AIの勉強不足でした。
ここ数カ月の間で、「Midjourney」や「Stable Diffusion」、「DALL-E 2」など人工知能を使った画像生成プログラムにより、ホントに存在しているかのように超リアルなフェイク写真が簡単に作れるようになりました。
たとえばプログラマーのマイルス・ジマーマンさんが、別のAIチャットボット「ChatGPT」でプロンプトと呼ばれるテキストを生成し、それを基に「Midjourney」で作った画像がこちら。
若者たちのパーティーにて、インスタントカメラで撮った感じの楽しい写真が完成しました。
Midjourney is getting crazy powerful—none of these are real photos, and none of the people in them exist. pic.twitter.com/XXV6RUrrAv
— Miles (@mileszim) January 13, 2023
完全に人が撮った写真に見えるが…
人物の表情はパーティーを満喫しているとしか思えず、部屋の暗さやカメラのフラッシュ、ちょっとボケたピントなどが本当の出来事かと見紛うばかりですが…これらは全てAIが作ったニセモノで、誰もこの世に存在していないんです。
今のAIはこのクオリティーの画像を作れるのですが、よ~く見るとおかしな点があるんです。
それは指先。関節の曲がり方、爪の形、長さのバランス、やたらと本数が多いものもあります。
AIは人間の手指の描写がもの凄くヘタクソで、かなりの確率でそこだけ心霊写真のようになるんです。
手だけを生成した作品を見てみましょう。極端な例ですが、ちょっと不気味な手が大量に産み落とされました。
— Weird Ai Generations (@weirddalle) January 22, 2023
手の表現がおかしいのはなぜか?
AIはネット上にある何千、何億という写真を使って学習します。しかし人間が撮った写真は上半身が多い割にあまり手が写っていないのが理由だろう、と「Stable Diffusion」の中の人がコメントしています。
またフロリダ大学でAIとアートを研究しているアメリア・ウィンガー-ベアスキン准教授いわく、AIは解剖学的に指がどのような構造で、手が何なのか理解していないと話しています。
人間にだって手を描くのは難しい
確かに骨格から分かっていないとメカニズムを知りようがありませんし、ネットで見る写真は人が何かを握っていたり、Vサインをしていたり、角度によっては5本指に見えなかったり、関節を曲げていれば短く見えますもんね。
これは人体デッサンでも、ちゃんと骨格から理解してバランスよく描けるようになるまで修練が必要なのと同じことなのでしょう。
イラストを描く人たちもその難しさはご存知かと思いますが、それはAIにとっても同じなんですね。
歯並びもおかしいぞ
これで手指がヘンな理由が分かりましたが、実はAI画像、人間の歯並びもちゃんと理解していないご様子。
改めて見ると、微妙に歯が多いことが分かります。もしフェイク画像を疑うときは、まずこれらの2点に注意してみてください。
Source: Twitter (1, 2) , Amelia Winger-Bearskin via Futurism, BuzzFeedNews