また1つ伝説が終わる。
Metaは同社の初代VRヘッドセット「Meta Quest 1」のサポートを終了することを発表しました。
今後はコンテンツの更新も受けられなくなるとのこと。ただし来年の2024年までにはセキュリティパッチや、バグ修正は配信される予定です。
メタバースな機能も利用不能に
MetaはQuest 1のユーザーあてにその旨メールで通知しており、その内容がTwitterに投稿されました。そこには同社が(安価な)初代VRデバイスのサポートを終了すると明記されています。
Meta Quest 1 will no longer receive feature updates, have access to friend party joins/creates, or access to Horizon Home features
— Brad Lynch (@SadlyItsBradley) January 9, 2023
These headsets will still receive important bug/security fixes until 2024 pic.twitter.com/DvQ5X5Y10Q
ヘッドセットとインストール済みのゲームやアプリは引き続き利用可能ですが、今年3月5日以降はパーティを組んだり参加したりはできなくなります。
また、Metaがリリースするメタバース“Horizon Home”にアクセスできなくなるので、他のユーザーをホームに招待したり他の人のホームを訪れる機能は使えなくなってしまいます。
Oculus Questとして登場
Meta Quest 1は2018年に“Oculus Quest”として華々しくデビューし、MetaのザッカーバーグCEOもこれを「プレミア・ワイヤレスVRヘッドセット」と称しています。ちなみに販売開始は2019年(なのでMetaが「4年以上前に」発売したというのは、若干ズレているような)。
その後2021年にデバイスとサービスともに社名のMetaを冠した名称に変更されました。つまりQuest 1は4年前のテクノロジーで運用されているので、Metaが旧タイプのハードウェアをこれ以上サポートしたくない、という気持ちもわからなくはありません。
消えゆく低価格VRヘッドセット
後継機のMeta Quest 2は、「低価格でエントリーレベルのVRヘッドセット」とされていますが、これはMetaが「メタバース」のコンセプトを支持してもらうために赤字覚悟で展開した戦略だと思われます。
しかし昨年の第3四半期にはメタバース事業が苦戦していることが浮き彫りに。
値上げ&サポート終了=Meta製エントリーVRは高額化
昨年、Meta社はQuest 2を2万円以上の大幅値上げを決行しました(128GB版が3万7,180円から5万9,400円)。
初代Questは当初64GB版が49,800円、128GB版は62,800円で発売されましたが、ネット上ではさらに安価なバージョンも出回っているようで、手軽に入手できる低価格ヘッドセットが1つ消えることになりそうです。
これに代わる新製品のリリースのお知らせは今のところありません。Quest 1のサポート終了はエントリーレベルVRの高額化を意味します。
要チェックなのはPS VR2
TikTok親会社のByteDanceが所有するVR会社Picoは昨年、128GB(約6万円)と256GB(約7万1,000円)のヘッドセットを発表していますが、CES 2023には参加しておらず、米国での発売予定はいまだありません。
それ以外には最近でお手頃価格のVRセットがリリースされるという動きはなし。
Metaは昨年、22万6,800円のQuest Proを発表していますが、高額なこともあってか評価は賛否両論です。HTCからは今年、VRもMRも楽しめる複合現実感ヘッドセットVIVE XR Eliteが17万9,000円で発売され、CESにも出品されています。
でも、忘れちゃいけないのがソニーのPlayStation VR2。CESでもデモ用に展示されていましたが、2月には79,980円でヘッドセットがリリースされるので、そちらは要チェックです!