Mac環境を一気にアップグレードするなら、外付けディスプレイ。
でも、誰もがどんなディスプレイを使っても良いというわけではありません。
だって、ひと口で「外部ディスプレイ」と言っても、そこには画面サイズはもちろん、解像度や色空間、パネル特性、接続性や画面モードなどさまざまな特徴やスペックが存在していますからね。
とくにMacの場合、ディスプレイの選び方には気をつけたいところ。なぜならアップルがすべてのMacを製造しているため、MacBookシリーズを筆頭に「純正」のディスプレイが存在しており、そこに基準が設けられているからです。
そんな中、BenQの「PD3220U」は、まさにMacBook Pro向けかつ動画クリエイター向けをうたうハイエンドな外部ディスプレイ。このMac&クリエイター向けディスプレイを、Mac歴20年にして仕事現場で数々の写真や動画を扱っている編集者/ライターが試用しながら「Macの外部ディスプレイ選びに求めたい5つのポイント」を紹介していきます。
1.Retinaディスプレイと遜色ない精細感

Macの特徴の一つが、ピクセルが視認できないほど滑らかな表示を可能にする「Retinaディスプレイ」です。
せっかくそんなRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proと組み合わせて使うなら、外部ディスプレイもMacBook Proの画面と並べて違和感のないものを選びたいところ。
大画面の外部ディスプレイが手元にあるMacBook Proの画面よりも著しく精細感に欠けていたら、「あ、なんか文字がギザギザしてるなー」とかシンプルにテンションが下がってしまいますからね。
その点「PD3220U」は4K解像度に対応しているので、しっかりと精細感がある画面表示を実現してくれています。
とくに映像クリエイターの場合、近年は4K画質が一般化しつつあるのでぜひ4K以上の解像度に対応したディスプレイを選びたいところではないでしょうか。
2. MacBook Proとの統一感ある発色

MacBook Proのディスプレイは、グラフィックや映像のプロの間でも信頼を集めています。
その大きな理由の一つが、モデルによって細かな差はあれども、全体を通して大きく色のイメージがズレにくい統一感あるカラーマネジメントにあります。つまりMacを使っているユーザー同士であれば、大体近い色味でデータのやり取りができるわけですね。
さらに近年はiPhoneとiPadが普及しており、これらのディスプレイもMacと近い発色を持っていることから、よりMacのディスプレイが重要視される傾向にあります。
つまり、ポイント1と近い話ですが、外部ディスプレイでもMacBook Proと統一感のある発色ができていることが重要になってきます。
「PD3220U」は、現行のMacBook Proの色域である「P3」に95%対応しているほか、よりMacBook Proのディスプレイに発色を近づけたカラーモード「M-Bookモード」を搭載しています。上の写真も「M-Bookモード」に設定しているのですが、光沢と非光沢の違いはありますが色味としては非常に近く、肉眼では写真よりもさらに両者の差は少なく感じられました。

さらに「PD3220U」には幅広い環境や目的での作業を快適にするディスプレイモードが搭載されているほか、2つのモードを左右に並べて表示できる「DualView」機能も用意されています。
上の写真は通常のP3を左に、右に明るさを落とした環境でもディテールを確認できる「暗室モード」を表示したもの。こんなにも変わるものなんですね。
他にも、明るさをほぼそのままに暗部を明るくする「デザイン(アニメーション)モード」や、線や輪郭を強調する「CAD/CAMモード」など、さまざまな用途に対応した表示が用意されており、クリエイターが現在向き合っているプロジェクトに最適なモードを選べるようになっています。
この辺りはさすがMac向け/クリエイター向けとうたうだけのことはありますね。

そして今回「PD3220U」を使って感動したのは、付属のコントローラ「ホットキーパック G2」の使い勝手です。これはディスプレイの明るさやコントラスト、スピーカー音量の調整や、カラーモードの切り替えを手元で行なえる装置なのですが、とにかくカラーモード切り替えの反応が速いんですよ。カラーモードごとの見え方を確認するため、ディスプレイのモード設定を変えたとき、数秒の暗転が挟まるディスプレイって珍しくないんですが、そのレベルのタイムラグがあると使い勝手が悪いばかりか「前のモードの色味ってどんなだっけ?」と比較にならなかったりするんですよ。
でも、「PD3220U」自体がカラーモードの切り替えが暗転をほぼ感じないくらい速いし、「ホットキーパック G2」はよく使うカラーモードを各ボタンに割り当てておけるので、比較がしやすいんです。
3.大画面の快適な作業領域

ここまで精細感と色味という話をしてきましたが、それでも外部ディスプレイ最大のメリットは作業領域の拡大です。
まず、映像編集やグラフィック系のアプリはツールボックスなどが多いため、一画面の大きさが重要となります。そしてスプレッドシートなどを使った事務作業をする場合でも、参考資料とメイン作業アプリを同時に開いておけるので、ウインドウ切り替えのクリックやショートカットキーを使う手間が大きく削減されます。
「PD3220U」ならば、31.5インチという超大画面でこうした作業ができます。
MacBook Proは現在13~16インチのバリエーションが用意されており、解像度などの要素も絡むことから単純比較はできませんが、少なくとも約2倍の大きさの画面で仕事ができることは、間違いなく大きなメリットです。
しかも「PD3220U」のような高性能なパネルを搭載しているモデルなら「MacBook Proと共通した精細感と色味を維持したまま、作業領域を拡大できる」のです。というか、映像や写真などのグラフィックを扱うのならば、上記1~3までのポイントをすべて同時に実現することが、Macの外部ディスプレイ選びにおいてもっとも重要な要素だと思います。
4.ケーブル1本でのシンプルな接続性

MacBook Proの魅力といえば、一台でなんでもできる高性能をどこへでも持ち運べる総合力。
とくにM1チップ登場以降はMacBookに限らず、MacBook Airも遜色ないスペックとなり、クリエイターの使用も増えているように感じます。
そんなMacBookシリーズを最大限に活用するためには、外部ディスプレイとの接続も取り外しも簡単に行ないたいところです。毎回Macをディスプレイに繋いだり外したりするたびに何本もケーブルを抜き差しするのは大変ですからね。
接続性において現状最高のソリューションは「PD3220U」も対応しているThunderbolt 3ケーブル接続一択です。Macの大容量バッテリーの充電と映像転送を、ケーブル1本で同時にできてしまいますからね。
5.本体デザイン

そして最後のポイント。それは本体デザイン。
クリエイターに限らずMacを選ぶ多くのユーザーは、その本体デザインやMacOSのUIも重視していることでしょう。
そんな中でもMacBook Proは基本机の上に出しっぱなしですからね。ディスプレイとの相性は気になります。
ちなみに、MacBook Proを閉じて外付けキーボードやマウスなどと組み合わせる「クラムシェルモード」で外部ディスプレイを使う方も多いようですが、個人的なおすすめはMacBook Proを開いてキーボードとトラックパッドを使うスタイルです。せっかくのMacBook Proの画面を使わないのはもったいないですからね。もし作業領域として使わないのなら、Slackやメールなどの連絡アプリとカレンダーをSplit Viewで並べて表示しておくのがおすすめです。
話が横道にそれちゃいましたが、シンプルでミニマルなMacBook Proとのデザイン的な相性を求めるなら、やはり外部ディスプレイも「PD3220U」のような余計な装飾のないスタイリッシュなものを選びたくなるものですよね。

そして外部ディスプレイは頻繁に買い替えるものではありません。
その点で重視したいデザインが、ベゼルの薄さです。MacBook ProやiPhoneを見ても一目瞭然ですが、近年のトレンドはベゼルをどんどん薄くする方向となっています。
「PD3220U」のようにベゼルが薄いモデルを選んでおけば、新しいモデルが今後発売されたとしても「なんかうちのディスプレイ古臭いなー」なんて思う機会も減るというものです。
良いものは長く使いたいですから、最初のセレクトが肝心です。
Macの外部ディスプレイは「シンプル&高品質」が重要

Macの外部ディスプレイ選びで最も重要なのは、自分の用途を見極めること。
「Slackやメール、カレンダーを常に表示させておきたい」というニーズだけなら、外部ディスプレイにたいした性能は必要ないでしょう。
しかし、映像や写真など何かしらの視覚表現をしたいのなら、そしてMacBook Proとの相性を考えたいのなら、この記事で紹介した5つの要素をチェックして選んでみてはいかがでしょうか。
そしてもちろん、今回紹介したBenQの「PD3220U」はそれら5つの要素を高い次元で満たしたディスプレイです。
24~27インチのディスプレイが多い中、この31.5インチという大きめサイズは特筆すべき点。個人的にも、一番使い勝手がいいサイズ感がこの30~32インチ辺りだと思っています。さらにはなんといっても、付属のコントローラ「ホットキーパック G2」を使ったカラーモードの切り替えの速さ。これは多くのクリエイターが気に入るポイントとなるはずです。
Macにこだわるのなら、ぜひ「PD3220U」を検討してみてください。ちなみに人気の27インチについても「PD2725U」という高品質な4Kディスプレイがラインナップされているので、31.5インチが用途に合わない、あるいは置き場所がないという方はにはこちらもおすすめですよ。
Source: BenQ