしめた存在といえば、俳優で映画監督、カメラマン、ラッパーとしても活動していたヴィンセント・ギャロです。
彼は、自身が監督した映画『バッファロー’66』(1998年)内でグンゼの白ブリーフを実際に着用して話題になりました。その当時、日本に来日した際、プライベート用にグンゼの肌着を大量購入していたという、自他共に認めるグンゼファンであることは有名な話です。
高い技術力を身にまとう喜び

このように、世界にその名を馳せるグンゼ。現在は大阪市が本拠地ですが、そもそもの発祥は京都府綾部市。創業者である波多野鶴吉が明治29年、38歳の時に設立し、かつて社名は漢字で「郡是」と書き、郡是製絲株式会社という社名でした。
現在は、繊維業のほか、抜糸しなくても良い吸収性縫合糸を開発したり、人工血管の研究に取り組んだりと、メディカル分野へも事業を展開しています。
そんなグンゼの高い技術力から生まれたAIRZラインの抜群なフィット感、今日も楽しませてもらいます。
※価格など表示内容は執筆時点のものです。変更の可能性もありますので、販売ページをご確認ください。
Photo: カネコヒデシ
Source: グンゼ